梨子「だからまだ暫くはここから拠点を移すつもりはないよ」

千歌「な〜んだ良かった! そういうことなら目一杯楽しんできてね!」

梨子「……別に遊びに行くわけでもないんだけど」


正直、ずっと悩んでいた。

辛い記憶を克服する為、自ら船へ乗り込む。
そんな荒療治が上手く行く保証はないし、何より……ここを離れたくないという気持ちも大きい。


梨子「話すのが遅くなっちゃってごめんね」

千歌「ほんとだよー。心配したんだから」

梨子「なんていうか……ちょっと言い出しにくくって」