しずく「だって、栞子さんが私にはパチプロの適性があるって」

栞子「はい。確かにそう言いました」

しずく「経験したこともないパチンコの適性が芝居の適性を上回ってるってことは、私に女優の適性がないってことじゃないの?」

栞子「それは違います。桜坂さん、私は貴女には女優の適性はあると思っています。パチプロのそれに匹敵するほどに」

栞子「しかし、先ほど言ったとおり女優は厳しい職業です。ですから私は安定を取ってパチプロを勧めたんです」

しずく「栞子さん、私のことを思って?」

栞子「ええ。初めて演劇部での桜坂さんの芝居を見たとき、貴女のような人が女優として成功するのだろうな、と根拠のない感想を抱きました」

栞子「しかし、生徒会長として不安定な職業を勧めるのは憚られます」

しずく「だからパチプロを……」

栞子「はい」

しずく「栞子さんごめんなさい。私、栞子さんのこと勘違いしてた」

栞子「こちらこそ。誤解を与える言い方になってしまっていたようですね。改善したいところなのですが」

しずく「ふふっ。要点だけを伝える話し方、栞子さんらしくて素敵だと思うよ」

栞子「ありがとうございます」




果林「ふうん。パチプロってそんなに安定した仕事なのね。良いこと聞いちゃったわ♪」