遥「……っ」

彼方「いいよ」

遥ちゃんの細い指が首にかかる

苦しいのは嫌だけど

でも、それが遥ちゃんの味わった苦しみだというのなら我慢もできる

彼方「ぅ……」

指の一本一本に力が込められていくと

大事な血管を押さえられてるからか、強い違和感と不快感を感じてしまう

彼方「ぁ……」

遥「っ……無理……」

彼方「っ、はっ……けほっ……」

首を絞めたという部類にまで届かない程度で離れた遥ちゃんは、

首を締めようとした手を押さえて……引き下がっていく

彼方「遥ちゃん……」

泣きそうな顔

辛くて、苦しくて、崩れてしまいそうな……

遥「やだ……殺したくない……」

彼方「屋上から飛び降りるっていう手もあるんだよ〜?」

遥「お姉ちゃんを突き落とすなんて、出来るわけないよ!」

彼方「ぎりぎりまで連れていってくれたら、あとは自分で――」

遥「やだっ!」

遥「やだよ……そんなこと……やだ……っ!」