海未「ここで海賊船を見逃せば、私達の代わりに他の船が危険な目にあうだけのことです」

曜「分かってる。だから戦うなとは言わないよ。でも……普段通りの戦闘は許可できないかな」

梨子「普段?」

かすみ「善子さんが船とかすみんを守ってくれて、曜さんと海未さんが敵を一掃する。それがいつもの王道パターンなんです」


曜「今回は私が船を守る。というか船ごと逃げる」

曜「だから少し酷かもしれないけど……善子ちゃん善子ちゃん」チョイチョイ

善子「うん?」

曜「────」ヒソヒソ…ヒソヒソ……

善子「ハァ……まったく。堕天使づかいの荒いキャプテンね」


善子「Ostende mihi quaesō mihi caelum sīdereum. Pelagus──」

  ピキピキ……ピキッ……



おもむろに善子ちゃんが呪文を唱える。
すると海面の一部が徐々に固まり始め、次第に氷の一本道が出来上がった。