0002名無しで叶える物語(やわらか銀行)
2020/10/18(日) 23:47:25.79ID:rXFdQwJA風が、不安を煽るようにざわつく。
そのざわつきも、もう慣れてしまっていた。
梨子「よし。着いた」
そこは、今日から通い始めた場所。
浦の星女学院。
既に調査報告を受けていた、校舎裏の山へと入っていく。
梨子「確か、この辺りに反応があったはず……」
聞き覚えのある少女の声
「何してんの?」
梨子「!?」
突然話し掛けられて、梨子は思わず身構えた。
そこにいたのは、千歌ちゃんーー高海千歌だった。
いつからそこにいたのか。
探す事に夢中で、尾行されている事に気付かなかった。
完全に、梨子のミス。
千歌「なんか、凄い装備してるけど……何か探してるの?」
梨子「えっと、これはーーきゃあ!?」
千歌「うわわわわっ!? じ、地震!?」
どう説明すればいいのか。そう思った矢先に起きた地震。
少しの間とはいえ、立つことすらままならない程の大きな揺れ。
完全に治まったのを確認してから、辺りを見回す。
千歌「うわっ!? 何アレ!?」
千歌が叫ぶ声で振り向くと、そこには大きな裂け目が。
奥深くまで続く、入り口が姿を見せていた。
梨子「これって……!」