エマ「うー……本当はすぐにでもバレー部の人たちに聞いて回りたいよ……!」

果林「気持ちはわかるわ、エマ。貴女ならきっと今の状況を我慢できるタイプじゃないって事」

エマ「……栞子ちゃんの行いは恨まれることはあるかもしれないけど……じゃあ、虐めていい理由になるの? 恨みがあるから、この子は虐めていい、ってそうなるの……? 私はそうは思えないよ……」

彼方「容認するわけじゃないけど、人の心は複雑だからねぇ。虐めは悪いことだってわかってても、この子はこんなに悪いことをしたから、それ相応に悪いことが起きても仕方ない──」

彼方「そういう詭弁を免罪符にいじめをやる、なんてよくある話だよ〜。それを許せるかどうかは、全く別の問題だけど」

果林「彼方、つくづく貴女と私が同じ年数を生きて来たとは思えないんだけど」

彼方「ふふふ、本は人を豊かにするのだよ」

果林(さりげなく私が活字を一切読まないということをバカにしてきたわね?)

エマ「部長さん、どうか、どうか犯人を見つけてください! 教えてさえくれたら、あとは私たちが……!」

部長「エマさんの気持ちは痛いほど良く分るよ。だから私もきちんと自分のなすべきことをこなそう。私だってそれなりに正義感というものもあるからね」

部長「さてと。早速行動開始としようかな。明日明後日にはきっと結果をたたき出して見せるさ」スッ

エマ「よろしくお願いします!」

果林「あ、そうそう」

彼方「もし回し者だってことがバレても、当局は一切関与しないのでそのつもりでね〜」

部長「えっ」

エマ「えぇっ!? 駄目だよそんなの!」

果林「冗談よエマ」
彼方「彼方ちゃん達が仲間を見捨てるわけないじゃないかぁ〜」

部長(……なんだろう。あの時の言葉を取り消したくなってきたな……ハハ……)