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歩夢「せつ菜ちゃん……落ち着いた?」

せつ菜「……」コクン

歩夢「ちょっとお水飲もっか。何か淹れて──」クイッ

せつ菜「ここに、居てください……」キュッ

歩夢「……うん。居るよ、ここに」ニコ

せつ菜「……」

歩夢「……」ナデナデ

せつ菜「とても、楽に……なりました。無理な笑顔を浮かべていても、本当の私の今の気持ちを知っていてくれる人が居てくれるって、わかったので」グスッ

歩夢「……良かった。せつ菜ちゃんの力になれて」

せつ菜「正直なところは……その。まだ私のこの感情をどうすればいいかわかりません。でも、歩夢さんという私の気持ちを知ってくれている人が居るだけで、私……とても、気が楽になりました」

歩夢「……せつ菜ちゃん、この事は……」

せつ菜「皆さんに話せばきっと理解してもらえるとは思います。ですが今の状況で場を乱したくはないんです。それに歩夢さんが居るだけで、私はもう十分です」

歩夢「──うん。分かったよ。せつ菜ちゃんが言うなら、私の胸の内に、秘めておくから。でも、いつでも話して? どんなに些細なことでも、私に全部話してくれればいいから……」

せつ菜「歩夢さん……ありがとうございます。私……私……!」グシグシ

歩夢「──せつ菜ちゃん、歌おう! カラオケなんだもん! 思い切り、好きなように歌おう! 今は全部忘れて、楽しいことを!」

せつ菜「はい……はいっ!!」ペカーッ