そう思った時に、閃いた。
 否、閃いたというより、ふと尋ねてみたくなったのだ。

梨子「ねえ、曜ちゃん。これ、頭に当てる自信ある?」

曜「え、これ? どうだろな〜? やってみないと……」

梨子「じゃあよろしく。タイミングはまた伝えるから」

 曜の運動センスを信じて、梨子は化物の前へと踊り出る。

梨子「こっちよ、化物!」

 化物が梨子に向かって行く。
 梨子はゆっくりと、タイミングを見ながら引き寄せる。
 そして化物が、身体を後ろに大きく反らした瞬間。

梨子(今っ!)

 梨子は全力で、化物の懐へと突っ込んでいく。
 そして衝撃波と同時に飛び込み前転。
 化物の放った衝撃波は梨子の真上を通過し。
 梨子は立ち上がって化物とすれ違うように後ろへ回る。