高校生の頃、せつ菜さんが瞳を輝かせながら見せてくれた一本の動画。

とある、アイドル声優グループのライブ。
舞台や、アイドルのライブを色々と見てきた私でも、声優のライブというのはそれが初見だった。


それはまさしく衝撃。脳天からかかとまで、一直線に稲妻に打たれたような。


気がつけばせつ菜さんから携帯を奪い取って、食い入るように見ていた。
ステージに立つ彼女たちのシルエットは、もはや画面に映し出されたキャラクター達そのもの。皆、自分が演じているキャラクターを表現しようと、全身を使って艶やかに踊っている。

だが、ただそのキャラクターを模しているだけではない。基盤はキャラクターにありながらも、それぞれの持ち味を活かして、立派な演者として舞台に立っていた。