梨子「私は桜内梨子。スパイダー・リリーよ」
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〜部室〜
善子「ねえ、あのニュース見た?」
千歌「ほぇ……にゅうす?」
善子「毎日やってるじゃない! ……もしかしてニュース見ないの?」
千歌「えへへ……アニメとかドラマしか見ないもんで……」
善子「嘘でしょ……スクールアイドルなら社会情勢にも目を向けないと」
千歌「むむ、善子ちゃんにそんな風に言われてしまうとは……」
千歌「……それで、なんのニュースなの?」
善子「ヒーローのニュースよ!」
千歌「ヒーロー? ヒーローって……仮面ライダーとか、ウルトラマンみたいな?」
善子「まあそんな感じね! でもあんな怪人とか怪獣を相手に戦うんじゃなくて、街の平和を守るヒーロー」
千歌「それがニュースになってるの?」
善子「ええ、パソコンで見れるからちょっと貸して」カチカチ
千歌「あっ……作詞してたのに……」
善子「すぐ終わるわよ」カチカチ
善子「YouTubeで……ほら、これよ」 無理して毎日更新して死にかけてるあの作者のようにはなるなよ 次のヴィランを考え始めると
もうAqoursと関係ない人がヴィランになり始めるから、ラブライブSSとしてこれはどうなんだろうと思い始めてしまった 話の広げ方が多彩なのは良いことだと思う
なんにせよ楽しみにしてるから好きに描いてくれい ナターシャとかいうオリキャラ出てる時点で今更って感じもあるか…
ありがとうございます
そんな感じで考えてきます! オリキャラというかラブライブにいないキャラクターかな…
明日進めます いや、オリキャラだったのかあと思って
てっきりかしこいかわいい人の偽名かと… ナターシャはブラック・ウィドウとしか思っとらんかった
別にオリキャラ出してもマーベルのキャラ出しても全然良いと思うけどね
読んでる人はマーベルファン多いだろうし マーベルもアメコミも知らんけどそこからそのまま持ってくるよりはオリキャラの方がいいな オリキャラでも曜ちゃんみたいに今後もメインキャラとして登場するんじゃなく、一話限りのヴィランって感じならいいんでない? 個人的には書き手側がやりやすいようにやってくれたら問題ない
楽しみにしてる 仕事終わって今やっと自由な時間になったけど明日もお仕事ゆえ今日はちょっと無理ずら…
明日こそやれるように少し書き溜めしておきます… 〜ホテルオハラ・訓練場〜
アクア「アクアキーック!」ブゥン!!
「踏み込みが甘いわ。もっと相手を殺すつもりで来なさい」
アクア「でもそんなことしたら死んじゃうであります!
「大丈夫よ。人間、そんな簡単に死なないから」バチバチバチ
アクア「そっちのビリビリする棒のほうが死んじゃいそうだよ〜!」
「ふふ、お気に入りなの」
アクア「むむ……負けないぞー!」ダッ!! 鞠莉「……戦闘スタイルはキック主体。あなたに似てるわね」
梨子「そ、そうですか……? 私は、でもウェブで引き寄せて……って戦い方ですし」
鞠莉「引き寄せるだけじゃなくて、ウェブで捕まえた敵に飛びかかって蹴り飛ばしてるじゃない」
梨子「……言われてみれば、確かに」
鞠莉「ふふ、スイングキックはあなたの得意技じゃない」
梨子「いやぁ、そんなことは……」
梨子「……そういえば、曜ちゃん……私に救われたって言ってたんです」
梨子「私、なにもできなかったのに……」
鞠莉「そうかしら? でも梨子は曜のHeartを動かした。なにもしてないわけじゃないわよ」
梨子「……できてませんよ。ハイドロマンさんが曜ちゃんだと知ったのはついさっきだし、むしろ爆発に巻き込まれて海に落ちた私たちを助けてくれた……」
鞠莉「でも曜はあなたとちかっちに救われたって言ってたよ? ちかっちの声と、誰かを助けようとするあなたの姿に目を覚まさせられたって」
梨子「……」
鞠莉「事故の結果に得た力だけど……それを人のために使うと決めたのはあの子自身なの。まっすぐな瞳で言っていたわ……何処かの誰かさんみたいに」
梨子「……///」
鞠莉「ふふ、あの姿を見て、あなたみたいに誰かの助けになりたいと思ったんじゃないかしら」
梨子「……はい。だと、嬉しいです」 梨子「でも、どうして修行なんて……?」
鞠莉「さっきも説明したでしょ? 曜の力はwaterになること。そしてごく一部のwaterを操ること」
鞠莉「前のハイドロマンだって川のwaterを吸収、操って自分の身体にしていたでしょう?」
梨子「……はい」
鞠莉「waterになれるから基本的にdamageは受けないし、身体の一部をwaterに変化させて相手を溺れさせることができる」
鞠莉「けど、純粋な戦闘力でいえばそんなに高くはないの」
梨子「そうでしょうか……? 私、ハイドロマンさんと戦った時はかなり大変で……」
鞠莉「あれはwaterの質量があったからよ。ある程度のwaterを吸収すれば戦闘力は上がるわね」
鞠莉「でも常に周りにwaterのある状況で戦えるわけじゃないでしょう?」
梨子「それは……たしかに」
梨子「でも、それなら水を携帯しておけば」
鞠莉「確かにある程度の戦闘力は補える。けど、持ち運べるwaterの量にも限界あるでしょ?」
鞠莉「だから、それがなくても戦えるようにっていう修行。もしくは能力の強化ね」
梨子「強化……」
鞠莉「もし空気中からwaterを集められたら……最強だと思わない?」
梨子「空気中から……! それは、すごいです!」
鞠莉「フフン♪ 実際可能かどうかはやってみなくちゃ分からない……けれど、試してみる価値はあると思うの」
梨子「そうですね! それで曜ちゃんが傷つくことが少なくなるなら……っ」 アクア「せいやーっ!」ブンッ!!
「勢いが足りない」
アクア「むーっ!」
「あなた、身体の水を操って攻撃はしないの?」
アクア「身体の水……?」
「水といえば高圧水流で物体を切り裂くウォーターカッターがあるじゃない」
アクア「おお……出来たらカッコいいかも! 必殺技みたい!」
アクア「名前はどうしようかなぁ……アクアカッター? アクアソード? うーん……悩むなぁ……」
「まず、それが出来るかどうかでしょう?」
アクア「あ、そうですね! ……んと、こうかな……」バッ
アクア「貫手の指先に水を集めて……かためる……?」シュオォ…
アクア「むぐぐぐ……」
アクア「えいや!」ピュー…
チョロチョロチョロ……
アクア「あ、あれ……?」
「水の圧縮ができてないわね。もっと加圧して、小さな穴から水を高速噴射させるように……」
アクア「ぜ、全然わかんない……」 鞠莉「ふふ、必殺技だって。おこちゃまね」
鞠莉「でもせっかく水になれるんだし、それを活かした技があればいいのかも」
梨子(必殺技……いいなぁ)
鞠莉「梨子?」
梨子「あ、いえ」
鞠莉「まあ、曜の修行は私たちに任せておいて? あなたはパトロールに戻らないと」
梨子「あ、はい。そうですね」
鞠莉「ちょうど西伊豆スカイラインを暴走してるおバカさんたちがいるから、懲らしめてきてくれる?」
梨子「あんな怖い道で……」
鞠莉「ほらほら、ヘリ出してあげるから」グイグイ
梨子「わ、わかりましたっ!」
梨子「……曜ちゃんとコンビを組むの、楽しみにしてます」
鞠莉「そのうちトリオになるかもね」
梨子「……へ?」
鞠莉「なんでもないわ! さあスパイダーリリー、出動よ!」
梨子「わ、私そんな感じでいつも動いてないですー!!」 〜2ヶ月前〜
「お前が事故など起こすからだぞ!!」
「本当に申し訳ありません!!」
「謝って済む問題じゃない! 我々の研究成果だぞあのクモは!?」
「本当に、本当に……っ」
「もうお前の顔など見たくない……クビだ、もう二度と顔を見せるな……」
「そ、そんな! 待ってください、わたしには家族が……」
「黙れ! お前は研究チームから除名だ!」ガチャッ
「そんな、そんなっ……ぁあ、ぁああぁぁ……」
「失せろ……ぶっ飛ばされんうちにな」バタン
「……おのれ……っ」
「先週だ……! 遺伝子を組み替え、放射能に適応するクモを作り出したというのに……」
「あいつが移送中に事故を起こし、逃がしたから……!」
「おのれ、おのれ……!!」
「あのクモの遺伝子を取り込ませたラットにどんな変化が起きたかも忘れたのか!?」
「まるでクモのように壁を這い、天井を歩いていたんだ!」
「はは、はははっ! そうだ、我々は生物に別の生物の特性を与えることに成功していたんだ!」
「なのに、なのにだ!! クソッ!」ダンッ!
「私のたったひとつの研究成果を……っ」 ・・・
「博士……もう諦めましょう。あれから何度やっても成功しないじゃないですか!」
「黙れ……! あれは私の夢なんだぞ!? お前も同じように言っていたじゃないか、翼の生えた人を生み出すのが夢だと!」
「ですが、あのクモがいなくなってしまったら……」
「また作ればいいだけだ! 一度は出来たんだ……それなら二度目だって出来るはずなんだ!」
「博士……」
「そうだ、今度は龍を作ろう! 蛇に鳥の特性を掛け合わせるんだ!」
「……」
・・・
「頼む、あの資料を読んだだろう!? あれなら可能なんだ……他の生物に違う生物の特性を掛け合わせ、空想上の生き物を作り出すことが……!」
『ええ読みました。読んだ上で言わせてもらいます、それは全くの夢物語だ。あり得る話ではない』
「本当なんだ! 私はラットにクモの特性を与えることに成功したんだ!」
『ではそのラットを見せてください』
「そ、れは……っ……移送中に、事故で……」
『口ではなんとでも言えます。すまないが博士、支援はできないよ』
「ああ待って、お願いだ……!!」
プツン
「くっ……」 「クソ……クソッ!!」
「なんで分かってくれないんだ……! この私の、素晴らしい研究を!」
「可能なんだ……私は、私は……」
「……博士」
「あぁ、ああ……君か……君ならわかってくれるだろう? 同じ研究チームだったもんな、一緒に見ていたじゃないか!」
「ええ、博士……でも諦めましょう? もう無理です……」
「な……なに……?」
「私はこの研究から降りさせていただきます」
「なっ……!!」
「すみません博士」
「っ……なんで、どうしてだ!」
「今のあなたは病んでいる! 過去の成果に取り憑かれ、新たなものを見ようとしない、研究者としてそれはどうなんです!」
「私は病んでなどいない! 正常だ! 研究者として、素晴らしい研究成果を再現しようとしているんだ!」
「あれは唯一無二だ! 私以外にあれを成し得る者などいない!」
「それが病んでいるというんです!」
「ああわかった、もういい。君は帰れ、二度と私に顔を見せるな! 私一人でやってやる、私がノーベル賞を受賞する姿をテレビの前で眺めているがいい!!」
「……バカな人ですよ、あなたは」
バタン
「……一人でもやってやる。必ず、私は……」 ・・・
「……ぶはっ」カランカラン
「くそ……なんなんら……どいつも、こいつも……ひっく」
「くひぃ……げふ」
「へへ……わたしはぁ……つくってたんだぁ……」
「くもをぉ……らっとと、かけあわせてぇ……」
「ほんとにやってたんだぞぉ!!」ブンッ!!
ガシャン!
パッ
《ここ数年で全国的に増えつつある犯罪を撲滅するため、警察は自治体と協力し、巡回などの犯罪撲滅運動を行ってまいりました》
「んぁ!? にゅーすかぁ?」
《その甲斐もあり、年々の犯罪率は減少傾向にありましたが……この半年間における犯罪率が飛躍的に高まっているとの情報を警察が発表しました》
《こうした犯罪率の伸びを受け、警察は地域の住民に対する呼びかけや、巡回を増やすなどして対策を設けています》
《しかし、それでも人の目には限度があり、犯罪率を大きく下げることはできていません》
《殺人、強盗など、悪質な犯罪が増えている一方で、静岡県沼津市で謎の人物が見かけられているというのです》 《このVTRをご覧ください》
《これは事件の起こった銀行を利用していた女性のカメラ撮影によるものですが……画面左側、銃を持つ男たちの前に現れた謎の人物》
《顔は……何かマスクやお面のようなもので隠れていますが、音声が残っています》
『やあどうもこんにちは。日も高いうちから大勢で銀行にツアー? でもその服暑そう、全身真っ黒で……わあわあわあ! 銃は人に向けちゃダメだって教わらなかったんですか?!』
『ちょっとちょっと! 銀行強盗なんて最近流行らないですよ? 今のトレンドはATM……って、危ないでしょ! 撃たないでって!』
『わ、っとと! 私じゃなかったら穴だらけになっちゃってるところ……みんな大丈夫? 怪我してる人いな……さそうね。よかった』
『ああもう、こんなことして人生棒に振っちゃって大丈夫なの? 地道にコツコツ働いた方がいいと思うんだけど……っと!』
《謎の人物は男たちの発砲にも物ともせず、次々と男たちを撃退。謎の糸のようなもので捕縛してしまいました》
《その後、間も無く到着した警官隊に犯人たちを引き渡すと、そのままどこへともなく立ち去ってしまったとのことです》
《この声から、この人物は少女のように思われますが、依然としてその正体はつかめておりません》
《専門家の間では、『CGではないか』、『彼女は現実に現れたヒーローだ』、などと意見が分かれており、真偽のほどは未だつかめておりません》 「……これ、は」
「これは……クモだ」
「クモだ、クモだ! うはは、はははは! やはりそうだ、これは……私の生んだあのクモではないか!?」
「沼津……ああ、思い出したぞ。あの使えない奴が事故を起こした場所じゃないか」
「はは、ははははっ!! やはり私の研究成果は……生きていた! そしてあの少女がそれを得たのだ!」
「ああ、ああ……やはりそうだ、私の研究成果は夢などではない……!」
「そうか、そうか……人間とかけあわせてしまえばいいのだ……! ニュースの女は慈善事業のようだが、ははは」
「これをやってのければ、きっとスポンサーだってつく! 私を蹴り落とした奴らだって手のひらを返すに違いないぞ!」
「あぁ、ああ! そうだ……そうだ!」
「……まずはこいつのニュースを全て集めなくては。最終的にはこいつ自身を研究し、クモの特性を持った人間を複製する……」
「そこからあらゆる生物の特性を持った人間を生み出すのだ……! 鳥のように大空を自由に飛び、魚のように水の中で生きる究極の生物を……!!」 おつおつ
リリーの身の安全もだけど、マリーの伏線が怖いなぁ いつも申し訳ないです…
もう少しお待ちくださいませ もはや更新確認して保守するのが日課になってきてる
保守 〜浦の星女学院〜
梨子「……zzz」
千歌「りーこちゃん」
梨子「ほぇっ……ぁ、ん……はぃ……」
千歌「なんだかお疲れ様だね?」
梨子「……そんなことない、ですよ」
千歌「ほんとかなぁ? ね、よーちゃ……」
曜「zzz……」
千歌「……曜ちゃんまで寝てる」
梨子「ふふ……曜ちゃんも疲れてるみたい」
千歌「むー」
千歌「練習きつい? 果南ちゃんに言おっか?」
梨子「だ、大丈夫だよ! ラブライブまで時間もないんだもん、休んじゃいられないよ」
千歌「でも、それで身体を壊したら……」
梨子「それは千歌ちゃんだって……同じでしょ?」
千歌「チカはへいきなのだ! だってリーダーだもん!」
梨子「……リーダーだからこそ、だよ」
千歌「むう」
梨子「千歌ちゃんはリーダーだけど、みんなで力を合わせてここまで来たんだから。千歌ちゃん一人で頑張りすぎてもダメなんです」
千歌「おおー、梨子ちゃんいいこと言うねえ」
梨子「そ、そうかなぁ……?」
千歌「うん! 特に最近、かっこいいなって思うこと多いもん」
梨子「な、ないないないです! そんなこと……」
千歌「ふふ、じゃあチカだけが知ってるってことだね!」
千歌「曜ちゃんの秘密に加えてふたつめだ。にしし」
梨子「曜ちゃんの……?」
千歌「あ、な、なんでもない! トイレ行ってくる!」ダッ
梨子「あっ」
梨子「……」 梨子「……曜ちゃんの秘密、なら」
梨子(私たちの秘密こそ……千歌ちゃんには話せないよ)
梨子「……ね、曜ちゃん」
曜「……zzz」 〜夜・沼津〜
アクア「っしょ!」スタッ
リリー「だいぶ使いこなせるようになってきたね!」
アクア「うん! 修行の成果、出てるかも!」
────「あなた、クモの子みたいに何か素早い移動手段を考えたほうがいいわよ」
アクア「ってナターシャさんに言われたから考えたけど……いい感じだよ!」
リリー「水を手や足から逆噴射して大ジャンプ……一定どれだけの高圧噴射なんだろう」
アクア「でも、あんまり使いすぎると身体縮んじゃうんだよねー」
リリー「……ち、縮む?」
アクア「うん! ほら、私の身体の水で飛んでるわけだから」
リリー「ってことは……使うほど身体が小さく?」
アクア「そーゆーこと!」
リリー「大丈夫なの、それ……?」
アクア「まあ、ボトルに入れて携帯してるからある程度は平気だし、近くに狩野川もあるから!」
リリー「うーん……いざという時に困ったりしちゃいそう」
アクア「ま、そこは気合でなんとかするし! 無理な時は梨子ちゃんに助けてもらうから!」
リリー「ちょ、名前!」
アクア「おっと……」 リリー「もぉ……気をつけてね?」
アクア「わかったでありまーす」
リリー「……もぅ」
リリー「さて、パトロール再開……」
ウー
アクア「サイレンの音であります!」
リリー「そうだね。またいつものカーチェイスかな?」
アクア「いつものって……」
リリー「暴走族とか、銀行強盗とか……飽きない人たちなの」
『ハロー! リリー、アクア、聞こえる?』
リリー「はい鞠莉さん!」
アクア「おぉ、初めての通信! バッチリであります!」
『通信良好のようね! もう聞こえてると思うけど、いつもの銀行強盗よ! 夜中の銀行に忍び込んでお金を盗んだの』
リリー「飽きない人たちですね……」
『まあ別のグループだけど』
アクア「毎日強盗しなきゃいけない使命感でもあるのかなぁ」
リリー「ふふ、まあ、困ったさんたちは私とアクアガールで懲らしめちゃいますから!」
『ええ、よろしく!』
リリー「はい! 行きましょうアクアガール!」
アクア「ヨーソロー!」 ブーーン!!
ウー!!ウー!!
「オイオイ! やべえってパトカーめっちゃ来てんじゃん!」
「大丈夫だっての! こっちはアメ車様だぜ!? 日本車なんぞミラーの点にしちゃるわ!」
「お、おお……! あとはどこまで逃げるかだな!」
「どっか適当な飛行場まで逃げて……適当な飛行機でもパクって適当な国に高飛びよ!」
「運転出来んのかよ!?」
「車と同じだろ! ヨユーヨユー!」
「すげー! よっしゃあ行けー!」
ウー!!ウー!!
ガシャン!
「ちょい! ぶつかってんじゃねえか!」
「これくらいで追いつかれたりしねえよ! モンスターマシンだぜ?! 全部ぶっ壊しても壊れやしねーよ!」
「だったらスリップとかは怖いんじゃない? こんなに速いんだし」
「「あ────?」」
リリー「やあ」
「「げ────!!」」 「振り落とせかっちゃん!」
「やってら!」グッ
キュルキュルキュル!
リリー「わ、ちょっと落ちたら危ないでしょ! なになに、警察署にUターンする気になったの?」
「するかよ!!」
「落ちろクモ女!」
リリー「あ、ひどいこと言いましたね今? アクアガール、やっちゃってください!」
アクア「ヨーソロー!」
アクア「道路一面水浸しになってるのにそんなにハンドル切ったら滑っちゃうでしょ!」バシャァァッ!!
アクア「アクアガールの必殺技! 水浸しで滑っちゃえ攻撃!」
「な、なんだこれ!? ハンドルが取られ────」
キュルキュルキュルキュルキュルキュル
ガシャーン!
リリー「危ないから脱出しましょーね!」パシュパシュッ
バッ
「「うわぁぁあ〜!!?」」
リリー「電柱でぶら下がっててー!」 ガシャン!
ガッ! ゴッ!
アクア「やば! 車が転がってビルに突撃しちゃう!」
「きゃぁぁあーーー!!」
パシュパシュッ!!
「ぁ、────……れ?」
ギシッ…ギギギギギギ……
リリー「っと……間に合ってよかった。大丈夫ですか、仕事帰りのお嬢さん?」
「は、はい……」
アクア「ウェブで車を受け止めたの?! すごい!」
リリー「いつもやってることだよ」
アクア「……なるほど、私もこういう技ができれば」
リリー「ふふ、特訓だね」
アクア「はい!」
リリー「あとは警察に任せて、私たちは行かないと」
アクア「あ、うん!」
リリー「それじゃあ気をつけて帰ってね?」
「は……はい///」 ・・・
鞠莉『今日もいい仕事だったわよ二人とも!』
リリー「いえ、そんな」
アクア「私も勉強になったよー!」
鞠莉『ふふ、それじゃあそろそろパトロールはおしまいにしましょ? 曜はこれからうちで特訓ね』
アクア「えー?! もう毎日疲れたよ〜!」
鞠莉『毎日続けてるんだからこそでしょ! continuity is the father of successよ!』
アクア「こん……?」
鞠莉『ケーゾクはチカラなりってことよ』
アクア「なるほど! 頑張るであります!」
リリー「でも、あんまり無理しないようにね?」
鞠莉『そこはマリーもちゃんと配慮してるから安心してちょうだい!』
リリー「はいっ」
アクア「……よし、じゃあいってくるね梨子ちゃん」
リリー「うん、頑張って曜ちゃん。また明日ね」
アクア「うん! おやすみ!」ダッ
リリー「……さてと」
リリー「もう少しパトロールしてから帰ろっと」 〜1ヶ月前〜
「水の化け物だと……? これは、人体が水に溶け込んでいるのか……?」
「素晴らしい……素晴らしいじゃないか! 私のスパイダーリリーと近しい存在だ!」
「ククク……ああ、ああ」
「ニュースは全て集めたし、スパイダーリリーを作り上げた研究資材は全て集めなおした」
「このためにどれだけの借金をしたかはもはや覚えてはおらん……おらんが、しかし」
「スパイダーリリーを量産することができるようになれば、恐ろしいほどの金が手に入る。毎晩街を暴れて逮捕されているような銀行強盗どもとは大違いだ」
「だが、あとひとつ……あとひとつだ。スパイダーリリーのDNAだけが……」
「……なんとしても手に入れるほかあるまい」
「沼津へと出向くしかないのだ。あとはそれだけで……それだけでスパイダーリリーの能力を得られる」
「そうすれば研究が完成する」
「そしてスパイダーリリーになる薬として血清を軍へ売り込めば……クク、はは、はははははは!!」 「はは、くく……まずは沼津へ行かねばな」
「そして協力者を得なければならん……金のある協力者だ」
「……となれば、オハラしかあるまい」
「オハラは沼津を中心に、東海地方の治安管理を行っている」
「ならばスパイダーリリーの量産にも興味はあるのではないか? 我が子の能力を警察に持たせれば、スーパーマン部隊の誕生だぞ」
「クク、いいじゃないか! オハラに協力を取り付け、資金を得……警察と軍、そして敵国までどこまでも幅広く売るのだ!」
「しかしその製造方法だけは私が牛耳らねばならぬ……それで大金が私の手に……!」 ・・・
「くそ……!!なぜだ、なぜコンタクトが取れん!」
「多忙だと? ふざけるなよ小娘が……!!」
「親の財産を使っているだけのガキが図に乗りおって……!!」
「……許さん、許さんぞ。絶対にぃ……絶対に許さんぞ……!!!!」
「……ならば、自力で捕らえてやるだけだ。借金はすでに数億を超えてるんだ……なら、あとはどれだけ借金をしようが変わらん」
「マフィア、ギャング、ヤクザ、喧嘩屋……あらゆる者を雇うのだ。我が子を迎え入れるために」
「ああ、クク……そうだな……アメリカには頭蓋が鋼鉄でできているマフィアがいたな」
「前に借金をした業者にコネがあると聞いた……使う手はあるまい。クク、スパイダーソルジャーを餌にすれば……ククク」 prrr...
「……ああ、私だ。先日はどうもありがとう。単刀直入に言わせていただくが、また借りたくてね」
「今度は金だけじゃない……ああ、前に話してくれたじゃないか。アメリカに鋼鉄の頭蓋を持った男がいると」
「彼の力を借りたくてね」
「ああ、返済は……スパイダーソルジャーでどうかね?」 おつおつ
蜘蛛に噛まれたのが梨子ちゃんだったのが不幸中の幸いだな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています