The school idol movie 園田海未結婚阻止大作戦
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ラブライブ決勝に向けて、μ'sは冬休み中も学校で練習していた。
そんなある日の朝
神田明神 男坂門前
穂乃果「海未ちゃん来ないね」
ことり「連絡無かったけど、先に学校行ったのかなあ?」
穂乃果「学校に行ってみようか」
ことり「うん」
しかし海未は学校にもおらず、その日の練習には現れなかった。 夕方
練習後
アイドル研究部部室
穂乃果「結局海未ちゃん来なかったね」
ことり「メールも返信無いよ」
花陽 「海未ちゃんが練習に来ないなんて珍しいです」
にこ 「ラブライブ決勝に向けて大事な時なのに、何やってんのよ!」
希 「何かあったんやろか?」
絵里 「帰りに海未の家に寄ってみましょう」 ガチャ!
突然部室の扉が開いて、剣道防具一式を身に付けた不審者が部室に駆け込んできた。
ことり「きゃぁぁぁぁ!」
真姫 「ヴェェ!」
花陽 「ダレカタスケテー!」 希 「カチコミ?」
穂乃果「違うよ、にこちゃんでしょ?」
にこ 「私はここにいるわよ」
絵里 「じゃあ誰なの!?」
凛 「前垂れに園田って書いてあるにゃ」冷静 不審者「早くカーテンを閉めてください!」
花陽 「は、はい」シャー
不審者が面を取ると、海未だった。
穂乃果「なーんだ、海未ちゃんだったのかー」
ことり「驚かせないでよー」 絵里 「ちょうど海未の家に行く話をしてたの」
希 「それはハロウィーン衣装?」
海未 「違います。追手を巻く為に変装してきました」
真姫 「追手? 誰かに追われているの?」
海未 「はい。許嫁の手の者達に」
穂乃果「い、いいなづけ!? って何?」
希 「簡単に言うと、結婚する相手や」
みんな「えー!?」 凛 「うみちゃん結婚するの?」
花陽 「現役アイドルが結婚! これはアイドルとして一番ダメなパターンです!」
真姫 「イミワカンナイ////」
絵里 「ハラショー……」
ことり「ンミチャー」ウルウル
希 「結婚式の余興何にしよか?」
にこ 「心配するのそこ?!」 穂乃果「……海未ちゃん どうして…言ってくれなかったの?!
私と海未ちゃんとことりちゃんはずっと……」
海未に詰め寄る穂乃果。
海未 「……」
希 「穂乃果ちゃん落ち着いて。ゆっくり話を聞こう」
各々椅子に座る。 ことり「海未ちゃん、はいお水」
海未 「ありがとう、ことり」
水を飲んで少し落ち着いた海未は話を始めた。
海未 「……昨日、いきなり決められたんです」 花陽 「お相手は誰なんですか?」
海未 「輪類家という資産家の御曹司らしいのですが、お会いしたことも無いのです」
真姫 「会ったことも無いの!?」
海未 「はい。遠い親戚が仲人として話を持ってきまして、
輪類グループの関連会社に勤務する30代の方としか聞いていません」
穂乃果「30代ってお父さんみたいなもんじゃん!」 絵里 「そんな…お家の方は反対していないの?」
海未 「両親も祖母も賛成しています。
古い考えの家ですから、良家に嫁ぐことこそが女の幸せと信じているんです」
希 「いつ結婚するん?」
海未 「高校卒業後すぐ、という方向で話が進んでいます」
ことり「海未ちゃんは、どうしたいの?」
海未 「もちろん嫌です!
まだ早すぎますし、相手がどんな方かもわからない、歳もだいぶ上、
まったく考えられません!!」 凛 「断れないの…?」
海未 「もちろん反対したのですが、既成事実を作る為に
急遽明日結納が執り行われることになったんです。
携帯を取り上げられて軟禁されていたのですが、隙を見て逃げ出してきました。
私、どうしたら……」ポタポタ
いつも気丈な海未が泣く姿を見て、みんな下を向く。
みんな「……」 穂乃果「……させないよ」
みんな「!」
穂乃果「海未ちゃんが嫌がってるのに結婚なんてさせないよ!」
海未 「穂乃果!」
穂乃果「私が海未ちゃんを守る! 私、やるったらやる!!」 ことり「私も手伝う!」
絵里 「そうね、仲間が困ってるのに見捨てられないわ」
希 「カードもこの縁談に反対や」
にこ 「先輩を差し置いてゴールインなんてナマイキよっ」
花陽 「現役アイドルが結婚なんてダメです」 真姫 「親のいいなりになんて、なる必要無いわ」
凛 「テンション上がるにゃー!」
海未 「みんな…ありがとう」ウルウル
穂乃果「よーし! みんなで海未ちゃんの結婚を阻止しよう!」
みんな「おー!」 ことり「でも、具体的にどうすれば……」
絵里 「よそのお家のことだから、関わり方が難しいわね」
希 「うふふ、作戦参謀はウチに任せてもらえる?」
絵里 「希!」
真姫 「こう言う時、希は頼りになるわよね」
にこ 「敵に回すと恐ろしいけどね」 希 「みんなも手伝ってや」
花陽 「何でもします」
凛 「任せるにゃー」
穂乃果「うん!」
海未 「みんな、お世話になります」
希 「よーし。まずは周辺の偵察も兼ねて小休止や。具体的な作戦はその後話そ」 海未と希を除くメンバー達は部室を出て、学校内外の様子を探った。
一年生組は学校の周り歩いて偵察していた。
花陽 「なんか、大変なことになっちゃったね」
真姫 「結婚なんてまだ先のことだと思ってたのに、意外と身近に有るのね」 凛 「まだ先って、まきちゃんはいつ頃結婚するご予定なのかにゃ?」
真姫 「ゔぇえ! まだそんな予定無いわよ!
凛のくせにからかうんじゃないの!」チョップ
凛 「いたいにゃ〜」
まきりんぱな アハハハハハ 花陽 「あれ? 正門の外に見慣れないおじさんが立ってるよ」
凛 「本当にゃ」
真姫 「なんか怪しいわね……」 そして再び部室に集まる。
希 「各員、状況報告」
ことり「校内には先生と職員さん達以外は居なかったよ」
花陽 「正門の外には不自然なおじさんが立ってました」
海未 「それはきっと輪類グループの手の者です。
私の家の周りにも配置されていました」
にこ 「やつらはプロなの?」
海未 「おそらく。輪類グループ系列の警備会社の従業員と思われます」 真姫 「裏門にもいたわよ」
海未 「うまく巻いたつもりだったのですが、後をつけられていたのでしょうか」
凛 「あの剣道姿はかえって目立つにゃー」
希 「海未ちゃんを見失ったから行きそうな場所に張り込んでいるとも考えられる。
他の場所にもおるやろね」
穂乃果「じゃあ私の家やことりちゃんの家にも?」
希 「おそらく」
ことり「こわい……」 真姫 「凄い執念ね」
花陽 「それはピチピチのスクールアイドルを手に入れる為ですから」
穂乃果「エロおやじだね」
真姫 「目的はそれだけかしら……?」マキマキ 絵里 「海未をずっと学校においておくわけにいかないし、
どこか安全な場所に移す必要が有るわね」
希 「バレずにここを離脱せなあかん。
それには考えがある。後でみんな手伝ってや」
みんな「うん!」 希 「まず海未ちゃんとの連絡手段を確保しよか。
真姫ちゃんの予備のスマホを海未ちゃんに貸してくれる?」
真姫 「いいわよ、はい」
海未 「ありがとう」 凛 「まきちゃんスマホたくさん持ってるの?」
真姫 「緊急時の為って、親に主要3キャリアのスマホを持たされてるのよ。
充電するだけでもメンドクサイ」
穂乃果「さすがお金持ち」
希 「みんな連絡先交換しといてや」
みんな「はーい」 希 「そして、敵を知り己を知れば百戦危うからず。
にこっちと花陽ちゃんは相手のことを調べておいてくれる?」
にこ 「任せなさい」
花陽 「はい!」
絵里 「二人ともアイドルのこと調べるの得意だもんね」 希 「ことりちゃんと真姫ちゃんは衣装と着替えを調達」
ことまき「任せて」
希 「よし、そろそろ暗くなってきたから離脱作戦開始や」 校舎から穂乃果、ことり、海未の3人が出てくる。
3人とも赤い縁のサングラスをかけ、マスクをし、トレンチコートを着ていた。
穂乃果とことりが海未を挟むように歩く。
穂乃果「またこの格好だね」
ことり「今の季節はちょっと寒いからちょうどいいね」
海未 「……」 3人は校門を出てアキバの方向に向かう。
穂乃果 (ごまかせたかな?)
穂むらの近くの路地に来た時、あやしい男3人組が現れた。
男@ 「園田海未ちゃんだね?」
穂乃果「誰?!」 男A 「お前らに用はない」
穂乃果とことりが立ちはだかるが、あっさりと突き飛ばされる。
ことり「痛い!」ドテッ 男B 「こっちに来い!」
男Bが海未の手を引っ張る。
にこ 「何すんのよ!」
男B 「! 違う?! 誰だお前?」
なんと、海未だと思われていたのは髪を下ろしたにこだった。 にこ 「あんた達、大銀河宇宙No.1アイドルのにこにー様を知らないの?」
男@ 「園田海未はどこだ!」
穂乃果「知らなーい」
男A 「こいつらは囮だ、行くぞ」
男達は去って行った。 その頃、希のマンションに希、絵里、海未が到着した。
絵里 「無事到着できたわね」
サングラスとマスクを取りながら絵里が言った。
希 「二年生組からの報告によると、追手達は二年生組の方に行ったみたいやね」
海未 「見事な作戦でした」
にこを真似たツインテールをほどきながら海未が言った。 希 「学年ごとに一緒に帰るだろうと考える心理を逆手に取ったんや。
さ、ここはウチが一人で住んでるから、遠慮無くくつろいで」
海未 「お邪魔します」 ピー
ブタのやかんで紅茶を淹れる希。
絵里 「これからどうする?」
希 「海未ちゃんはしばらく私の部屋に匿う。
ここがバレるのは時間の問題やけど、少しは時間稼ぎができると思う。
その間に攻勢に出るんや」
海未 「巻き込んでしまってすみません」 絵里 「みんな言ってたでしょ、友達だから助けるのはあたりまえじゃない」
希 「9人いてこそのμ’s。一人でも欠けたらあかんのや」
海未 「ありがとうございます……」
希 「明日電話会議で情報をまとめて作戦を立てる。
今日はゆっくり休んでや」 絵里 「それじゃ私は帰るわね」
希 「えりちも一緒に泊まってってええんやで。3人で一緒にお風呂入ろ」
海未 「い、一緒にお風呂///」
絵里 「もう、海未をからかわないの。じゃあね」 翌日
μ’sはスマホで電話会議を行った。
希 「にこっち、花陽ちゃん、敵の情報は?」
花陽 「はい。
敵は輪類次郎、38歳。 輪類家の二男坊。
輪類グループの企業である輪類プロダクションという芸能事務所に
勤務しているようです」 真姫 「輪類グループ?」
花陽 「はい、輪類家は不動産業で財を成して、今では様々な業種の子会社を擁して
輪類グループを形成しているようです。
輪類プロダクションはその内の一つです」
にこ 「輪類次郎の最近の写真を送るわ」
穂乃果「太ってて、なんかいやらしそうな人だね」
海未 「無理です」シクシク にこ 「輪類プロダクションはアイドル系の事務所で、
輪類次郎はプロデューサー的な仕事をしてるらしいんだけど、まあ悪い噂ばかりね。
枕営業、反社との繋がり、アイドル志望者にも手を出してるみたい」
真姫 「サイテー」
ことり「こんな人に海未ちゃんを渡せない!」 穂乃果「そうそう、昨日海未ちゃんのお母さんが海未ちゃんを探しにうちに来たよ。
穂乃果と雪穂の部屋まで見に来た」
絵里 「心配しているでしょうね」
穂乃果「うん、なんか疲れた感じだったよ」
海未 「……」 希 「わかった、みんなごくろうさん」
希は少し考えてからカードをめくった。
希 「そうか、よし」
絵里 「何か見えた?」
希 「作戦が見えた。ウチにはμ’sの未来が見えるんや」 みんな希を見る。
希 「輪類次郎が悪い奴だという証拠を集めて園田家に送りつけるんや。
それなら縁談を壊せる」
にこ 「怪文書を送るってわけね。相変わらずえげつないこと考えるわねー」
海未 「うちの家は体面を気にしますから、それならば破談にできそうです」 凛 「どうやって証拠を集めるの?」
にこ 「ネットの噂だけだと説得力に欠けるわよ」
希 「囮捜査するしか無いな。
アイドル志望者になって輪類次郎に枕営業を持ちかけるんや。
そこで証拠の映像を撮る」
海未 「そんな、危険です!やめてください!」 絵里 「さすが、希らしい大胆かつ合理的な作戦だわ。私にやらせて」
海未 「絵里!!」
希 「えりち、ええん? うちが自分でやろうと思ったけど」
絵里 「まかせて。 希は司令塔に専念して」
希 「わかった、作戦中はバックアップするから安心してや」
絵里 「信頼してる」 海未 「絵里……」
絵里 「そんなに心配しないで、海未。うまくやるから」
希 「にこっち、えりちのアイドル志望者としての偽プロフィールを作ってくれる?」
にこ 「OK」 希 「真姫ちゃんはこの薬を調達して」
真姫 「わかったわ」
希 「ことりちゃん、えりちの服とカバンに録画用の小型カメラとマイクを仕込んでくれる?
機材は生徒会の備品に有るはずや」
ことり「わかった」 にこ 「なんで生徒会がそんなもん持ってるのよ?」
希 「生徒会は学校の治安と風紀を守る為にいろんな活動をしとるんや。
一般生徒の知らんところでね」
ことり「うふふ」
希 「よーし、園田海未結婚阻止大作戦、
μ’s、オペレーション スタートや」
みんな「おー!」 にこは偽のSNSアカウントを作り、輪類のSNSにアイドル志望者としてアプローチした。
すると早速、輪類から個人的に話を聞きたいと会食のオファーが来た。
そして会食当日 夕方
六本木界隈のホテルの前のファミレス
希はここを前線作戦司令部とすることにした。
にこ 「ここのホテルのレストランで輪類と会うことになっているわ」
希 「そのまま部屋へお持ち帰りって魂胆やね」
真姫 「サイテー」 花陽 『”エンジェル”聞こえますか? 通信機のテストです』
絵里 『こちらコードネーム”エンジェル”、聞こえるわ』
絵里はホテルのレストランの前にいた。
耳に小型通信機を装備し、下ろした髪で隠している。
花陽 「ラジャーです。カメラの映像もリアルタイムにこちらで確認できてます」 穂乃果「あ、海未ちゃんからみんなにメッセージが来たよ」
海未 『みんな気をつけてください』
海未は希のマンションで待機していた。
ことり「海未ちゃん大丈夫かなあ」
希 「ウチのマンションはセキュリティもそこそこしっかりしてるから
大丈夫やと思うけど」 絵里 『では、今からレストランに入るわ』
レストランに入ると、輪類は先に来ていた。
輪類 「おつかれさん。君がエカテリーナちゃんだね?」ニヤニヤ
輪類は舐めるように絵里のカラダを見渡した。
絵里 「はい。よろしくお願いします」(キモッ) 前線作戦司令部で会話をモニターしてるメンバー達
真姫 「エカテリーナって何よ?」
にこ 「偽名よ。ロシア出身のアイドル志望コスプレイヤー 19歳って設定」 食事を始める二人。
輪類は最初からワインをあける。
輪類 「エカテリーナちゃん、長いからエリちゃんで良い?」
絵里 「は、はい」(そう略すの?)
輪類 「エリちゃんもワイン飲んじゃいなよ?」
絵里 「い、いいえ。未成年なので」
輪類 「そうかー。若いっていいよネー」ニヤニヤ
輪類は絵里の胸を舐めるように見た。 輪類 「それで、エリちゃんはアイドルになりたいのカナ?」
絵里 「はい、日本のアイドルグループに憧れていて、特にPillowsのファンなんです」
輪類 「へえ、ボクはPillowsのプロデューサー的な事もやってるんダヨ」ニチャア
絵里 「すごい! 私、ぜひ入りたいですぅ」(うへぇ) 輪類 「入りたいってコは多いんだよ、人気グループだからねぇ」
絵里 「そうなんですかぁ?」ショボン
輪類 「でもキミは可愛いから、心がけ次第では入れてあげられるかも」ネットリ 前線作戦司令部
にこ 「枕営業のテンプレみたいな奴ね」
穂乃果「ゆるせない!」
真姫 「サイテー」
花陽 「アイドルの敵です」
希 『”エンジェル”、そのまま話に乗ってや』 絵里 「私… なんでもします!」
輪類 「じゃあこのあと静かなところでシゴトのハナシをしようか」ニヤリ
2人は食事後レストランを出た。 凛 『こちらコードネーム”ワイルドキャット”
2人はレストランを出て移動を開始。尾行するにゃ』
希 『こちら”花園”了解。 “ワイルドキャット”は尾行を継続せよ』
凛 『ラジャーにゃ!』 輪類 「こっちだよ」
絵里 「……」
無言で輪類についていく絵里。
輪類 「さあ入って」ガチャ
凛 『こちら”ワイルドキャット”、 2人は7021号室に入りました』
希 『”花園”了解。 部屋の外で待機せよ。
”ラプター”もそちらに向かっている』 部屋に入ると、絵里はカメラの仕込んであるバッグを机の上に置いた。
絵里 「まずルームサービス頼みますね」
受話器を取り、注文するふりをする絵里。
絵里 「赤のグラスワインと烏龍茶ください」
輪類 「そんなのいいからこっちに座りなよ」 促されて絵里が輪類の隣に座ると、輪類が絵里の脚を触ってきた。
絵里 「や、やめてください///」
輪類 「わかっててついてきたんでしょー?」サワサワ 絵里 「本当に、お仕事もらえるんですか……?」
輪類 「もちろんだよ、ぐへへ」サワサワ
今度は絵里の胸を触る。
絵里 「いやっ」 希 『”ラプター” GOや』
希が無線で指示を出す。
コンコンコン
ドアノックする音が聞こえた。
輪類 「なんだイイところで」ガチャ
ドアを開けるとメイド服姿のことりがいた。
ことり「ルームサービスです❤」 輪類はことりからグラスワインと烏龍茶を受け取った。
ことり「ありがとうございました」バタン
輪類は戻ってきてワインを飲む。
絵里 「そ、そういえば、輪類さん今度ご結婚されるんですよね」
輪類 「あれ?もう噂になってるんだ。有名人は困るなあー」ゴクゴク 絵里 「それなのに、コンナコトしていて良いんですか……?」
輪類 「結婚したって遊ぶよ(笑)、それに今回の結婚はパパの指示で、
園田道場の土地が目的なんだ」
絵里 「土地?」
輪類 「千代田区のあの規模の土地は莫大なカネを生むからねえ。
土地を手に入れて嫁のカラダに飽きたらサヨナラだよ(笑)」 前線作戦司令部
希 「そういうことやったんか」
にこ 「酔っ払って本音が出たわね」
穂乃果「こんなの海未ちゃんに聞かせたく無いよ……」
真姫 「……サイテー」
希 『えりち、もう十分や。”花園”に撤収して』 絵里 「気が変わりました、私帰ります」
輪類 「待てよ!」
輪類が絵里を押し倒した。
絵里 「キャッ! やめてください!」
輪類 「ココまで来て我慢できるわけないだろう? 悪いようにはしないから」はあはあ
絵里 「嫌っ! 離して!」 絵里は抵抗するが、力では敵わない。
輪類 「たまんねえなあ、へへへ、はあはあ…… ?
グーグー」
突然、輪類はいびきをかいて寝始めた。
希 『えりち、ワインに入れた睡眠薬が効いたからもう大丈夫や。ドアを開けて』 絵里がドアを開けると凛とことりが飛び込んできた。
ことりん「えりちゃん大丈夫!?」
絵里 「ありがとう、ことり、凛。少し怖かった…」涙目 希 『証拠は十分揃ったけど、駄目押しで輪類のスマホのデータをコピーして』
絵里 「わかったわ」
絵里は輪類のスマホを見つけると指紋認証でロック解除、
データをSDカードにコピーした。
絵里 『これでよしと。撤収するわ』
いびきをかいて寝ている輪類を放置し、絵里とことりと凛は部屋を出た。 μ’sは証拠という戦利品を持って希のマンションに向かった。
希 「えりちお疲れ様。怖い思いさせちゃったね」
絵里 「海未はもっと怖かったと思う。海未を助ける為なら平気よ」
花陽 「名演技でした。ドキドキしました」
にこ 「私が指導したんだからとーぜんよ」 凛 「ことりちゃんのメイドさんも本物みたいだったにゃー」
真姫 「そりゃ本物だからね」
ことり「んふ」 穂乃果「この証拠があれば海未ちゃんは助かるよね?」
希 「そらそうや。こんなもん見て結婚に賛成する親なんかおらん」
真姫 「ほんとサイテーな奴」
ことり「海未ちゃんを早く安心させてあげようよ」 希の部屋の前に到着し、希が鍵を差し込む。
希 「! 開いてる!」 扉を開けて中に駆け込む希。
そこには海未の姿は無く、なぜか矢澤ココロが椅子に縛られていた。
にこ 「ココロ!どうしたの! なんでここに?!」
にこが駆け寄ってココロを助ける。
ココロ「お姉さま! 海未さんが、海未さんが!」
希 「もう大丈夫や。落ち着いて話して」 ココロは泣きながら話し始めた。
ココロ「私、あやしい男達にさらわれて、ここに連れてこられて、
海未さんを脅迫する材料に使われたんです。
部屋から出てこなかったらココロを傷つけるって」グスッ
花陽 「なんて卑劣な」
ココロ「そしたら海未さんが出てきて、男達に連れて行かれました。
私は縛られて」グスッ
にこ 「ココロ! 無事で良かった…」ギュッ
にこはココロを抱きしめた。 ことり「海未ちゃんの置き手紙があったよ……」
皆様
私などの為に尽力してくれて本当にありがとうございました。感謝の言葉もありません。
しかし、私のせいでみんなやみんなの家族にまで害が及ぶようになってしまいました。
みんなが傷つくのを見るのは耐えられません。
私が結婚すれば万事解決します。
皆様にはこれまで大変ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。
そして、ありがとう。
園田海未 ことり「ンミチャー」ポロポロ
みんな「……」
希 (敵がここまでするとは想定外やった。どうする、希?
このまま続ければ誰かが傷つくことになるかもしれん。でも……) 穂乃果「……こんな手紙、嘘だよ」
希 「穂乃果ちゃん?」
穂乃果「こんなの、海未ちゃんが強がってるだけだよ。
本当の海未ちゃんは、怖くて、悲しくて、今もどこかで泣いてるんだ。
子供の時のように、救いの手が差し伸べられるのを待ってるんだ」
ことり「ホノカチャァン……」ポロポロ
穂乃果「……私が一人で海未ちゃんを助けに行く」
絵里 「穂乃果!」 穂乃果「みんなを危険な目に合わせられないから私一人でやる」
ことり「私もやるよ! 夕ヒぬ気でやれば怖く無いよ!」
穂乃果「ことりちゃん……」
絵里 「私もやるわ。胸を揉まれた借りを返さないと」 花陽 「私もやります。アイドルの敵は排除します」
真姫 「オコトワリ、できると思う?」
凛 「凛もやるにゃー!」シャー
にこ 「……」 真姫 「にこちゃんは来なくていいのよ、妹さん達と一緒に居てあげて」
ココロ「お姉さま! 私達は大丈夫だから海未さんを助けて!」
にこ 「ココロ…… そうね! 部員一人守れないで何が部長よ!なめんじゃ無いわよ!」
穂乃果「みんな…ありがとう」
希 「決まりやね。
みんな、これからは厳しい戦いになるよ」
みんな「うん!」 見てますがこれエッチな目にあうやつですか?
あわせてください 穂乃果「海未ちゃん… 今どこにいるんだろう?」
希 「ココロちゃん、何か聞いた?」
ココロ「男達が明日りょーてーでゆいのーとか言ってました」
にこ 「明日料亭で結納ね」
凛 「急だにゃ」
希 「明日は大安だからね」スピリチュアルー 花陽 「輪類グループの料亭が神田にあります」
希 「唯一のチャンスはそこやな。
明日、料亭に突入し海未ちゃんを奪還する!」
みんな「おー!」 希 「各員、これから準備して。時間が無いよ。
ココロちゃん達は真姫ちゃんの家に匿ってもらって」
真姫 「任せて」
穂乃果「海未ちゃん……待っててね」 翌日 午前10時ごろ
料亭 神田輪類園の前
μ'sメンバーは物陰から正門の様子を伺っていた。
神田輪類園は古い日本家屋を改築して作られた料亭、宿泊施設、結婚式場を含む複合施設である
外周は塀で囲まれており、土地面積は約8400平方メートル(約2500坪)にもなる。
正門は屋根のついた大きな門であり、木の扉は固く閉ざされていた。
凛 「時代劇で見たことあるような広いお屋敷にゃー」
花陽 「ホテルや結婚式場の設備も入ってるからね」 真姫 「警備員がたくさん居るわよ」
絵里 「中にも沢山居るでしょうね」
ことり「この中に海未ちゃんが」
希 「さっき輪類家が入って行ったから間違い無いと思う。
穂乃果ちゃん、海未ちゃんのご両親とは連絡つかなかった?」
穂乃果「うん、お家まで行ったんだけど誰もいなかった。
お母さんからも連絡してもらったんだけど返事が無くて……」
希 「そうか、事前に話せれば解決できるかと思ったけど、
やっぱり突入しかないか」 にこ 「どうするの? 忍び込む?」
希 「いや、ここは正々堂々と正面突破や。
って、にこっちも剣道防具を装備してやる気まんまんやん」
にこ 「当たり前でしょ、これは討ち入りなのよ。
ココロの借りを25倍にして返してやるわ」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています