0004名無しで叶える物語(やわらか銀行)
2020/10/18(日) 23:49:11.69ID:rXFdQwJA『事実は小説よりも奇なり』
曜「ねぇ梨子ちゃん。梨子ちゃんって、トレジャーハンターなんだって?」
朝のホームルームの、開口一番。
隣の席からの声に、桜内梨子はずっこける事になった。
梨子「な、な、なんで……!?」
曜「いや〜、千歌ちゃんが朝からな〜んか言いたくて言いたくてたまらないって顔してたからさ。あ、モチロン誰にも言わないよ? ただぁ、アタシも連れてって欲しいなー、なんて」
昨夜、自身の正体を千歌に明かした後。
誰にも言わないようにと釘を差したにも関わらず、この始末である。
本人は現在、眠っていた所を教師に叱られていた。
そして今、梨子に睨め付けられている。
梨子「千〜歌〜ちゃ〜ん?」
千歌「ご、ごめんごめん。どうしても曜ちゃんには話したくて、つい……」
まぁ、知られてしまったものはしょうがない。いや、よくないが。
心の中でそう独りごちた後の、昼休み。
梨子は一人、遺跡の情報を調べる為に図書室を訪れた。
図書委員の子に、地元の歴史に関する書物がどこにあるか尋ねる。
おっとりした図書委員
「それなら、一番奥の隅っこになります」
梨子「ありがとうございます」
おっとりした図書委員
「いえ、これがオラの仕事なので」
梨子「おら?」
おっとりした図書委員
「はうっ!?」
梨子が聞き返すと、頭を抱え出す。
梨子(ひょっとして、地元訛りが出たのを気にしているのかな?)