千歌「抹茶味の特別なチョコ」
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果南「じゃあみんな、また明日」
鞠莉「バーイ♪」
花丸「おらたちも帰るずら。善子ちゃん、ルビィちゃん」
善子「そうね。あとヨハネ」
ルビィ「うゅ!おねぇちゃん、帰ろっ」
ダイヤ「えぇ」
ガヤガヤ
千歌(……どうしよう。結局チョコ渡せないまま、帰る時間になっちゃった)
千歌(このままじゃ……でも……) ダイヤ「千歌さん?」
千歌「は、はい!」
ダイヤ「大丈夫ですか?先程から元気が無いようですが」
千歌「そ、そうかな?」
ダイヤ「疲れてるなら無理をなさらず、今日は早めにお休みになってくださいな」
千歌「う、うん……あ、あの!ダイヤさん!」
ダイヤ「どうしました?」
千歌「あの、その……」
千歌「〜〜〜〜〜〜!」
千歌「ま……また明日ね」
ダイヤ「……えぇ、また明日。戸締まりは2年生にお任せしますね?」
千歌「うん……」
バタン 千歌「……」
梨子「千歌ちゃん……」
千歌「か、帰ろっか!」
梨子「えっ?」
千歌「ダイヤさんにも早く休むように言われたし、遅くならないうちに……」
曜「本当にそれで良いの?」
千歌「よ、曜ちゃん?」
曜「千歌ちゃん、大事な用事をまだ済ませてないんでしょ?」
千歌「そ、そんなこと」
曜「ないわけないよね?」
千歌「うぐっ……」
曜「何年幼馴染やってると思ってるのさ。隠しても無駄だよー」デコピン
千歌「あいたっ。だって……」
曜「だって?」 千歌「受け取ってもらえなかったらどうしようとか、そういうのばっか考えちゃって」
千歌「本当は朝会ったら渡そうと思ってたんだよ?でも勇気が出なくて……」
千歌「お昼に渡そう、練習前に渡そう、下校の時に渡そうってどんどん逃げちゃって」
梨子「それで、最後のチャンスもみすみす逃しちゃってこのザマってことね」
千歌「このザマって言うなー」
梨子「私はね、千歌ちゃん」
千歌「うん?」
梨子「私の為だけに作られた特別なチョコを、千歌ちゃんから貰えたら嬉しいよ」
千歌「え、えぇぇ!?」
梨子「曜ちゃんからでも嬉しいし、善子ちゃんとか鞠莉ちゃんとかでも嬉しい」
梨子「それが、本当にその人の気持ちが込められた特別なチョコだったら」
千歌「り、梨子ちゃん?」
梨子「自分に好意を持ってくれてる人から貰えて、嬉しくない人なんていないと思うよ?」
千歌「っ!」
曜「私も同じ意見だよ千歌ちゃん!」
千歌「曜ちゃん……梨子ちゃん……」 梨子「もしそれでも、受け取ってもらえなかったら……」
千歌「もらえなかったら?」
梨子「私がギャフンと言わせに行くから!」
ようちか「……」ポカーン
千歌「……ぷっ、あははははははっ!何さギャフンって!」
曜「でもナイスアイデアだよ梨子ちゃん!私もそれ参加しようかなー」
千歌「もう、曜ちゃんまで!」
梨子「……少しは元気出た?」
千歌「お陰さまで!」
曜「じゃあチョコを渡しに、全速前進?」
千歌「ヨーソロー!2人とも、ありがとう!」
梨子「いってらっしゃい」
千歌「うん!あ、戸締まりよろしくね〜」
バタン 梨子「……世話が焼ける幼馴染ね」
曜「慣れっこだよ〜」
梨子「どこまで知ってたの?」
曜「ん〜全部何となくだけどね」
梨子「流石幼馴染パワー」
曜「千歌ちゃんに『抹茶のチョコ作りたいからレシピ教えて!』って聞かれてね」
曜「流石の曜ちゃんでも察しがつくよ〜」
梨子「なるほどね。……レシピ?」
曜「誰でも作れるようなレシピを書いて千歌ちゃんに渡したんだ。我ながら力作だったよ」エッヘン
梨子「あぁ、そういうことね」ユラリ
曜「梨子ちゃん?」
梨子「あのレシピ肝心なとこ抜けすぎなのよー!お陰で私が引っ張り出されたじゃない!」
曜「おおおお落ち着いて梨子ちゃん!梨子ちゃーーーん!」 タッタッタッタッ
千歌(ダイヤさんは……居た!まだ下駄箱だ!」
ダイヤ「……ん?千歌さん?」
千歌「ダイヤさん!」
ダイヤ「千歌さん、廊下は走ってはいけませんわよ?」
千歌「あぅ……ごめんなさい」
ダイヤ「それで、どうしたのですか?」
千歌「ダイヤさんに……その……」
ダイヤ「わたくしに?」 千歌「えぇっと……」
ダイヤ「千歌さん?」
ルビィ「……おねぇちゃん」
ダイヤ「ルビィ」
ルビィ「ルビィたち、先に帰るね?」
ダイヤ「え、えぇ。分かりましたわ」
ルビィ「……」チラッ
千歌「……!」
ルビィ(千歌ちゃん、頑張るびぃ)
千歌(ルビィちゃん……) 千歌「ふーーー」
千歌「ダイヤさん!」
ダイヤ「は、はい!」
千歌「実は、ダイヤさんにお話したいことがあります!」
ダイヤ「お話……そうですか」
千歌「あの!」
ダイヤ「千歌さん」
千歌「はい!?」
ダイヤ「立ち話もなんですし、生徒会室に行きませんか?」
千歌「え、あ、はい」
ダイヤ「そこで、ゆっくりお話を聞かせて頂きますから」
千歌「う、うん!」 〜生徒会室〜
千歌(何か、急展開すぎるけど落ち着け〜落ち着け千歌!)
千歌(逆にこのシチュエーションは願ってもないチャンスだよ!)
ダイヤ「それで、お話というのは」
千歌「うん。あのね、先ずはこれを受け取ってほしい、です……」
ダイヤ「これは……チョコですか?」
千歌「うん……」
ダイヤ「でもチョコなら先程交換……」
千歌「違うの。あのチョコとは違うの」
ダイヤ「……」 千歌「ダイヤさんの為だけに作った、特別なチョコ、です……」
ダイヤ「千歌さん……ありがとうございます」
千歌「ど、どういたしまして」
ダイヤ「えぇと、食べても?」
千歌「どうぞ」
ダイヤ「それでは……」ガサゴソ
ダイヤ「……ぱくっ」モグモグ
千歌「……」ゴクリ
ダイヤ「美味しいですわ」ニコッ
千歌「良かったぁ」ホッ ダイヤ「それで、その、自惚れでなければ……このチョコを頂けたというのは……つまりは」
千歌「待って。その先はちゃんと言わせてほしい」
ダイヤ「はい」
千歌「……好き、ダイヤさんのことが好きです」
千歌「友達だとか、尊敬する先輩だとか、そういうのを飛び越えて」
千歌「私は、ダイヤさんのことが好きです」
ダイヤ「千歌さん……」
ダイヤ「前に、お疲れ様会でお茶をした時のことを覚えていますか?」
千歌「うん」
ダイヤ「あの時、千歌さんに特別なチョコを作る予定はあるのか聞きましたよね?」
千歌「うん、聞かれた」
ダイヤ「千歌さんは答えをはぐらかしましたね」
ダイヤ「お恥ずかしい話ですが、わたくしはそれを聞いてショックを受けたのです」
千歌「えっ?」 ダイヤ「否定しないということは、作る予定があるのだと」
ダイヤ「そしてそれを貰える人は、きっとわたくしではないと」
千歌「だ、ダイヤさん?」
ダイヤ「だから、今こうやって千歌さんからチョコを頂けてどれほど嬉しいか」
ダイヤ「きっと千歌さんは想像も出来ないでしょう」
ダイヤ「今日は千歌さんに会う度に、万が一の可能性を期待してずっとソワソワしてたのですよ?」
千歌「え?え?」
ダイヤ「でも結局何もなくて、『あぁ、やっぱりわたくしではなかった。きっと曜さんか梨子さんなのだろう』と思い至り」
ダイヤ「部室で別れた時は絶望の淵に叩き落された気分でした」
千歌「……」
ダイヤ「なので、もう下校する一歩手前のところで千歌さんに呼び止められた時は」
ダイヤ「心臓が飛び上がるくらいビックリしましたわ」
千歌「それってつまり……」 ダイヤ「そういうわけですので、生憎わたくしは千歌さんに渡せる特別なチョコは用意出来ませんでした」
ダイヤ「ですのでその代わりに……」クイッ
千歌「ふぇ?」
ダイヤ「代わりに、わたくしの大切なものを差し上げますわ」
千歌「だ、ダイヤさん……?」
ダイヤ「これが、わたくしのお返事です……ちゅっ」
千歌「〜〜〜///」
ダイヤ「わたくしも、千歌さんのことをお慕いしていますわ」
千歌「……順番逆だよ///」 〜帰り道〜
千歌「……私たち、これで恋人同士なんだよね」
ダイヤ「そういうことに、なりますわね」
千歌「何か、不思議な気分」
ダイヤ「同じくですわ」
千歌「ダイヤさんにチョコ受け取ってもらえるかずっと不安で、1日中ウジウジしてたのに」
ダイヤ「千歌さんが他の誰かにチョコを渡すのだろうと想って、1日中心がズキズキしてましたわ」
ちかダイ「……ふふっ」
ダイヤ「わたくしたち、似た者同士でしたね」
千歌「あははっ。だね〜」
ダイヤ「改めて、よろしくお願いしますね」
千歌「うん。こちらこそ」
ダイヤ「……ところで」
千歌「なぁに?」
ダイヤ「ファーストキスはイチゴの味とよく例えられますが……どんな味がしましたか?」
千歌「……抹茶味に決まってるじゃん、ばかっ///」プイッ 終わり
乙女な千歌ちゃんを書きたかったんです
皆さんもチョコが貰えると良いですね 乙
ちかダイ良い
千歌ちゃんの後輩感がよく出ていて好き
この日の2人の様子を見て気を揉みたい人生だった
特に日中千歌ちゃんと会って何もなかった時のダイヤさんの落ち込み具合は頑張って隠し通そうとする様子も含めて見ていてあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ってなりそう
つまり好き ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています