曜(21)(再会の日は、意外とあっけなく訪れた)

ピロリン

———

梨子:曜ちゃん!明日空いてる?

梨子:空いてるわよね。だって曜ちゃんが飛び込みやめちゃったことくらい、把握してるんだから

曜:別に、私に用事がないことと、梨子ちゃんと会うことの間には、何の関連性もないと思うけど

梨子:その返事は空いてるってことね。了解

梨子:じゃあお昼前には行くから!女の子を迎え入れるのにふさわしい部屋にしていくように!

———

曜「……」

曜(はあ……こいつはなんて図々しいんだろう……)

曜(これじゃあまるで、あの時みたいだ……)

曜(私が弱さを隠しきれず、弱みにつけ入られた、あの時のように——

曜「……」

曜(準備、とは言っても私の部屋には見られて困るようなものなんて何もないし……)

曜(それに、そういうものの類は、あの時思い出と一緒に全部ゴミ箱に捨ててしまった)

曜「……」

曜「……少し掃除くらいは、しとくかな」