穂乃果「ボタン!!」
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にこ「ん〜…」
ガチャ
絵里「あら?」
にこ「ん〜」
絵里「にこ一人?」
にこ「んあ?……まだ誰も来てないわよ」
絵里「そう。で?何してるのよ?」
にこ「いや…それ…」
絵里「へ?」
『絶対に押すな』
にこ「来たら置いてあったのよ」
絵里「なにこれ?」
にこ「ボタンでしょ」
絵里「それは見れば分かるけど。絶対に押すなって…。なんでこんな物が部室?」
にこ「知らないわよ」 絵里「押したの?」
にこ「押さないわよ。押すなって書いてあるんだから」
絵里「そうよね。押すなって書いてあるものね」
にこ「そうよ」
絵里「まあ…そうよね」
にこ「うん」
絵里「そりゃあそうよね」
にこ「そうりゃそうよ」
絵里「押したら何があるのかしら?」
にこ「さあ?」
絵里「気にならない?」
にこ「気になるけどさ〜」
絵里「なるけど?」 にこ「何かあったらどうすんのよ?」
絵里「何かって何よ?」
にこ「だから知らないって」
絵里「そっか」
にこ「そうよ」
絵里「にこ。押してみたら?」
にこ「は?なんで?」
絵里「いや…だから。押したらどうなるか気になるじゃない」
にこ「そうだけど。なんでにこが押すのよ?絵里が押せば良いじゃない」
絵里「え?それは…何かあったら嫌じゃない」
にこ「にこに何か起きるのは良い訳?」
絵里「そんな事言ってないじゃない」
にこ「いや、そう言う事でしょ」 絵里「大丈夫よ。そんな危険な物が部室にある訳ないでしょ?」
にこ「だったらあんたが押せばいいでしょ!!!」
絵里「え〜…怖いじゃない」
にこ「だから私も嫌なんだってば!!!」
絵里「そう」
にこ「あんた私の事バカだと思ってるでしょ?」
絵里「そうね。まあ、押さなければ何も起こらないんだし余計な事はしない方がいいか」
にこ「ちょっと待って。え?バカだと思ってるの?」
絵里「さて」
にこ「さてじゃなくて」 絵里「もう。気になるのは分かるけど最初から無い物だと思えばいいじゃない」
にこ「そこじゃない。ボタンの事は置いといて」
絵里「うん」
にこ「にこはバカじゃないから」
絵里「…………うん」
にこ「ぬぁーーーーー。絶対に思ってないでしょ?」
絵里「そんな事ないわよ」
にこ「いや。絶対に思ってる!にこの事をバカだと絶対に思ってるわね」
絵里「なんて言えば満足なのよ…」 にこ「にこの事はバカじゃないと。そして一番可愛いと」
絵里「そう言う所なのよ」
にこ「何が!!?」
絵里「さあ。皆んなが来る前に先に準備しておきましょうよ」
にこ「待ちなさいよ!まだ納得いってないから」
絵里「しつこい…」
にこ「あんたがそうさせてるのよ!!!」
絵里「はあ…分かったわよ。ごめんなさい」
にこ「……まあ、良しとするわ」 ガチャ
穂乃果「こんにちはーーーーーー」
にこ「うっさ」
絵里「今日も穂乃果は元気ね」
穂乃果「えへへ〜。ん?なんだなんだ?」
にこ「え?あぁ…これ?」
穂乃果「うん。えって…絶対に押すなだって」
にこ「そうなのよ」
絵里「部室に来たら置いてあったんですって」
穂乃果「へ〜。そうなんだ…絶対に押すなか〜………えいっ!」
絵里「え?ちょっ…穂乃果…」
にこ「ちょっと何やってんのよ!!!」
穂乃果「へ?」
にこ「あっぶな。何いきなり押そうとしてるのよ!」
穂乃果「え〜だって。押すなって言われると気にならない?」
にこ「いや…なるけど。いきなりって。思わず止めちゃったじゃない」
絵里「こっちの心の準備が出来てないのよ。って言うかよくそんないきなり押そうと思えるわね」 https://web.archive.org/web/20200324154118/https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20200324k0000m040020000c.html 穂乃果「えへへ。ついつい」
にこ「ついついじゃないわよ」
絵里「そうよ。あなたはついついでいつも失敗するんだから」
穂乃果「え?そんなイメージあるの?」
にこ「そんなイメージしかないわよ」
穂乃果「む〜。そこまで言うかな。でもさ、二人は気にならないの?」
にこ「気にはなるわよ」
絵里「でも絶対に押すなって書いてあるのよ?」
穂乃果「だから押したくなるんじゃん。押したら一体何が起こるのかって」
絵里「それで取り返しの付かない事が起きたらどうするの?」
穂乃果「例えば?」
絵里「え?」
穂乃果「取り返しのつかない事って何?」
絵里「それは…爆発したりとか…」 穂乃果「あはは。それはあり得ないんじゃないかな?そんな物がなんで部室あるのさ」
にこ「ぶっ、爆発ってあんた。絵里ってたまに子供みたいな事を言うわよね」
絵里「いや…だから。例えばで…ちょっと大袈裟に言っただけで」
穂乃果「あははは。それにしてもだよね」
にこ「本当よ。爆発って」
絵里「そんなに笑わなくても…」
穂乃果「も〜絵里ちゃんは大袈裟なんだから〜。えいっ」
にこ「だからぁ!!!!」
穂乃果「えっ…」ビクッ にこ「何であんたは前触れもなく急に押そうとするのよ!!!バカなの?」
穂乃果「だって気になるんだもん」
にこ「だから急に押そうとするのをやめなさいって言ってるのよ!」
穂乃果「えへへ」
絵里「穂乃果…本当にびっくりするから。ね?せめて押す前に一言言って」
穂乃果「じゃあ押すよ?」
にこ「いや…ちょっと待ちなさい」
穂乃果「え〜何?」
にこ「あんたが押して。私に被害が及ばないとは限らないじゃない?」
穂乃果「そうなの?」
にこ「分からないわよ。でも…よし!私は部室の外に出て見てるから!そしたら押しなさいよ」
穂乃果「え〜何それ?なんかズルくない?」
絵里「サイテーね」
にこ「うるさい!って言うか絵里は人の事言えないでしょう!」
絵里「いや…まあ…それは…」
にこ「穂乃果は自主的に押したいって言ってるんだから。別に私が外に避難したっていいじゃない」
穂乃果「え〜…じゃあ…やだ」
にこ「はあ?なんで?」
穂乃果「なんか私が損してる気がする。それならにこちゃん押してよ」
にこ「あんた押したいって言ったじゃない」 穂乃果「別に押してどうなるか知れれば良いもん。だから私が外に出てるからにこちゃん押してよ」
にこ「嫌よ。意味わからない。あんたが押すって言い出したのに」
穂乃果「じゃあいいよ!押すからにこちゃんも横に居てね?」
にこ「何でそうなるのよ」
絵里「もういいじゃない。誰も押さなければ」
穂乃果「それは嫌だよ。押したらどうなるか気になるじゃん」
絵里「そうなんだけどね。私も気にはなるんだけど。押さなければ何も起こらないんだから」
穂乃果「そうやって機会を逃すんだよ」
絵里「何の?」
穂乃果「分からないけど」 ガチャ
ことり「あれ?もう皆んな揃ってるの?」
穂乃果「あっ!ことりちゃん!」
ことり「穂乃果ちゃん。何してるの?」
にこ「ことり。見てよこれ」
ことり「え?これって…ボタン?」
にこ「そうなのよ」
ことり「そうなんだ。えいっ」
にこ「ちょっとぉぉぉ!」
ことり「え?」
穂乃果「にこちゃんなんで止めるの」
にこ「なんであんたも急に押そうとするのよ!」
ことり「え?あっ、ごめんね。つい…ボタンがそこにあったから」
穂乃果「も〜せっかくことりちゃんが押してくれる所だったのに」
絵里「穂乃果…あなた…」
にこ「なんであんた達揃いも揃って何も考えず急に押そうとする訳?」
穂乃果「幼馴染でやる事もお揃いだね!私達!」
ことり「え?」
穂乃果「え?嫌なの?」
ことり「そ、そんな事ないよ」 にこ「も〜本当に…」
ことり「それで…あの…このボタンは一体なんなの?」
絵里「それが分からないのよ。来たら置いてあって。絶対に押すなって。押したら何が起こるのかも」
ことり「そうなんだ」
穂乃果「気になるでしょ?」
ことり「そうだね」
穂乃果「でもね、押したら酷い事が起こるかもしれないんだよ」
ことり「酷い事?」
穂乃果「うん。けど気になるでしょ?」
ことり「う、うん」
穂乃果「押したくなるでしょ?」
ことり「そうだね」
穂乃果「けど押したら酷い目にあうかもよ?」
ことり「え〜」
にこ「穂乃果は何がしたいのよ!」
ことり「あはは…」 絵里「あの…冷静になって考えてみたんだけど」
にこ「何よ?」
絵里「よくあるじゃない?ボタンを押したら電気が流れるとか」
穂乃果「あ〜爆破じゃなくてね」
絵里「それは置いといて。どうせこんなの希や凛の仕業なんだろうし。その程度の事だと思うのよ」
穂乃果「確かに!」
にこ「一理あるわね」
穂乃果「よしっ!じゃあ、にこちゃん!押してみようか!」
にこ「なんでよ!」
穂乃果「大した事なさそうだし」
にこ「じゃあ、あんたが押せばいいじゃない」
穂乃果「さっき押そうとしたら止めたじゃん」 にこ「じゃあ、もういいわよ。押しても」
穂乃果「ビリビリするのは嫌だよ。だから押したくない。けど、押したらどうなるかは見たい」
にこ「なんて我儘な」
絵里「にこもね」
にこ「さっき穂乃果が押そうとした時止めなきゃ良かったわ」
穂乃果「止めてもらって良かったよ」
にこ「じゃあ…こうしましょう?ジャンケンで負けた人がボタンを押す!」
穂乃果「それならいいよ」
にこ「恨みっこなしよ」
穂乃果「うん。じゃん」
にこ「けん…」
穂乃果「グー」
にこ「グー…ってちょっと待って。あんた達」
絵里「え?」
ことり「へ?」
にこ「何で二人は参加しない訳?」
絵里「なんでって」
にこ「なんで私と穂乃果の二人でジャンケンしてるのよ。あんた達も参加しなさいよ」 押すなと言われれば押したくなるが、押せと言われれば押したくない 絵里「あ〜…私達もやるのね?」
にこ「逆になんでやらなくて良いと思ったのよ?」
絵里「そう言う流れだと。ねえ?」
ことり「え?あはは…」
にこ「どう言う流れよ!絵里とことりってそう言う所あるわよね」
絵里「何よそれ」
にこ「私に押させようとしたりジャンケンに参加しなかったり。ズルいのよ。さっきから言ってる事もブレブレだし」
絵里「言いがかりよ」
にこ「そんな事はないわよ」
穂乃果「ちょっと!喧嘩はよくないよ。整理しよう」
にこ「整理?」
ことり「何を整理するの穂乃果ちゃん?」 穂乃果「まずこのボタンを押すとどうなるか気になる人手を挙げて」
絵里「え?まあ…」
ことり「私も」
にこ「逆に気にならない方がおかしいわよ」
穂乃果「なるほど。全員だね。じゃあ、ボタン押したい人!」
シーーン
穂乃果「誰も居ないと。なるほどね。だから皆んな気になるけど自分はやりたくないんだね」
絵里「そりゃあね」
にこ「穂乃果とことりは押そうとした癖に」
穂乃果「だって二人が脅すから」
ことり「電気が流れるのは…ちょっと…」
絵里「それはあくまで予想だから」 穂乃果「とにかく皆んな気になってるんだしさ。ジャンケンで押す人を決めようよ。ね?」
絵里「ん〜…でもねぇ…確かに気になるけど」
穂乃果「人間なんて好奇心には勝てないもんだよ」
絵里「そうね。ここまで来たらジャンケンしましょうか」
ことり「それでいいの?絵里ちゃん…」
絵里「うん。だって…やっぱり私も気になるしね」
にこ「いや…その必要はないわ」
絵里「にこ!?」
穂乃果「必要はないって?どう言う事?」
にこ「ジャンケンなんてする必要ないわよ。って言うかここに居る私達が押す必要なんてないのよ」
穂乃果「え?」
ことり「にこちゃんそれって…」 にこ「次来た人に押させれば良いのよ。多分穂乃果やことりみたいに押そうとするはず!」
穂乃果「うわぁ〜卑怯だなぁ」
絵里「悪知恵ばっかり働くのね」 にこ「くっ」
絵里「それを勉強にも使ってくれればいいのに。いつも肝心な時に使わないで」
にこ「うるさいわよ!なんでそんな事言われなきゃいけないのよ!!!良い案を出したんだんだから褒めなさいよ」
絵里「褒める様な事ではないでしょう」
にこ「じゃああんた押す?ボタン押しますか?」
絵里「押さないけど…」
にこ「だったら文句言うんじゃないわよ」
海未「何を騒いでいるんですか?」
ことり「海未ちゃん」
にこ「げっ!?海未…いつの間に…」
海未「なんですか?その反応は?また何かやらかしたのですか?」
にこ「何もしてないわよ!」
海未「じゃあ穂乃果ですか?」
穂乃果「なんで私」
絵里「あのね。部室に来たらこれが置いてあってね」
海未「ボタンですか?」
絵里「ええ」 海未「そうですか。さあ、そんな事よりさっさと準備をしましょう」
にこ「え?」
海未「なんですか?」
にこ「押さないの?」
海未「ボタンをですか?」
にこ「うん」
海未「押しませんけど」
にこ「…どうして?」
海未「押すなって書いてあるじゃないですか」
にこ「いや…そうだけど…」
穂乃果「押したくはならない?」
海未「特には。押すなって書いてあるし」 穂乃果「だから押したくなるんじゃないの?」
海未「押すなと言ってるのに押す人がいますか」
穂乃果「いやいや。大抵の人は押したくなると思うよ」
にこ「そうよ。気になるでしょ!普通は!」
海未「何を言ってるのですか」
穂乃果「こっちのセリフだよ!海未ちゃん本当に気にならないの?」
海未「なりませんよ。だいたいこんなボタン押したからなんなのです?何も起こりませんよ」
にこ「なんでそう言い切れるのよ?」
海未「そんな大掛かりな仕掛けがあるとも思えませんし。よく観察して下さい。何か配線されてる訳でもないし受信部や送信部らしき所も見当たらない」
にこ「何が言いたいのよ?」
海未「絶対に押すなと言われたら押したくなる人間の心理を応用したイタズラでしょう。時間の無駄ですよ」
穂乃果「海未ちゃん…」
にこ「海未…あんた…」
海未「なんです?」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています