梨子「あなた、確か……」

ルビィ「黒澤ルビィ、です」

千歌「可愛い!」

曜「いや、そんな事言ってる場合じゃあ……」

 人見知りもどこへやら、ハキハキと三人に話し掛けてくる。

ルビィ「何しに、来たんですか?」

梨子「貴女こそ、こんな所に一人で何を」

ルビィ「答えて」

 強気な言葉に、思わず後ずさる。
 昼休みに見た姿からは想像出来ない、強硬な態度。
 協会から支給されたタブレットから、警告メッセージとアラームが鳴り響く。
 特殊な電磁波を感知し、持ち主に知らせる機能が教えてくれた。
 この子は、危険だ。

梨子「私達は、ここの調査に来たの」

ルビィ「ここは、余所者が入っていい場所じゃないんですーー消えて!」

 叫ぶと同時に、突風が梨子達を襲った。

梨子(なに、今の? ひょっとしてあの子が?)

 分からない。けれど、今はあの子を止めるのが先決。