今更慌てても五分も十分も変わるわけじゃなし
私が説明するから、と焦る少年をなだめつつ
二人して手をつないで島の海岸線伝いに歩いて行く
そうして歩きながら、私は一番大事なことに気がついた
「あのさ」
「ここまでやっといて名前も聞いてなかったね」
「少年、君の…名前は?」
『僕は――』