果林「あの子の場合、現状自分の今までの行いを悔いている節がたくさんあるでしょう? つまり自分の今までの行いを悪だと思っているの」

彼方「だから虐められても仕方ない、これは耐えるべきこと……そう思ってしまえば、栞子ちゃんはどんどんそれを受けれいれちゃうって話だねぇ」

エマ「そんな……」

果林「あの子の人を不幸にさせない、悲しい思いをさせない……そういう願いの部分が強い分、あの子が人を不幸に、悲しい思いをさせていた原因だったと分かった分……」

果林「より自分を責めるんじゃないかしら」

エマ「……じゃあこのまま何もせずに……?」

彼方「いーや? 彼方ちゃん達も手ぶらで待つだけじゃないよ。手掛かりはあるよ〜。エマちゃんは覚えてる? 愛ちゃんが口止めしたのに漏れちゃったって話」

エマ「……生徒会再々選挙? そう言えばそういう話も……でもそれがどういう……?」

果林「かすみちゃんは知ってるのよ。出所を。あの人気を誇る愛のお願いを裏切るリスクを冒してでも、栞子ちゃんに不利になる情報をばらした存在が、居るの」

彼方「かすみちゃんが聞いた子は、バレー部の子」

エマ「じゃあバレー部の子に一人ずつ聞いて回──」ダッ

彼方「ちょいちょいちょいちょい待った! そんな事したら余計怪しいから……一人頼りになる人材を呼んでおります!」ガッシィ

エマ「え……?」

ガチャ

演劇部部長「遅れてすまないね。話はラインで聞いていたよ。それで私はさり気なくバレー部のホシと思われる人に接触すればいいわけだ」

果林「言質は貰ってるから、助かるわ」