半沢直樹「国立音ノ木坂学院の再建?」
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頭取「ああ」
頭取「やってくれるか?半沢次長」
半沢「…」
半沢「…はい」
半沢「…かしこまりました」
頭取「そうか」
頭取「頼んだぞ、半沢」 ■ 半沢帰宅中
スタスタスタ
??「…半沢さん」
半沢「…ん?」
半沢「か…笠松さん!」
半沢「どうされたんですか?」
ウイーン
白井「…」ペコリ
半沢「白井大臣!?」 ■ 半沢家
ガチャッ
花「あ、直樹おかえりー」
半沢「な…なにこれ…!?花まみれじゃない!?」
花「んー、ちょっと仕事頼まれちゃってさ」
半沢「い…今すぐ片付けて…!!」
花「何言ってるの直樹」
半沢「お客さんだ…!!」
花「へっ?」
ガチャッ
白井「…」ペコリ
花「!?」
花「し…白井大臣…!?」ガタガタ
ガンッ!!
花「あ…いったぁ…!!」
半沢「…」
白井「…」 白井「突然申し訳ございません…」
白井「人目のある場所は避けたかったもので」
花「…」
半沢「……花?」
花「……ほんものだ…」
白井「…」
半沢「…」
花「い…いえ〜…あはは…」 ――――――
――――
――
白井「…それで」
白井「過去に先生が不正を犯した、という確固たる証拠はあるんですか?」
半沢「いえ」
半沢「ですが、幹事長の過去の融資に関するクレジットファイル…」
半沢「…クレジットファイルとは、貸出しをしている相手先の情報など」
半沢「貸出しを行うにあたり必要な情報を漏れなく記載した書類のことです」
半沢「そのファイルが見つかれば幹事長の不正の証拠に足る情報が得られると考えています」
白井「…」
半沢「白井大臣」
半沢「あなたはキャスター時代にアイドルに関する話題を熱心に取り上げられていた」
半沢「アイドル番組の司会も数多く経験されている」
半沢「彼女達の思いは人一倍ご理解されているのではと推察します」
半沢「もし、この国を、教育を、スクールアイドル達を取り巻く環境を変えたい」
半沢「というご意志があるのであれば」
半沢「どうかお力を貸していただけないでしょうか」
白井「…」
白井「……信用なりません」 白井「結局あなた、何の証拠も持っていないんじゃないですか」
半沢「……先ほど申し上げたクレジットファイル」
半沢「そのファイルを見つける手がかりは『高ア連』にあると考えています」
半沢「そうですよね」
半沢「笠松さん」
笠松「……」
白井「…笠松さん?どうして笠松さんが出てくるんですか?」
笠松「それに高ア連って日本高等学校スクールアイドル連盟のことですよね?」
半沢「教えていただけませんか」
半沢「幹事長と高ア連の関係について」
笠松「……半沢さん」
笠松「明日、お時間空いていますか」
半沢「ええ、無理やりにでも空けることは可能です」
白井「?」
笠松「あなたと直接お話しいただきたい方々がいます」
半沢「ええ、お待ちしておりました」ニッコリ ■ 翌日@穂むら
穂乃果ママ「ごめんなさいね」
穂乃果ママ「急に2人に店番頼むことになっちゃって」
雪穂「んーん、ぜんぜん大丈夫」
穂乃果「穂乃果達がいつもの2倍売ってみせるっ!」
穂乃果「やるったらやるっ!」
雪穂「うげぇ…それはちょっときついなぁ」
穂乃果ママ「ふふっ」
穂乃果ママ「もし本当にそうなれば来月のお小遣いアップかしらね」
穂乃果「ほんと!?」パァー
雪穂「やったっ!!」パァー
穂乃果「そうなったら雪穂!海未ちゃん達に連絡だっ!!」
雪穂「うんっ、私も亜里沙に声かけよ〜」
穂乃果ママ「」クスッ
穂乃果ママ「穂乃果、雪穂」
穂乃果ママ「いってきます」
穂乃果・雪穂「いってらっしゃ〜い」 穂乃果「じゃーお店がんばろっかっ」
雪穂「最近おねーちゃん店番やる気あるよね」
穂乃果「そうかな?」
雪穂「うん」
穂乃果「そうだねぇ」
穂乃果「ある人の言葉を思い出したからかな?」
雪穂「なーに?」
穂乃果『仕事は常にお客さんのためにするもの』
穂乃果『いつも人を笑顔にさせられる仕事を自分はしたい』
穂乃果「これってね?」
穂乃果「スクールアイドルと同じなんだよっ♪」ニコッ ■ 居酒屋「上越やすだ」
ガララ-
半沢「失礼します」
智美「半沢さん」
智美「お待ちしていました」
半沢「お昼からわざわざお店を開けていただき申し訳ありません」
智美「お気になさらず」
智美「こちらへどうぞ」
半沢「ありがとうございます」
スタスタスタ
半沢「白井大臣、笠松さん」
半沢「谷川さん、高坂さん、智美さん」
半沢「本日はお集まりいただきありがとうございます」
半沢「それでは…早速始めましょうか」ニッコリ >>729
「それに高ア連って〜」は白井大臣のセリフの誤記です
失礼しました ――――――
――――
――
穂乃果ママ「半沢…さん」
穂乃果ママ「娘からお名前は聞いていましたが」
穂乃果ママ「まさか…」
半沢「…申し訳ございません」
半沢「本当であればもっと早くにご挨拶しなければならなかったのですが」
智美「…そんな」
智美「半沢さんが…半沢芸能の…」
半沢「…谷川さん、高坂さん、そして、智美さん」
半沢「皆様のお名前から、気づくべきでした」
穂乃果ママ「…しかたないわ」
穂乃果ママ「もうだーいぶ前の話だもの」
谷川「…」 半沢「谷川さん」
半沢「…そのご様子から察するに、あなたは気づいておられた」
半沢「違いますか?」
谷川「……」
谷川「……ええ」
谷川「半沢さん、あなたのおっしゃる通りです」
半沢「…そうでしたか」
穂乃果ママ「幸代…どうして言ってくれなかったの…?」
谷川「…当然でしょう」
谷川「半沢さん、あなたは社長の仇である銀行にわざわざ入行された」
谷川「なにが裏があると思うのは当然よ」
半沢「…」
智美「で…でも…半沢さんに限って…」
半沢「…いえ」
半沢「それに関しては何を言われても仕方がないと思います」
半沢「ですが…私は親父を裏切った銀行を変えるために入行しました」
半沢「人も…会社も…そして、アイドルも」
半沢「本気を出せば絶対に変われます」
半沢「…それだけは…どうか信じていただきたい」
谷川「信じる、信じないは私の勝手です」
谷川「あなたにとやかく言われることじゃない」
半沢「…」 穂乃果ママ「ゆ…幸代…!」
谷川「あなたが、半沢芸能の御子息だと分かってから」
谷川「こちらでもいろいろ調べさせていただきました」
谷川「半沢さん」
谷川「あなた、浦の星女学院まで押しかけたそうですね」
半沢「…ええ」
谷川「浦の星の理事長が言っていました」
谷川「『彼は最高に頼りになるバンカーよ』って」
谷川「あの子がそんなこと言うのは非常に珍しいことです」
半沢「……小原さん」
谷川「貴方のことを色々調べ、私自身で一つの結論を出しました」
半沢「…」
谷川「半沢さん」
谷川「私は」
谷川「高ア連は」
谷川「全面的に、あなたに協力させていただきます」
半沢「……!!」 谷川「こちらこそお話が遅くなり申し訳ありませんでした…」
谷川「組織が大きいと、どうしても下手に動けなくて」
半沢「いえ、とんでもございません」
谷川「笠松さんにコンタクトを取って本当に正解でした」
笠松「いえ」
笠松「私は新政党の未来を思って動いたまでのことです」
笠松「ですが、どうして私に」
谷川「それは」
谷川「白井大臣が貴方を信頼しているから」
谷川「です」
白井「…?」
白井「なぜ…私が出てくるのでしょうか」
谷川「白井大臣」
谷川「あなたは大昔のことなので忘れているかもしれませんが」
谷川「私たちシスプリがデビューした当初、最も可愛がっていただけたのが」
谷川「当時アナウンサーをしていた白井アナです」
白井「シスプリ…」
白井「…あ…!あのときの…!」
谷川「白井アナ」
谷川「当時のアイドルは色眼鏡で軽く見られることがほとんどの中」
谷川「あなただけはアイドルを、私たちを敬って対応いただいた」
谷川「白井アナの誠実さは、私たちの心の中にずっと留まっています」
白井「…そうでしたか」 谷川「その白井大臣の側近である笠松さんに相談を持ちかけた理由が」
半沢「………箕部幹事長」
谷川「ええ」
白井「……」
白井「……やはり先生は」
白井「…………過去に」
谷川「」コクリ
白井「そ…そんな…」
半沢「……谷川さん」
半沢「箕部幹事長の過去を暴くための手がかり」
半沢「お持ちですか?」
谷川「それを話すために私はこの場にいます」
谷川「こちらをご覧ください」 ――――――
――――
――
半沢「…つまり…高ア連の金庫の中に」
半沢「箕部の不正融資に関わるクレジットファイルが隠されている、と」
谷川「はい」
穂乃果ママ「それなら話は早いじゃない」
穂乃果ママ「それを明るみに出しちゃえば」
谷川「それがそんなに簡単なことじゃなくて」
谷川「金庫は、もう10年以上も前から開けられていない」
谷川「開けるには、高ア連のトップと、箕部のそれぞれの個人暗証番号が必要なの」
谷川「前者は私の方でどうにかなりますが、後者は箕部じゃないとわからない」
半沢「…なるほど」
白井「……」
白井「……その暗証番号というのは、どのような体系のものですか?」
谷川「16桁の数字です」
谷川「もし3回間違えると、箕部にも連絡がいく仕組みになっています」
智美「…それでは確証無く入力するのは危険ですね」
白井「……16桁の数字」 半沢「白井大臣、何か思い当たる節がありますか?」
白井「…さすがに先生であっても」
白井「16桁の数字を完璧に記憶できるとは思えません」
白井「おそらく…先生のパソコンのどこかにメモがあるのではないか…と」
半沢「パソコンは誰でも簡単に見れますか?」
白井「…いえ」
白井「ログイン情報は先生と第一秘書しか知りません」
半沢「…そうですか」
半沢「谷川さん」
半沢「何か適当な口実を作って」
半沢「箕部幹事長と第一秘書の方を高ア連に呼び出して頂くことは可能ですか」
谷川「わかりました、やってみます」
半沢「ありがとうございます」
ピッ…
Prrrrr…. Prrrrr….
瀬名『はい、瀬名です』
半沢「瀬名社長」
半沢「折り入って、一つご相談があります」 ――――――
――――
――
■Spiral本社
Prrrr… Prrrr…
ピッ
瀬名「はい」
瀬名「Spiralの瀬名です」
白井『白井です』
瀬名「大臣、状況はいかがですか?」
白井『さきほど、先生達が外出されたので』
白井『今、先生の部屋に入ったところです』
瀬名「わかりました」
瀬名「担当の者に変わります」 高坂「もしもし、お電話変わりました」
高坂「瀬名に代わりまして」
高坂「引き続き、私、高坂がサポートさせていただきます」
白井『すみません、ありがとうございます』
高坂「お渡しさせていただいたUSB、お持ちですか?」
白井『はい』
高坂「そちらを、パソコンに挿した状態で」
高坂「起動していただけませんか」
サッ
ウイーン
白井『…起動しました』
高坂「ありがとうございます」
高坂「それでは、私が言う通りにキーボードを押していただけますか」
白井『わかりました』
――――――
――――
――
白井『……!!』
白井『ログインできました…!』
高坂「良かったです」 高坂「パスワードが書かれたファイルがありそうな場所」
高坂「検討つきますか?」
白井『…それが…正直検討が付いておらず』
高坂「わかりました」
高坂「それではUSBの中に」
高坂「PC内のパスワード関連のファイルを高速で検索できるソフトを入れていますので」
高坂「そちらを実行してみて下さい」
白井『…これですね』
カチッ
白井『……』
白井『……』
白井『……』
白井『……!!』
高坂「どうですか?」
白井『……それらしきものがありました』
白井『高ア連_クレジット_パス.txt』
高坂「ビンゴ、ですね」
白井「ええ」
白井『早速半沢さんに共有するようにします』
高坂「はい、それがいいと思います」
白井『ありがとうございました』
白井『失礼いたします』
ピッ 瀬名「いけたのか?」
高坂「はい、なんとか」
瀬名「こんな短時間でよく検索ツールまで用意したな」
高坂「まぁ」
高坂「人間その気になれば何だってできますよ」
瀬名「じゃあ今降ってる雨を止ませることもか?」
高坂「人によっちゃできるんじゃないですか」
瀬名「本当かよ」
瀬名「…ん?」
瀬名「なんだ、お前」
瀬名「会社のパソコンで動画なんか見て」
高坂「別にいいじゃないですか、今昼休みなんですし」
瀬名「いや、動画の内容が」
高坂「あー」
高坂「言っときますけど、別にアイドルオタクな訳じゃないですから」
高坂「これ、親戚の子なんですよ」
瀬名「……は?」
高坂「この真ん中で踊ってるの」
瀬名「いや、お前」
瀬名「これ、半沢さんが関わってる子だろ?」
高坂「そうなんですか?」
瀬名「確か高坂………高坂!?」
高坂「穂乃果ちゃん、大きくなりましたね」
瀬名「………まじかよ」 ■ 東京中央銀行 役員会議室
頭取「それで、本日はどのようなご用件で」
乃原「ええ」
乃原「早速ですが頭取」
乃原「音ノ木坂に保有されている債権を放棄していただけませんかね」
笠松「……?」
半沢「…」
大和田「し…しかしその件に関しましては先日の合同報告会の際に…」
乃原「あんたじゃなくて頭取に聞いてるんだよ」
大和田「…」ピクッ
乃原「頭取、いかがでしょう」
頭取「今お聞きいただいた通り、債権放棄案については見送らせていただく」
頭取「これは本行の正式決定です」
乃原「…」ハァ…
乃原「もう一度、考えていただきたいんですよ」
乃原「一週間後、タスクフォースの本部に来てもらって」
乃原「銀行の方針を改めて説明していただきたい」
大和田「い…一週間後…!?」 半沢「では、担当の私が」
バンッ!!
乃原「おめぇじゃなくて頭取に聞いてんだよ!!」
半沢「…」
乃原「雑魚はひっこんでろぉ!!」
半沢「…」
乃原「頭取、直々にがこちらの要望」
乃原「そこには箕部幹事長も来られます」
頭取「…」
乃原「幹事長の前で、御行の考えを聞かせてもらいたいんですよ」
乃原「どうでしょう」
頭取「…」
乃原「…そういえば、幹事長と御行は旧東京第一銀行の頃かのお付き合いでしたねぇ」
紀本「……!」
頭取「…わかりました」
頭取「お伺いしましょう」
乃原「それはよかった」
乃原「楽しみにしていますよ、頭取」
半沢「………」 ――――――
――――
――
スタスタスタ
乃原「白井大臣には貴方から伝えておいてください、笠松さん」
笠松「…大臣の断りもなしに勝手なことを…!!」
乃原「ふんっ、所詮白井大臣はお飾り」
乃原「タスクフォースの指揮官は幹事長だ」
笠松「……!」
乃原「幹事長と旧東京第一の話を持ち出せば、東京中央は我々の要求を飲まざるを得ない」
乃原「…それでも従わないようなら」
乃原「銀行なんて、ぶっつぶしちまえばいい」 ■ 東京中央銀行 会議室
ガチャッ
スタスタスタ
半沢「遅れてすまない」
渡真利「どうだったんだ?乃原に何か言われたのか」
半沢「ああ…少し面倒なことになった」
田島「面倒なこと?」
半沢「箕部の不正融資の真相をあと1週間で暴く必要がある」
渡真利「一週間…!?」
半沢「…ああ」
半沢「もしそれができない場合」
半沢「東京中央の…」
半沢「スクールアイドルの未来は…終わりだ」 ――――――
――――
――
田島「こちらが、高ア連の谷川さんから送られてきた」
田島「過去の箕部幹事長への融資に関するクレジットファイル」
田島「そして、クレジットファイルに挟まっていたメモを年度の古い順に並べています」
渡真利「なんだ…これは」
半沢「この数字の意味が…どうしてもわからない」
半沢「パーセントなのか…額なのか…」
渡真利「じゃあ、このアルファベットの意味は分かったのか?」
半沢「ああ」
半沢「田島」
田島「はい」 田島「まず、この『TDN』は12年前から『TCN』に変わっています」
田島「12年前といえば」
パチンッ
渡真利「銀行が合併した年」
半沢「その通り」
半沢「この『TD』は『東京第一銀行』」
半沢「『TC』は『東京中央銀行』だ」
渡真利「その、後にくっついている『N』はなんだ?」
半沢「『沼津支店』」
渡真利「じゃあ、下に書いてある『NSR』は」
半沢「『日本高等学校スクールアイドル連盟』」
半沢「つまり、高ア連だ」
半沢「そして、横に記載のある『MK』が」
渡真利「…箕部啓治!」
半沢「ああ」ニッコリ
TDN…旧東京第一銀行・沼津支店
TCN…東京中央銀行・沼津支店
NSR…日本高等学校スクールアイドル連盟(高ア連)
MK…箕部啓治 半沢「沼津支店の高ア連の口座から」
半沢「箕部と『ME』に金が流れた、とみて間違いないだろう」
半沢「箕部に9、MEに1」
渡真利「その、MEっていうのは?」
半沢「過去を辿ると、5年前に『SS』から『ME』に変わっている」
半沢「おそらく、『SS』は『審査部』」
渡真利「じゃあ、『ME』は」
半沢「これは頭文字でなく、文字通り『自分自身』ということ」
半沢「つまり、このメモを書いた本人」
渡真利「このメモを書いた本人が、今も金を受け取り続けてるってことか」
半沢「そうだ」 ポンッ
半沢「来たか」
渡真利「なんだ?」
半沢「……」ニッコリ
半沢「これを見ろ、渡真利」
渡真利「なんだこれは?大和田さんからの画像のLINE?」
渡真利「…写ってるのはスケジュール帳か?」
半沢「ああ、だが問題は内容じゃない」
半沢「筆跡だ」
渡真利「……!!」
渡真利「このメモと同じ筆跡!!」
半沢「ああ」
渡真利「…誰のスケジュール帳なんだ」
半沢「先ほど大和田さんに頼んで」
半沢「紀本常務の筆跡がわかるものを撮影してもらった」
渡真利「……じゃあ」
半沢「ああ」
半沢「この『ME』は紀本常務」
半沢「過去に審査部の部長を務め、5年前に役員になっている」
半沢「その経緯からみても、間違いないだろう」
SS…審査部(紀本が部長)
ME…紀本常務 ガチャッ
スタスタスタ
福山「言われた通り調べましたよ」
渡真利「福山!」
福山「東京中央銀行・沼津支店の高ア連の口座情報」ニヤリ
サッ
半沢「H24.9.27…」
半沢「見ろ!」
半沢「メモの日付と同じ日に1億が引き出されている!!」
福山「しかも全て現金引き出しですよぉ?」
半沢「このメモによれば、箕部に9、紀本に1」
渡真利「9000万が箕部に、1000万が紀本常務に渡ったってことか」
福山「H24.4.5はなんと8億!!」
田島「箕部幹事長には7億9千万…紀本常務には変わらず1000万…」
半沢「…おそらく、紀本常務への支払いは『口止め料』だ」
渡真利「しかし現金だからこれ以上の金の追跡はできず…か」
渡真利「用意周到だな…悪知恵が働く」
半沢「………」 ■ 紀本常務滞在ホテル
コンコン
紀本「……」
ガチャッ
紀本「…遅かったな」
半沢「紀本!!」
紀本「は…半沢!?」
渡真利「ドア開け手伝ってくれてありがとね〜〜♪」
ガタガタガタッ!!
半沢「さぁ!!説明していただきましょうかぁ!!」
半沢「貴方と幹事長、そして高ア連の金の流れは突き止めました!!」
紀本「……!!」 半沢「このことを頭取に話せば、いずれ貴方に処分が降る」
紀本「…」
半沢「今更隠し立てをしても仕方ないでしょう」
半沢「箕部に金が渡ったという記録を今すぐ出してください」
半沢「もう来週のタスクフォースへの説明会まで時間がない」
紀本「…ふっふっふ」
渡真利「その金も紀本常務が管理していたんでしょ?」
紀本「……はっはっはっ!!」
紀本「前回からまた同じことを聞くのか?」
紀本「そんなこと箕部自信以外には絶対にわからん」
紀本「何度も言わせるな」
半沢「…」
紀本「諦めろ」
紀本「これ以上この件に首をつっこんだら…」
半沢「これ以上突っ込まなきゃ銀行もスクールアイドルも終わる!!」
紀本「……」
半沢「証拠は消えても、金まで煙のように消えたわけじゃない」
半沢「箕部に流れた金を突き止めれば」
半沢「不正は証明できる」 ■ 黒崎事務所
黒崎「ふーん」
黒崎「それでまたアタシに?」
半沢「…はい」
黒崎「最後に情報提供してあげたのに」
黒崎「まんまと箕部にしてやられたわけ?」
半沢「…」
黒崎「ダメダメのダメ沢直樹ねっ!!」
半沢「…すみません」
半沢「黒崎さん」
半沢「この件、金融庁に動いてもらうことはできませんか」
黒崎「それは無理」
黒崎「金融庁はこの件からもう手を引いたわ」
半沢「…」
黒崎「それでも動かすには」
黒崎「箕部が100%クロって確証がなきゃ」
黒崎「ム!!リ!!」
半沢「…確証ですか」 黒崎「差し引き、箕部に総額いくら渡ったのか、もう調べたんでしょ?」
半沢「はい」
半沢「100億8000万です」
黒崎「100億8000万…」
黒崎「全て100万円の札束にすると……」
パチンッ!!
黒崎「…縦7.6メートル、横16メートル」
黒崎「アナタも知ってる通り」
黒崎「現金ってのはね、足がつかない代わりに隠すのが大変なのよぉー…」
半沢「…」
黒崎「あの慎重な箕部なら、そのままにはしておかないでしょうね」
半沢「はい、私もどこかの口座に振り込んだと踏んでいます」
黒崎「国内の主要な銀行を総ざらいしたけど、そんな口座かけらも無かったわ」
黒崎「…ってことはおそらく」
半沢「…海外口座」
黒崎「ご名答♪」
半沢「国税で調べていただくことはできませんか」
黒崎「アナタも知っての通り、アタシは今国税をクビになってるの」
半沢「…」
黒崎「もし昔のメンバーに頼むとしても」
黒崎「国税が動いたと分かった瞬間、箕部はまた金を別場所に隠すわ」
半沢「…」
黒崎「つまり」
黒崎「勝負は……一度きりってこと!!」 ■ 穂むら
穂乃果ママ「なるほどね…」
穂乃果ママ「でもそんな銀行どうやって探せばいいのかしら」
半沢「鍵は…現金です」
半沢「毎回箕部は当行の沼津支店から」
半沢「億単位の現金を降ろしています」
半沢「それだけのお金、遠くに運べば運ぶほどリスクが高くなります」
穂乃果ママ「そっか」
穂乃果ママ「ということは、その海外口座は沼津支店からそう遠く無いってことね」
半沢「はい」 ガララー
穂乃果「半沢さんっ!お茶とほむマンですっ!」
半沢「高坂さん、ありがとうございます」
穂乃果ママ「穂乃果?半沢さんと大事なお話があるから」
穂乃果「分かってるって、おかーさん」
穂乃果「ごゆっくりしていってくださいっ!」
穂乃果「あっ!また音ノ木坂にも遊びに来て欲しいですっ!」
半沢「ええ、是非行かせていただきます」ニッコリ
ガララー
穂乃果ママ「…それで、思い当たる銀行はあるのかしら」
半沢「沼津支店から半径100km圏内の海外銀行の支店は全部で23個あります」
穂乃果ママ「この中に箕部幹事長の隠し口座があるってことね?」
半沢「おそらく」
半沢「ですが、どの銀行か100%の確証が無ければ、国税は動けません」
穂乃果ママ「そう…この中から1つに絞るのは大変ね…」
穂乃果ママ「…もう時間も無いし」
半沢「………ええ」 一旦ここまでです
また、本日続きをかかせていただく予定です ■ 後日@頭取室
頭取「………そうか、紀本くんが」
半沢「…ええ」
頭取「これが世間の明るみに出れば」
頭取「東京中央への批判は避けられないだろう」
半沢「…はい」
大和田「…」
頭取「君に、音ノ木坂学院の再建担当を任命したのは私だ」
頭取「その職務を誠実に全うし、よくここまで辿り着いてくれた」
頭取「感謝している」
頭取「君が負い目を感じることは何もない」
半沢「……頭取」
頭取「半沢次長」
頭取「君には、改めて音ノ木坂学院の再建担当を命じる」
頭取「3日後に開かれる、タスクフォースへの会見」
頭取「そこへも君がむかえ」
半沢「…」
頭取「すべての責任は私が取る」
頭取「当行の代表として」
頭取「思いっきりやってこい!!」
半沢「」ニッコリ
半沢「承知致しました」
半沢「今回の箕部幹事長へは、倍返しではききません」
大和田「……!!」
半沢「銀行への分、学校への分、学生達への分」
半沢「……全部まとめて」
半沢「1000倍返しだ!!!」 ■ 3日後@音ノ木坂学院再建タスクフォース記者会見場
箕部「中野渡さんはまだなのかな?」
党員「只今、中野渡頭取が到着されたそうです」
箕部「そう」フフッ
乃原「みなさん、中野渡頭取がいらっしゃいました」
乃原「ご登場の際には、盛大な拍手にてお迎えください」
パチパチパチッ
パチパチパチッ
パチパチパチッ
ガチャッ
乃原「」ニヤリ
スタスタスタ
半沢「…」
スタスタスタ
箕部「…」
乃原「…」
スタスタスタ
半沢「遅くなり、申し訳ございません」
乃原「……中野渡頭取はどうした?」
半沢「中野渡は所用がありまして、代わりに私が参りました」
箕部「…」ピクッ
半沢「東京中央銀行営業第二部次長」
半沢「半沢です」 箕部「君に本件を代表する権限は無いだろう」
箕部「出ていきなさい」
半沢「…」
箕部「…出ていきなさい!」
白井「いいじゃないですか」
箕部「……!?」
白井「半沢さん」
白井「要するに貴方は中野渡さんの代理でいらしたんですよね?」
半沢「はい」
白井「でしたら、お話を聞いてもいいんじゃありませんか?」
箕部「……」
乃原「…どういうおつもりですか?」
白井「」フッ
半沢「改めて申し上げます」
半沢「私は頭取直々の命令により東京中央銀行の代表としてこの場に参りました」
箕部「……」
半沢「では早速、タスクフォースから検討を要請された債権放棄について結論を申し上げたいのですが」
半沢「よろしいでしょうか」
乃原「…いいだろう」
乃原「前向きな返事なんだろうなぁ?」
半沢「音ノ木坂への債権放棄の件」
半沢「お断り申し上げます」
白井「……」
乃原「………!!」
箕部「……………」ギリッ 箕部「…しかしだねぇ、半沢くん」
半沢「白井大臣はどうお考えですか」
白井「…」
白井「…タスクフォースの作り上げた再建案は完璧なものです」
乃原「」フッ
白井「………しかしながら、東京中央銀行が苦労の末に作り上げた再建案と」
白井「瓜二つ」
乃原「……!!」
白井「ほとんど丸写しに近いものがあります」
箕部「…!?」
ザワザワ
白井「時間をかけたにも拘らず」
白井「タスクフォースは『東京中央銀行の債権放棄という極めて安易な政策』以外には」
白井「銀行を超える案を見つけることができなかった、ということです」
箕部「…」
乃原「……」ギリッ
白井「残念ながら、私が命じたタスクフォースは」
白井「何一つ、その使命を果たせなかった、と言えます」
白井「これは任命した私の責任であり」
白井「リーダーの乃原弁護士による『怠慢』によるものです」
バンッ!!!
乃原「黙れぇ!!!」
白井「ここは会見の場です」
白井「その態度…恥を知りなさい!!!」
乃原「……」ギリリリッ ガタッ
白井「言い換えれば、銀行の再建案に基づけば」
白井「『音ノ木坂学院は十分に立て直しが可能』であると、私は考えます」
箕部「…白井ぃ!!!」
半沢「ありがとうございます、白井大臣」ニッコリ
半沢「以上の理由で、東京中央銀行は」
半沢「債権放棄を」
半沢「断固として拒否します!!!」
ザワザワ
ザワザワ
―――
渡真利『よし!!!』
―――
瀬名『っしゃああ!!!』
―――
穂乃果『やったっ!!』パァー
―――
千歌『は…半沢さんっ…!!』
――― 箕部「………白井くん」
箕部「なにがあったか知らないが…」
箕部「……君の考えは…よーーーく分かった」
白井「……」
箕部「これで失礼する」
半沢「お待ちください、幹事長」
半沢「まだ、話は終わっていません」
箕部「はぁ?」
半沢「先ほど大臣は、タスクフォースの再建案は」
半沢「我々銀行が提案したものと瓜二つとおっしゃいました」
半沢「ですが、姉妹校案に1つ違いがあります」
箕部「……」
半沢「我々が赤字を理由に姉妹校案から外していた高校を」
半沢「タスクフォースはなぜか提携校案に入れている」
半沢「どういうことでしょうか、幹事長」
箕部「…さぁ、私に聞かれてもねぇ」
半沢「では、私から説明しましょう」
箕部「…待ちなさいよ、半沢くん」
半沢「…」
箕部「この会見は全国民が注目しているんですよぉ?」
箕部「軽率なことを言えば御行の名に傷がつくことになる」
箕部「わかってるんでしょうねぇ…?」
半沢「もちろん、承知の上です」
箕部「……」ピクンッ 半沢「…今から15年前、合併前の旧東京第一銀行は」
半沢「そこにいる箕部代議士から、ある『個人融資』を持ちかけられました」
箕部「…」
半沢「箕部代議士の息が掛かった団体、仮に『NSR』としましょう」
半沢「そのNSRが、某所にある土地を50億円で購入するための転貸資金です」
半沢「その土地は数年後、箕部代議士が根回ししたことにより」
半沢「万単位の観客を収容できるライブ会場の建設予定地として値上がりし」
半沢「NSRは巨額の利益を得たのです」
箕部「………」
ザワザワ
ザワザワ 半沢「旧東京第一銀行は、その金儲けのカラクリを知りつつ」
半沢「箕部代議士に50億円を融資しました」
半沢「旧来より、当行は国立音ノ木坂学院への融資で箕部代議士と深い付き合いがあったこともあり」
半沢「断りきれなかったのでしょう」
半沢「しかしながら理由はどうあれ、銀行として、企業モラルを問われてもおかしくない与信行動です」
半沢「これについて当行は、謝罪の上、処分を受ける覚悟でいます」
ザワザワ
ザワザワ
半沢「さらに箕部代議士は、その余剰利益で、とある高校」
半沢「そうですね、仮に『UH校』と呼びましょう」
半沢「UH校の経営に踏み切ります」
半沢「ですが、昨今の不景気より経営状況が悪化」
半沢「そこで幹事長は、2つの施策を打とうとした」
半沢「1つは資金力の強化、そして、もう1つは知名度アップ」
箕部「……」 半沢「前者は、幹事長が古くから付き合いのあった音ノ木坂学院の姉妹校化を半ば強制することで達成するものです」
半沢「先ほどご説明した、タスクフォースの赤字の姉妹校候補がまさしくUH校」
半沢「しかしながら、赤字の音ノ木坂学院と姉妹校連携しても意味がない」
半沢「そこで打ち出したのが、今回の『債権放棄』です」
箕部「……!!!」
半沢「東京中央銀行が債権放棄をすることで得るであろう利益を」
半沢「姉妹校化したUH校へ回そうとしたのでしょう」
ザワザワ
ザワザワ
半沢「そして、後者の知名度アップ案」
半沢「これは、NSRにも確認を取りましたが」
半沢「UH校の『とある部活動』を全国大会で無理やり優勝させようと、半ば脅しのような形で根回しした」
箕部「……」
半沢「その為に、犠牲になった学校、学生達は数えきれず」
半沢「また、UH校の生徒達も苦しんでいます」
半沢「箕部幹事長」
半沢「文部科学を担う省庁をご牽引される政党のトップであるにも拘らず」
半沢「あなたは将来ある学生達の青春を踏みにじった!!!」
箕部「………聞き捨てならんことを言うなぁ!!!!」
半沢「……」ギロッ 箕部「みなさん!!」
箕部「私が融資を受けたのは」
箕部「親戚が経営する会社の資金繰りを助けるためなんですよ!!!」
半沢「…」
箕部「私がそれで金儲けをしたようなことを言われるのは甚だ侵害だ!!」
箕部「発言を取り消せぇ!!!」
半沢「まだ続きがあります」
箕部「……」ピクンッ
半沢「そのNSRですが、調べたところ13年前より」
半沢「箕部代議士の選挙地盤である当行・沼津支店から、定期的に数億の現金を引き出しています」
箕部「……!!」
ザワザワ
ザワザワ
半沢「そのうちの1000万円は毎回必ず口止め料として、融資に関わった当行の幹部に配られていました」
半沢「そして、残りのお金は全て」
半沢「…箕部幹事長」
半沢「あなたが受け取られていたんですよね?」
箕部「……」
ザワザワ
ザワザワ
半沢「違いますか?幹事長」
箕部「…事実無根だぁ!!」
箕部「とんでもない濡れ衣だぞぉ!?これはぁ!?」
箕部「名誉毀損だぁ!!!」
半沢「…」
箕部「発言を撤回しろぉ!!謝れぇ!!!」 半沢「…間違っているのなら、謝罪します」
箕部「ふざけるなぁ!!」
箕部「だったらしかるべき証拠を見せてみろぉ!!!」
箕部「どうなんだぁ!?!?」
半沢「…ございます」
箕部「!?」
半沢「お願いします」
箕部「……?」
ガチャッ…
スタスタスタ
大和田「…」
箕部「……!!!」
スタスタスタ
箕部「な…なんだ…!!」
箕部「や…やめろっ…!!!」
大和田「…」
箕部「やめろぉ!!!大和田ぁーーーー!!!!!」 □ 会見一週間前@穂むら
穂乃果ママ「…それで、思い当たる銀行はあるのかしら」
半沢「沼津支店から半径100km圏内の海外銀行の支店は全部で23個あります」
穂乃果ママ「この中に箕部幹事長の隠し口座があるってことね?」
半沢「ええ」
半沢「ですが、どの銀行か100%の確証が無ければ、国税は動けません」
穂乃果ママ「そう…23個から1つに絞るのは大変ね…」
穂乃果ママ「…もう時間も無いし」
半沢「………ええ」
ガララー
穂乃果「…」
穂乃果ママ「ほ…穂乃果!?」
穂乃果ママ「部屋に戻ってなさいって言ったはずよ!?」
半沢「…」
穂乃果「…その23個の銀行を1つに絞るの」
穂乃果「私たちに、協力させてもらえないですか?」 ――――――
――――
――
(ビデオ通話)
ピッ
穂乃果「急に電話かけちゃってごめんなさいっ!」
千歌『こんばんはっ』
聖良『特に問題ありません』
ツバサ『それにしてもどうしたの?随分と急いでいるようだけれど』
穂乃果「ちょっとカメラ横に向けますっ!」
クルッ
半沢「…すみません、夜分遅くに」
皆『半沢さん!?』 ――――――
――――
――
ツバサ『つまり、23の銀行から隠し口座がある銀行を探し出せばいいのね?』
半沢「ええ」
千歌『そっかそっか〜なるほど〜』
聖良『…簡単そうに言いますが…結構難易度高いと思います』
聖良『沼津から半径100km圏内に点在している23個なのですから』
千歌『うっ…た…確かに…』
ツバサ『東京にある程度集中しているとはいえ、それでも範囲は広いわね』
穂乃果「だから少し考えたんです」
穂乃果「私たちのメンバーを全員合わせると、ちょうど23人なんですっ!」
千歌『えーっと…』
千歌『μ’sが9人でー、A-RISEが3人でー、Saint Snowが2人でー、私たちが9人でー…』
千歌『……あっ、ほんとだ』
ツバサ『へぇ、すごい偶然ね』
聖良『それでどうするのですか?』
半沢「はい」
半沢「この一週間のどこかで、ターゲットにその銀行へ行くように仕向けます」
半沢「申し訳ありませんが、皆さんには一人ずつ、銀行の前で張っていただき」
半沢「ターゲットの口座がある銀行を特定したいと考えています」
ツバサ『へぇ、面白そうじゃない』
千歌『確かにっ、探偵さんっぽい〜』
聖良『遊びじゃないんですから…』
穂乃果「あははっ!」
半沢「」ニッコリ □ 会見当日・朝
半沢「笠松さん、幹事長の予定調整ありがとうございます」
笠松「いえ」
笠松「幹事長は月に1度、午前の予定をすべて空白にして欲しいと言われます」
笠松「おそらく、その日にお金を移動させているはずです」
半沢「なるほど」
笠松「ただ運が悪く…調整が会見当日となってしまい…大変申し訳ありません」
半沢「いえ…こればかりは仕方ありません」
prrrr… prrrr…
ピッ
半沢「みなさん、そろそろ幹事長が銀行に立ち寄る可能性があります」
半沢「よろしくお願いいたします」
全員『りょーかいっ!!』 ――――――
――――
――
prrrr… prrrr…
半沢「………!!!!」
ピッ
半沢「半沢です」
海未『園田です』
海未『先ほど…半沢さんに共有いただいた方が銀行に入っていかれました』
半沢「………!!」
海未『念のため写真を撮りましたので送ります』
半沢「ありがとうございます…!』
ポンッ
半沢「………間違いない…箕部幹事長だ」
海未『見間違えでなくて良かったです』ホッ
半沢「この銀行はどちらでしょうか…!?」
海未『銀行名は』
海未『Bank of the UAE 新宿支店』
半沢「UAE銀行 新宿支店…ありがとうございます!!」
半沢「また何かあればかけなおします!!」
ピッ □ 東京丸の内
Prrrrr… Prrrrr…
ピッ
黒崎「待っていたわぁ〜?」
半沢『UAE銀行 新宿支店です!!』
黒崎「どうもありがとぉ〜!」
黒崎「これで100%確証がつかめたわぁ〜?しかもここから近いじゃない〜♡」
半沢『あとは…よろしくお願いします』
黒崎「アナタは早く箕部を裁く準備でもしなさ〜い?」
半沢『ええ』
黒崎「それじゃ〜ね〜♪」
ピッ
黒崎「UAE銀行新宿支店よっ!!早く車を出して頂戴っ!!」 ――――――
――――
――
□ UAE銀行 新宿支店
ピッ
黒崎「はいっ♪大和田ちゃ〜んっ♪」
黒崎「手に入れたわよっ♡」
黒崎「箕部の隠し口座♪」
黒崎「今データで送っておいたから〜」
黒崎「よ・ろ・し・く・ね?」
――――――
――――
――
□ 音ノ木坂学院 理事長室
大和田「ありがとうございます!」
ピッ
南「こちらですっ!!」タッタッタッ
大和田「……」
大和田「……完璧ですな」
大和田「…では、出撃と参りますか」ニヤリ
南「はい」キリッ ■ 現在
箕部「そ…それはなんだ…!!!」
大和田「…」スタスタスタ
南「…」スタスタスタ
箕部「やめろ…!!大和田…!!」
箕部「それに南理事長もだ…!!」
スタスタスタ
箕部「なんだそれは…!!大和田…!!南…!!!」
箕部「やめろ!!やめろ!!」
箕部「やめろぉーーーー!!!!!」
大和田「はぁぁぁぁ!?」
箕部「…!!」
大和田「すみませんなぁ!!最近耳が遠くてぇ!!!」
大和田「はっはっはっ!」
箕部「……」ギロッ
サッ
大和田「はい」
大和田「1000倍」
大和田「思いっきり、やり返しなさい」
半沢「」ニヤリ
半沢「こちらはUAE銀行 新宿支店にあった口座情報です」サッ
半沢「南理事長、お願いします」
南「はい」 本日はここまでです
物語は大詰めとなります
最後までもう少し、お付き合いいただけますと幸いです 半沢「ご覧の通り、名義人は箕部幹事長」
半沢「あなたです」
箕部「………」
半沢「そしてこちらは先ほどお話しした」
半沢「NSRの口座情報です」
箕部「………」
半沢「NSRの口座から最初に現金が引き出されたのは」
半沢「13年前の8月7日、1億円」
半沢「そして同じ日に、箕部幹事長の隠し口座には」
半沢「762,711ドルの入金が記録されています」
箕部「………」
半沢「UAE銀行で円をドルに換え入金したのでしょう」
半沢「これは当時のレートで9000万円ピッタリ」
半沢「1億から口止め料1000万円が引かれた額です」
ザワザワ
ザワザワ
箕部「………」クッ 半沢「その次も同じ」
半沢「次も、次も、次も」
半沢「出金と入金が完全に同日に行われています」
半沢「入金総額は貸した50億をゆうに超える」
半沢「100億8000万円に上ります」
ザワザワ
ザワザワ
白井「……」ギロッ
箕部「………」グググッ
半沢「そして貴方はこの費用を収支報告していません」
半沢「これは一体どういうことなのでしょうか?」
半沢「箕部幹事長」
箕部「……………………記憶にないな」
箕部「…失礼する」
白井「……」ギロッ
箕部「……!!」 半沢「幹事長」
半沢「『記憶にない』は国会答弁だけの話です」
半沢「ここは国会ではありません」
半沢「そんな馬鹿げた言い訳、一般社会では通用しない!!」
箕部「………」
半沢「今、教育団体、学生達が貴方を見ているんです」
半沢「それらの方に向かって、きちんと説明をして下さい」
箕部「………」
箕部「………ぉぃ」
箕部「………おい…!誰かぁ!!!!」
ガタッ
白井「誰も助けてはくれませんよ」
白井「説明できないのであれば、謝罪すべきです」
白井「それが政治家として、人として、最低限の義務ではありませんか?」
箕部「し…しらいいいいいい!!!!!!」 半沢「政治家の仕事とは、人々がより豊かに、より幸せになるように政策を考えることのはずです」
半沢「貴方は文部科学省のトップとして、本来、学生達の模範となるべき存在です」
半沢「…今、この国の教育現場は大きな危機に見舞われています」
―――
南「………」
―――
鞠莉「………」コクリ
―――
半沢「それでも教育者、そして、学生達は必死に今を耐え凌ぎ」
半沢「苦難に負けまいと歯を食いしばり、いつか輝けるように、懸命に日々を過ごしているんです!」
―――
千歌「………!!」
――― 半沢「学生達はみな、今の自身の素直な気持ちを信じている」
半沢「必死で夢を追いかけている」
半沢「もしかしたら、自身がやっていることが報われず」
半沢「誰も見向きもしてくれないかもしれない」
半沢「応援なんて全然もらえないかもしれない」
半沢「それでも、一生懸命頑張っているのは」
半沢「この国に、誰もが笑顔になれるような、そして自身が人を笑顔にさせれられるような」
半沢「明るい未来が来るはずだと信じているからだ!」
―――
穂乃果「………」ツー
―――
半沢「そんな学生達に寄り添い、支え、力になるのがあなた方政治家の勤めでしょう」
半沢「箕部幹事長、貴方はその使命を忘れ、自分の利益だけを見つめてきた!!」
箕部「……」ギロッ 半沢「謝ってください!!」
半沢「懸命に生きる教育現場!!そして学生達に!!!!」
半沢「心の底から詫びてください!!!!」
箕部「……」
箕部「……」
箕部「……」
白井「……幹事長!!!」
箕部「……」ビクンッ
白井「やりなさい」ギロッ
白井「すべての教育現場、そして、学生達のために」
箕部「……」
箕部「……」
ガシッ
白井「やってください、ほら」
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