善子「あの日リリーに言えなかったこと」
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〜コンビニ〜
梨子「(…あ、新作のお菓子…)」スッ
梨子「(いちごチョコ…)」
梨子「善子ちゃん好きそうだなぁ…」ボソ
スタスタ
梨子「お会計お願いします」
店員「は、はいっ!///」
ピッ、ピッ
店員「……///」ソワソワ
梨子「…?」
梨子「(この店員さん、ちょっと様子が…)」
店員「445円になります!///」
梨子「……」ゴソゴソ
店員「っ、あ、あの……」
梨子「はい?」 店員「う、浦の星女学院の…スクールアイドル、Aqoursの桜内梨子さん、ですか…?」
梨子「え?!は、はい…」
梨子「(本当にこんなことがあるなんて…)」
店員「その、ず、ずっとファンで…」
梨子「あ…そうなんですか。ありがとうございますっ///」ペコリ
店員「……か、」
店員「彼氏、いますか?…その、す、好きです!///」
梨子「え……」
梨子「(こ、告白…?!ど、どうしよう…!)」アセアセ 梨子「あ、あの…」オロオロ
店員「す、すみません!困らせてしまって…これ、僕の気持ちです!連絡先、書いてあるので…返事待ってます!///」
梨子「えぇっと…」
梨子「(貰わないと、失礼だよね…)」
梨子「…わ、分かりました…」スッ
店員「…!」パァァァ
店員「あ、ありがとうございます!いつまでも待ってます!///」ニコッ
梨子「は、はい…」
梨子「(……優しそうな人…)」 〜善子宅〜
ピンポーン
善子母「はーい」
ガチャ
梨子「こんにちは。今日も…いいですか?」
善子母「ええ。もちろん。毎日ありがとうね、梨子ちゃん」ニコッ
梨子「いえ…」
スタスタ…
善子母「ごめんなさいね。お茶とか出せなくて」
梨子「いえそんな…お構いなく。私が無理言って会わせてもらってる側なので」 〜善子部屋〜
ガチャ
梨子「こんにちは、善子ちゃん。今日もお邪魔させてもらうね」
善子母「それじゃ、ごゆっくり」ニッコリ
梨子「はい」
バタン…
梨子「今日はね、いつものじゃなくて新作のお菓子買ってきたの」
善子「……」
梨子「いちごチョコのクッキーなんだけど…あ、口に合わなかったらごめんね?」
善子「……」 梨子「…今日あったこと、聞いてくれる?」
善子「……」
梨子「あのね、今日千歌ちゃんと曜ちゃんが来年のピアノコンクールで弾く曲、音楽室で聴いてくれたの」
善子「……」
梨子「満足できるような演奏は出来なかったんだけど、2人に褒められちゃって…嬉しかったな」
善子「……」
梨子「…ごめんね、話のレパートリーが少なくて…退屈な話よね」
善子「……」
梨子「…善子ちゃん、そっちの生活には慣れた?」
善子「……」 梨子「…一つ、相談してもいいかな」
善子「……」
梨子「私ね、告白されちゃったの。善子ちゃん家に来るほんの少し前に」
善子「……」
梨子「お手紙、渡されちゃった。断れなくて。良い人そうだったし…」
善子「……」
梨子「返事が無いと、寂しい、な…」
善子「……」
梨子「また、リリーって呼んでよ。怒らないから…」ポロポロ
梨子「────────善子ちゃん。私、どうしたらいいと思う……?」 ザァ…ザァ…
梨子『(雨、強くなってきちゃった…)』
パッ
梨子『(善子ちゃんが学校に戻ってから30分…)』
梨子『もう、善子ちゃんったら…いつまで待たせるつもり…?!』キョロキョロ
千歌『…梨子ちゃん?』
梨子『わっ?!』ビクッ
曜『お、ほんとだ』
梨子『千歌ちゃん…曜ちゃん…』
千歌『あれ、善子ちゃんは?一緒に帰ったんじゃ…』 梨子『うん…待っててって言われちゃって、善子ちゃん学校に戻って行ったんだけど、もう30分も帰って来なくて』
千歌『善子ちゃんなら曜ちゃんと一緒にさっき会ったけど…』
曜『うんうん、会ったよー?』
梨子『そっか…』
千歌『少ししたらきっと戻ってくるよー!』
梨子『そうね…』 曜『あははっ、上級リトルデーモンリリーは振り回されてばっかりで大変だね!』ポンポン
梨子『もう、揶揄わないでよ曜ちゃん!///』
曜『ごめんごめん』アハハ
千歌『じゃあ千歌達は先帰るね』
梨子『うん、また明日ね』
スタスタ…
千歌『もー、曜ちゃんったらー!///』
曜『えへへ…///』
\キャッキャッ/
ザァ…ザァ…
梨子『……』
梨子『雨、また強くなってる…』 梨子『あー!もう待ってられない!あの堕天使!!大雨警報出てるって言うのに学校で何してるわけ?!』
梨子『全く…』
トコトコ…
梨子『….…はぁ…』
梨子『(この坂雨だと滑りやすいのよね…)』
梨子『……ん?』
『っ、ぅっ…』
梨子『……善子ちゃん?!』
梨子『(嘘、何で倒れてるの…?!)』 パシャパシャパシャ…
梨子『善子ちゃん?!大丈夫?!』
善子『…っぐ…』
梨子『頭から出血…どうしよう、誰か…!!』
梨子『善子ちゃん!私の声、聞こえる?!』ユサユサ
善子『っ…り、りぃ……』
梨子『…!うん、私、梨子だよ!』
善子『り、り……っの……ば………か、』
梨子『─────────え』
善子『ば……か………』
善子『り、り………ば……………か』
梨子『…………馬鹿…?』
ザァ……ザァ……… 梨子「っ!!」ハッ
ガバッ
梨子「はぁっ、はぁっ……」
梨子「(どうして思い出しちゃうの…)」
梨子母「梨子ー?朝ご飯できたわよー!」
梨子「は、はーい!」
ガチャ
タンタンタン…
梨子「…おはよう」
梨子母「もうこんな時間よ。早くご飯食べちゃいなさい」
梨子「うん…」 梨子「……」モグモグ
梨子母「最近寝坊してばかりじゃない。夜更しは駄目だってお母さん言ってるでしょ?」
梨子「夜更しなんて、してないよ」
梨子母「夜更しじゃなくても、疲れてるんだったら早く寝るのよ?」
梨子「……お母さん、今日も帰り遅くなるから」
梨子母「…また、善子ちゃん家?」
梨子「……うん」コクリ 梨子母「そんな毎日毎日押しかけて…迷惑になってないかしら」
梨子「…善子ちゃんのお母さんは歓迎してくれてるよ」
梨子母「迷惑だったとしても言えないでしょう?」
梨子「…そうだけど」
梨子母「あのね、梨子。辛いのは分かるけど、いい加減受け入れたらどう?」
梨子「ちゃんと、受け入れてるよ」
梨子「……私はその償いをしてるだけだから」
梨子母「……」 ピロリン♪
梨子母「…ほら、千歌ちゃん待たせてるんじゃない?」
梨子「……」パッ
『千歌:日直だから先行くね!ごめん!(><)』
梨子「千歌ちゃん、日直だから先に行くって」
梨子母「あらそうなの?」
梨子「千歌ちゃんと一緒に行けるように早く準備しようかな」タッ
梨子母「……困ったものね…」ハァ… 〜浦の星女学院〜
梨子「(上履き履いて…っと)」
梨子「はぁ…」
梨子「(結局いつものバスに乗って来ちゃった…)」
スタスタ…
梨子「…花丸ちゃん?」
花丸「あ、梨子ちゃん。おはよう」
梨子「おはよう」
花丸「千歌ちゃんは?」
梨子「日直の仕事で私より早く行ったの」
花丸「そうだったんだ」
梨子「お水替えるの?」
花丸「ううん。今丁度替えたところずら」 梨子「…あれ。お花も…」
花丸「あ…うん。これ今朝学校に来る時にルビィちゃんが選んだんだ」
梨子「…綺麗ね」
ピョコッ
ルビィ「善子ちゃんね、いつも梨子ちゃんの話ばかりだったんだよ」
花丸「ルビィちゃん…」
ルビィ「だから桜色のお花、喜ぶかなって」
梨子「そうだったんだ」
ルビィ「……今日で、一ヶ月だし」 花丸「る、ルビィちゃ…」
ルビィ「あっ…ご、ごめんなさい…」
梨子「いいよ。気にしないで。毎日お水替えてくれてありがとうね」
スタスタ…
ルビまる「……」
花丸「花瓶、善子ちゃんの席に置きに行こっか」
ルビィ「うぅっ…ぅ…よしこちゃ…一ヶ月経ってもやっぱり、寂しいよ…」
花丸「…それはマルだって同じずら」
梨子「(そう、ルビィちゃんの言う通り、あの日から今日で一ヶ月)」
梨子「(私の不注意…私が原因で起きてしまった)」
梨子「……」フイ
梨子「…ごめんね、善子ちゃん」ボソ
梨子「(─────善子ちゃんの、事故死)」 〜2年生教室〜
カサ…
梨子「…ん?」
『桜内梨子さんへ』
梨子「(手紙…バッグに入れっぱなしだった…)」
梨子「(まだクラスの人たちあまり来てないし…)」キョロキョロ
カサカサ…
『桜内梨子さんへ』
『初めて見た時から目が離せませんでした。
多分、一目惚れというものだと思います。
桜内さんのピアノも聴きました──────────』
梨子「……」
千歌「りーこーちゃんっ!」
梨子「きゃっ?!」 梨子「(か、隠さなきゃ…!)」
千歌「こんちかー!」
曜「おはヨーソロー!」
梨子「う、うん…!おは、よう…」
千歌「ごめんねー先に行っちゃって…」
梨子「ううん…大丈夫だよ」
曜「…梨子ちゃん、後ろに手回して…何か隠してるの?」
梨子「えっ?!い、いや別にこれは…!」アワアワ
千歌「あー!隠し事は良くないよー梨子ちゃんっ!」
梨子「か、かかか隠してないよ!」
曜「じゃあ両手、見せてもらおうか…」ニヤニヤ |c||^.-^||<デキナカッタコトガデキタリー 梨子「うぅ…///」スッ
千歌「手紙?」
曜「梨子ちゃん宛てのファンレターかな?」
千歌「読んじゃおーっと♪」パシッ
梨子「あっ…!ち、千歌ちゃん、私読み終わってないのに…」アセアセ
曜「梨子ちゃんのファン、どんな人か気になるなぁ」
千歌「どれどれ…」カサカサ
ようちか「ふむふむ……」
梨子「はぁ……」ガックリ
千歌「……り、りりり、梨子ちゃん…こ、これって…」ガタガタ
梨子「もう…私より先に読まないでよ…///」 曜「……ラブレター、だね…」
千歌「ご、ごっめーん!全部読んじゃったぁ!」
梨子「う、うん…まぁ、いいけど…」
曜「この人が通ってる高校、沼津の男子校だよね」
千歌「え?あ、ほんとだー!」
梨子「男子校なんて沼津にあるの?」
曜「うん。かなり偏差値高い学校。卒業後の進学は高確率で国立大学だよ」
千歌「すごいじゃん梨子ちゃん!こんな人に好かれるなんて!」
梨子「そ、そう…かな」 千歌「梨子ちゃん、この人…返事待ってるみたいだけど、どうするの?」
梨子「うん…悩んでて…」
曜「断るの?」
梨子「それも決めてない…」
千歌「え、じゃあもしかして付き合う可能性もあるってこと?!」
梨子「か、可能性があるってだけで本当に付き合うかどうかは…!///」
千歌「なんぱーせんと?!50?!」
梨子「そ、そんなの分からないわよ!!///」
千歌「うそっ、90ぱーせんと?!」
梨子「そんなこと言ってないってばーー!!!」
曜「………」 キーンコーンカーンコーン
千歌「あ、チャイム鳴っちゃった」
曜「席着かないと〜」
スタスタ
先生「出席確認します───」
梨子「……」カサ…
『桜内梨子さんへ』
『初めて見た時から目が離せませんでした。
多分、一目惚れというものだと思います。
桜内さんのピアノも聴きました。とても綺麗な音色で聴いていて癒やされます。
Aqoursとしての桜内さんもピアニストとしての桜内さんにも気が付いたら惹かれていました。
桜内さんからすれば、僕はただのファンにしか見えないと思います。ですがこの気持ちは本物です。
コンビニで初めて見掛けた時からずっと好きでした。
桜内梨子さん、僕とお付き合いして下さい。
お返事待ってます。』
『携帯→〇〇〇-△△△-☓☓☓
〇〇高校 ───────より』
梨子「(一体どうすれば……)」 キモすぎるからセブンイレブンの本社にクレーム入れろよ 〜放課後〜
ダイヤ「え?ファンレター…ではなくラブレター?」
梨子「は、はい…///」
千歌「もうビックリだよー!こんな事今まで無かったのに」
ルビィ「り、梨子ちゃんしゅごい…」
花丸「スクールアイドルでもこういうことってあるずらね…」
鞠莉「梨子は清楚系だしねー。boysから好かれてもおかしくないわ」
梨子「(ううぅ…みんなに報告なんて恥ずかしい…!!///)」 曜「Aqoursを結成した当初、手紙を貰っても返事はしない、って約束をしたけどこの場合どうしたらいいのかなって千歌ちゃんと話してて…」
梨子「ごめんね、私なんかのことで…」
果南「梨子は謝らなくていいんだよ」
ダイヤ「相手の方には申し訳ありませんが…ぶっぶー、ですわね」
千歌「そうだよねぇ…」 ⊂⊃
∬( c||^ヮ^|| ちょっと善子連れ戻してくる ルビィ「お返事、というか…スクールアイドルでも恋愛はしちゃいけないかも…」
千歌「ゔっ…///」
曜「……///」
鞠莉「…ま、千歌と曜はグループ内だから例外だけどねぇ?」ニヤ
千歌「ま、鞠莉ちゃんっ!///」
ダイヤ「とにかく、ルビィの言う通りですわ。たとえ本格的な表舞台にはあまり立たないスクールアイドルだとしても恋愛は禁止です!梨子さんだけではなく、他の皆さんも改めて肝に銘じて下さい」
梨子「(そうだよね…)」
ダイヤ「…梨子さん、分かりましたか?」
梨子「…はい」 〜バス停〜
ブロロロロ…
曜「梨子ちゃん、今日もこっちで降りるんだね」
梨子「うん。善子ちゃん家に行くのが日課になってるから…」
曜「そしたら分かれ道まで一緒に行くであります!」ビシッ
梨子「そうね。ありがとう」ニコッ トコトコ…
梨子「……」
曜「恋愛禁止、かぁ…」
梨子「え?」
曜「さっきルビィちゃんが言った時『そうだった』って思い出したんだよね。あ、ごめんね、気に触っちゃったら。あんな事の後に言っちゃって…」
梨子「大丈夫よ。でも曜ちゃんには関係ない事なんじゃない?グループ内だし…」
曜「あはは。私と千歌ちゃん?うん…そうだね」エヘヘ
梨子「2人、本当にお似合いよね」クスッ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています