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──同時刻 カラオケボックス

歩夢「えへへ、二人でカラオケって初めてだね、せつ菜ちゃん」

せつ菜「はい! でも嬉しいです、歩夢さんから誘ってもらえるなんて……!」ペカー

歩夢「うん。私、せつ菜ちゃんとカラオケ行きたいなぁってずっと思ってて。せつ菜ちゃんの歌声、すごく力を貰えるから……」

せつ菜「嬉しいですっ! スクールアイドル優木せつ菜、至上の喜びですよ!!」

歩夢「えへへ……それに、せつ菜ちゃんと二人っきりでおしゃべりしたいなぁって、思うこともあったし……」

せつ菜「私と二人……ですか? それは、どういう……?」

歩夢(私は本当に、こういうことは不得手で。いつも侑ちゃんの陰に隠れて……この前も、せつ菜ちゃんに背中を押してもらえなかったら、ずっと……)ギュッ

せつ菜「あの、歩夢さん……?」

歩夢「せつ菜ちゃん。私に……何か隠してるよね?」

歩夢(後戻りはできない。でも、これは私が気付いたことだから。私が今度はせつ菜ちゃんを)

せつ菜「隠し事……ですか? いえいえ、隠し事なんて、ましてや歩夢さんに何かを──」

歩夢「しっ、栞子ちゃんの、こと」

歩夢(から回ってちょっと噛んだ……)