千歌「花丸ちゃん家の倉の中が気になるのだ!」
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花丸家 中庭
花丸「千歌ちゃんお茶どうぞ〜」スッ
千歌「ありがとー!それにしても立派な庭だねー」キョロキョロ
花丸「お婆ちゃんが若い頃から住んでるからね。年季が入ってるよ」
千歌「あそこの岩も大っきいし、木も何年経ってるのかな?」
花丸「樹齢100年だよ」
千歌「へえ〜……すっごい……」ジー 放課後
ダイヤ「今日はここまでですわ。皆さんお疲れ様でした」
梨子「お疲れ様です」
千歌「いやー、疲れたねー」
善子「ふふふ……この程度ヨハネには朝飯前……」プルプル
鞠莉「……えい☆」ツン
善子「なあっ!?ってマリー!」プンプン
鞠莉「うふふ。ソーリー♪」
ダイヤ「なにをやっているのですか……」ハァ 善子「まったくマリーは……」
千歌「チカ二等兵参ります!」ドーン
善子「おぉっ!?」
千歌「というわけで善子ちゃん一緒に帰るよー!」ズルズル
善子「ちょちょちょ、千歌さん!ていうかヨハネだってー!」
ダイヤ「廊下は走らないで下さいねお二人とも」
千歌「分かってるよー!皆じゃあねー!」タタタ
果南「気をつけてね」
曜「ばいばーい!」
梨子(善子ちゃん大丈夫かな……) 花丸(千歌ちゃん、昨日の事は気にしてなさそうだね)チラッ
花丸(まあ良かった……かな?)
ルビィ「マルちゃん、一緒に帰ろう♪」
花丸「うん」
果南「曜、この後あそこ行かない?」
曜「あ、良いよ!」
ルビィ「?」
果南「バッティングセンターだよ。ルビィも行く?」
ルビィ「え、まだ動けるんだ……」
曜「余裕だよ!ほら」ヒョイ
花丸「ずらぁ!」
ダイヤ「おやめなさい」ペシッ
曜「いてっ。ごめんねマルちゃん」
花丸「べ、別に気にしてないずら」
花丸(ビックリした……) 果南「ダイヤ達はどうするの?」
ダイヤ「私も鞠莉さんも業務が残っていますからね」
鞠莉「皆は気にせず帰って良いわよ♪」
曜「じゃあお言葉に甘えよー!」
果南「うん、また明日ね」
ルビィ「お姉ちゃん達大丈夫?お外暗くなってきたけど」
ダイヤ「いつもの事ですわ。それよりルビィこそ夜道には気をつけなさい」
鞠莉「ふふ。可愛い騎士がいるんだから心配はNOよね?」 花丸「それマルの事……///?」
ルビィ「えへへ……いざって時はルビィを守ってね」
花丸「ルビィちゃん……ていうかマルよりルビィちゃんの方が腕っ節は強いずら」
鞠莉「もうマルちゃんはクールねぇ」
ダイヤ「鞠莉さん、それ以上茶化すのはダメですわ」
ダイヤ「さて、業務を片付けますわよ」グイッ
鞠莉「あぁ〜、2人とも助けて〜♪」ズルズル
ルビィ「鞠莉ちゃんが引き摺られていくよぉ」
花丸「シュールずらね」
花丸「……じゃあマル達も帰るよ」
ルビィ「うん!」 帰り道
ルビィ「……そういえばさマルちゃん」
花丸「ん?」
ルビィ「今日の昼の事なんだけど」
花丸「あ、あれは別に気にしなくて良いずらよ」
ルビィ「うーん……でもいつも以上にマルちゃんの顔が深刻な感じがしたから……」
花丸「……そう?」
ルビィ「うん」
花丸(困ったなあ。ルビィちゃんって目聡い時あるんだよね) 花丸「……ルビィちゃんには教えられないよ」
ルビィ「マルちゃんだけ辛い思いしてるのに?」
花丸「だからこそルビィちゃんに押し付けたくない」
ルビィ「……分かったよ」
花丸(あんなに落ち込んだ顔してる……心が痛い……)
花丸「……その時になったら言うよ」
ルビィ「……本当に?」
花丸「うん……それだけは信じて。ルビィちゃん」ギュッ
ルビィ「分かったよ。マルちゃんの事は絶対助けるからね」ギュッ 理事長室
ダイヤ「鞠莉さん?この溜まった書類はなんですの?」
鞠莉「oh!ダイヤぁ〜、キュートな顔にお皺が……」
ダイヤ「鞠莉さん」
鞠莉「はいすいません。すぐに片付けます」
ダイヤ「よろしい。私も手伝いますわ」
鞠莉「うふふ。サンキュー〜♪」スリスリ
ダイヤ「まったく調子の良い……」ハァ コンコン
鞠莉「はいどうぞ〜」
ガチャ
梨子「あ、あのー……」
鞠莉「あら、リリーいらっしゃい♪」
ダイヤ「どうしました梨子さん、何か忘れ物でも?」
梨子「いえ、あの絵が描きたくて」
ダイヤ「絵を?」
梨子「はい……だから図書館を少しだけ使わせて下さい」
ダイヤ「構いませんが……何故図書館を?絵とは何も関係が無いとは思いますが」
鞠莉「ダイヤ知らないの?リリーはたまにマルちゃんと図書館でイチャイチャしてるのよね?」
ダイヤ「なっ、梨子さん破廉恥ですわよ!」
梨子「ち、ちち違います!!花丸ちゃんが読書してる横で絵を描いてるだけです……///
」
ダイヤ「ですって鞠莉さん」ジトー
鞠莉「なーんだつまんないの」 ダイヤ「しかし不思議な物ですわね。あの花丸さんが図書館で絵の具を使わせるとは」
鞠莉「そうねえ。何か2人だけの秘密でもあるの?」
梨子「そ、それは……ちょっとだけ長い話になるんですけど」
ダイヤ「是非とも」
鞠莉「あるんじゃない!言って言って!!」
梨子「じゃ、じゃあ話しますね……」 回想
浦の星学院内図書館
花丸『…………』ペラッ
梨子『花丸ちゃん……?』
花丸『……!って何だ梨子ちゃんか……どうしたの?』
梨子『あ、ごめんね驚かしちゃって……本を借りたいんだ』
花丸『あ、良いよ。ちょっと待ってて』
花丸『はい。2週間経ったら返してね』
梨子『分かったよ……そういえばさっき何読んでたの?』
花丸『ん?普通の古本だけど』
梨子『そっか。凄く真剣に読んでたから』
花丸『まあ勉強の為にね……』ボソッ
梨子『?』
花丸『何でもないよ。じゃあ……』
バタン
花丸『!』キッ
梨子『は、花丸ちゃん……!?』 ガタッ
梨子『どこ行くの……?』
花丸『ごめん、ちょっと静かにしてて』
スタスタ
花丸『……これ』スッ
梨子『?本が落ちてるけど……』
花丸『誰も居ないよね……居ないよね!?』
梨子『!?!?』
花丸『どこ!?何でここにまで……!!』キョロキョロ
梨子『(は、花丸ちゃんどうしちゃったの!?)』
フゥッ
花丸『っ!あそこ……!!』サッ
梨子『……嘘!?』チラッ ビュウゥゥ
梨子『窓が開いてる……』
花丸開けられたんだよ……ここに“居る”物に』
梨子『……居るってまさか……』
花丸『そのまさかだね』
梨子『……うそ、嘘だよね?お願い嘘って言ってよ花丸ちゃん……』
花丸『…………ごめんね』
梨子『…………』
花丸『ほら、梨子ちゃんの後ろ』
梨子『』
ドサッ
梨子『』
花丸『……って梨子ちゃん?梨子ちゃん!!』ユサユサ
フワァ
花丸『っ!邪魔しないで!』
花丸『〜〜〜〜』ブツブツ
花丸『とりあえずは消えた…………さて梨子ちゃーん起きてー』ユサユサ 梨子「……ていう事が私が気絶していた時に……///」
ダイヤ「成る程。それでお詫びという事で?」
梨子「うん……本当は先輩として花丸ちゃんを手助けするべきなんだろうけど……」
鞠莉「そんなの気にしなくて良いわよ。多分マルちゃんも緊張が解れたからゴーストを追っ払えたんだから♪」
梨子「……関係あるのかなあ」
鞠莉「さあ?」
ダイヤ「鞠莉さんはまた適当を……にしても学院内にも“出る”とは厄介ですわね」
鞠莉「Oh、ダイヤまるで知ってるみたいに喋ってるけど?」
梨子「にも……ってまさかダイヤちゃん」
ダイヤ「そうですね……ではお次は私のお話でも」
梨子「は、はい……」ゴクリ
鞠莉「ふふ。ゾクゾクしちゃうわ♪」 図書館にりこまる似合うよね
というかわりと当たり前に霊が存在する世界観なのか……? ダイヤ「今からおよそ数十年前の事……厳密に私の祖父母が若かった頃
内浦である事件が起きたのです。ある日複数の人間が突如謎の死や失踪を遂げた事件
その事件の詳しい内情は私は知りません……知っているのは事件が起きたという事実だけ
しかしこの話を祖母から聞いた時の顔は忘れません
まるで何かに怯えていた様な……真相は闇の中ですが」
りこまり『…………』 鞠莉「ねえ、その事件って黒澤家は関わってるの?」
ダイヤ「勿論。後は……いえこれは伏せておきましょう。本人の為に」
梨子「へ?どういう事……?」
ダイヤ「別に口止めされている訳ではありませんが……何となく嫌な予感がしたので」
梨子「そうなんだ……」
鞠莉「ふうん……」 ダイヤ「どうしました?鞠莉さん」
鞠莉「いやー、確かにゾクゾクする話だけど……ゴースト話とは関係ナッシングよね?」
梨子「本当だ……話は怖いけど」
ダイヤ「いえ。それが全くの無関係という訳でも無いのです」
ダイヤ「事件で起きる数日前、内浦では生気の無い人間が町を徘徊していると噂があったみたいで」
ダイヤ「当然当時の人達は只の噂話として本気ではなかったみたいですが……」
ダイヤ「目撃情報によればまるで狐につままれた様な……霊に取り憑かれている様な……そんな雰囲気だった様です」
鞠莉「oh……いかにもジャパニーズホラーね」
梨子「もしそんな人に遭遇したら……怖いよね」
ダイヤ「ですね……まあ今から数十年前の話ですので、今では大丈夫でしょうが……」
ダイヤ「梨子さんが花丸さんと一緒に居た時に遭遇した霊が何なのか……心配ですけど」
梨子「こ、怖い……」ガクガク
鞠莉「大丈夫よリリー」ナデナデ
梨子「鞠莉ちゃん……///」
ダイヤ(しかし……なんなのでしょうね)
ダイヤ(先程から背中に寒気が走るのは……)
スゥッ…… バッティングセンター
カーン シュッ テッテレッテー
曜「いやー、ダンスの後のバッティングは最高だねー♪」
果南「言えてるね。あ、次打つ?」
曜「球残ってるよ?」
果南「あげるよ」
曜「よっ、イケメン!」
曜「じゃあ……ホームランいっちゃうヨーソロー!」ブンブン
果南「頑張れー」 カシャン
曜「そりゃあ!」ブン
カキーン テッテレッテー
曜「いえい♪ホームラン!」ブイ
果南「おー」パチパチ
曜「よーし、続いて2発目行くよー」
果南「やっちゃえー」
「…………」フラフラ 曜「それっ!」
カキーン テッテレッテー
曜「へーい!!ねー、連続ホームランだよ果南ちゃん!」キョロ
果南「くっ……な、何するの……!」グググ
「……こ……す……」
曜「どええええ!?!?」ボトッ 「……ころす……ぅっ……」ググ
果南「は、離して……!!」
曜「果南ちゃーん!今助けるー!!」
曜「ボール……あった!」
曜「これでも喰らえーっ!!」シュッ
「ぐぅっ……!!」ゴッ ドサッ
果南「ぶはっ……!」
曜「良かったぁー!!」ハグッ
果南「た、助かった……ありがとう。曜」ハグッ 曜「にしてもこの人……さっきの店員さんじゃん!」
果南「うーん……何なんだろ……?」
「……うぅん……」ムクッ
曜「起きたー!また襲ってくるかも!」
果南「本当だ……!」
「あ、あの……何かありましたか?」
曜「へ?」
「さっきまで気を失っていたんですが……もしやお客様の身に何か」
果南「うん……さっき君に首絞められたけど」
「え!?そんな……」
曜「もしかして、記憶が無いの?」
「まったく……」
果南「そっか……とりあえず外に出よう?ここじゃボール飛んでくるし」
曜「だね。君も来て!」
「わ、分かりました……!」 果南「……よし、じゃあ軽く話をまとめるよ」
曜「えーっと、私達がバッティングをしてる時に君が後ろから来て……」
果南「で、急に私の首を絞めて殺そうとした……」
「僕はその時の記憶は全くありませんでした……」
曜「名探偵果南ちゃん!推理の結果は?」
果南「うん…………まるで分かんないや」
曜「だよねー」
「そ、そうなんですか……」 果南「ただ、一つ言えるのは君はまともな状態じゃなかったって事だね」
曜「そうだよね。意識もふわーっとしてたんじゃない?」
「言われてみれば……実は突然眩暈がしたと思ったら、その直後には記憶が無かったんです」
果南「そっか……何か病気とかじゃないよね?」
「こうみえて健康体なんですけどね……」
曜「へー、丈夫だね」
果南「それなら……何が原因なんだろう?」
曜「さあー……?」
「分かりませんね……」
『うーん……』 少し前 バス内
千歌「ふふ〜ん♪善子ちゃんとお泊り〜♪」ウキウキ
善子「ヨハネだって……ていうか千歌さんが急に言ったんじゃない!」
千歌「まあまあ細かい事は気にしちゃ駄目だよ?」
善子「もう……強引なんだから」
千歌「ごめんって善子ちゃ〜ん」ナデナデ
善子「お団子撫でるなー!」 善子「……でも、何で急に泊まってなんて言ったのよ?」
千歌「へへー。たまには善子ちゃんと長い夜を過ごすのも良いな〜って♪」
善子「何よそれ……」
千歌「良いじゃーん。寝るまでゲーム大会とかしよっ!」
善子「え……!」
善子「そんなリア充みたいなイベントが出来るなんて……///」ボソボソ
千歌「ん?善子ちゃん?」
善子「し、仕方ないわね。千歌さんに免じてこのヨハネ……朝まで付き合おうじゃないの」
千歌「ほんとに!?やったー!」
善子「うふふ……千歌さんとゲーム大会///」 千歌「いやー、そういえば花丸ちゃん大丈夫かなあ」
善子「ずら丸?何かあったの?」
千歌「昨日ね……」
善子「え!?ずら丸の家でお化けが出たの!?」
千歌「ビックリしたよー」
善子「しかも倉って……ずら丸は何をやっているのよ」
千歌「うーん。模様替え?」
善子「ああー成る程……ってお馬鹿」
千歌「おっ!ノリツッコミ!」
善子「ていうかずら丸は千歌さんの話知ってるの?」
千歌「知らないけど……音は多分聞いてると思うよ」
善子「でしょうね。でも何で千歌さんが音を聞けたのよ?」
千歌「霊感とか無いんだけどね」
善子「私も無いのよ……ヨハネなのに」
千歌「関係あるの?」
善子「…………無いかもね」 ブロロロ……
千歌「おー、ちょっとスピード上がってる」
善子「本当だわ。人が少ないからじゃない?」
千歌「なるほど!」
スゥッ……
千歌「ん?」
善子「どうしたの千歌さん?」
千歌「いや、今窓から何か黒い物が見えた様な……」
善子「ちょちょちょ、怖い事言わないでよ!」
千歌「うーん……?」ジー バァン!
千歌「ぎゃああああ!?!?」ギュー
善子「んぐうぅぅう!?」
千歌「よ、よよ善子ちゃん!!窓窓窓!!」
善子「無理無理無理!!見てない見てない!!!」
千歌「だ、だて顔が!顔顔!人の顔があああ!!」
善子「そんなのありえないわ!!これは夢よ!悪夢よ!!」
千歌「ほんとに……?」ウルウル
善子「本当よ本当!だから落ち着きなさいって!!」ギュッ
千歌「わあーん!!善子ちゃーん!!!」
千歌「怖い怖い……怖い……」ブルブル
善子「千歌さん……」ナデナデ
「」
善子「何よ……!!文句あるなら何か言ってみなさいよ!!」キッ
善子「さっきから気味悪いのよ!早く消えなさいって!」
善子「私は堕天使ヨハネ!アンタなんか怖くないんだから!!」
「」 「」
善子(まだ見てる……怖い)
善子(怖い怖い怖い怖い怖い)
善子「はっ……はっ……!!」ブルブル
千歌「善子……ちゃん?」
善子「ちかさん……怖…い」
千歌「……」
ガン! 善子「ち、千歌さん……!?」
千歌「このっ!お化け出てけー!!」ガン!
千歌「善子ちゃんを怖がらせるなっ!!」ガン!
「」
「」
フッ……
善子「……消えた!」
千歌「やった……!二度と来るなー!!」 千歌「ふふん、どんなもんだい!」ドヤ
善子「ち、千歌さん!」ギュッ
千歌「善子ちゃんよーしよーし」ナデナデ
善子「な、撫でないでよ……///」
千歌「先に抱きついてきたお返し!」ニッ
善子「もう……///」
善子「……でも、ありがと」ポソッ
千歌「えへへー」 千歌「でもさ、あれはなんだったんだろうね?」
善子「分からないわ……分かるのはこの世の存在じゃなさそうって事ね」
千歌「え、魔界の使者?」
善子「いや、そういうわけじゃ……そうなのかしら?」
千歌「聞かれても分かんないよー」
善子「うーん……とにかくこういう事に詳しそうなずら丸に聞いてみるのが良いかしら」
千歌「だね!明日花丸ちゃんに聞いてみよ!」
善子「ええ」
ブロロロ……!
善子「ん?」
千歌「どしたの善子ちゃん?」
善子「なんかさっきよりスピード上がってない?」
千歌「えー、そうかな?」
善子「そうよ。ちょっとバス止めてみましょう」
千歌「良いよ」スッ
ポーン
千歌「あ、あそこ停留場だ!」
善子「丁度良かったわね、降りましょ」
千歌「うん」 ブウン……
千歌「あれ、善子ちゃんバス止まらなかったよ」
善子「……え?ちゃんとボタン押したわよね?」
千歌「押したよー、ポーンって音も鳴ったし」
善子「嘘……もう一回押してみて」
千歌「分かった!」
ポチッ
千歌「あれ、ボタン光らないよ?」
善子「本当だわ……壊れてるのかしら。でもさっきは音も鳴ったし……」
千歌「んー……善子ちゃんさっきから気になってたんだけど」
善子「何?」
千歌「このバス私達以外乗って無いよ?」
善子「……え?」 善子「そ、そんなわけないじゃない。たまたま私達以外乗客が居ないだけよ」
千歌「いやさ……さっき降りようとして運転席見たんだけど」
千歌「誰も居ないんだ。運転手さん居なかった」
善子「……じゃあ、このバスは誰が運転してんのよ!?」
千歌「……分かんないよ」
善子「ち、千歌さん……」
千歌「うう……どうしたらいいのー!?」
善子「そんなの私が聞きたいわよ!」 千歌「よし、善子ちゃんこのバス止めよう!!」
善子「止めるって何するの!」
千歌「えーっと……そうだ!窓を叩くんだよ!」
善子「叩く!?」
千歌「出せーって叩いたら止まってくれるって!」
善子「そ、それは……でもそれ以外の策は思いつかないわ」
千歌「じゃあいくよ!善子ちゃん!」
善子「……ええ!」
千歌「このー!出せー!」
善子「出しなさい!」
ガン……ガン……! ガン……ガン……パリン!
千歌「あっ!窓ガラスが割れた!」
善子「強く叩き過ぎよ!」
千歌「わわわ、どうしよう……」
善子「……いや、これはチャンスだわ!この穴から出るのよ!」
千歌「え!?」
善子「こうなったら物理的にここから出てやるわ!異形の宴会とはおさらばよ!」
千歌「なるほど!良く分からないけど出よう!」
善子「じゃあ千歌さん先に行って!」
千歌「任せて!よーし……」
グググッ……!
千歌「出れたー!」ドサッ
善子「私も……!」
千歌「ほら、善子ちゃん!」パシッ
善子「ありがとう千歌さん!」
ググッ……!
善子「ふう……出れたわ!」ドサッ プアアアアアアアア…………!!
千歌「あ、バスが……!」
善子「ちょちょ!海に突っ込むわよっ!?」
ザッパーン……!
千歌「……この状況はなんなのだ?」
善子「分かんないわよっ!」
千歌「えー!?ほんとどういう事これー!?」
善子「ち、千歌さん落ち着いて……」 善子「とりあえずこう考えれば良いのよ。あのまま乗ってたら沈められてたって」
千歌「んー……!そっか!そう考えるとチカ達幸運だね!」
善子「あのバスに乗った事が不幸だけどね……」
千歌「でも善子ちゃんの機転で助かったんだよ。ありがとー!」モギュ
善子「千歌さん……///」
善子「……こほん、とにかく今日の事はずら丸に話すわよ」
千歌「だね。色々起こり過ぎてチカ疲れちゃったのだ」
善子「明日の為にも、諸々合わせて私の家で整理しましょ」 千歌「あれ、十千万行くんじゃないの?」
善子「スマホの地図じゃここからなら私の家が近いのよ」
善子「……それに、十千万に行くのはなんとなく危ない気がする」
千歌「えー?まあ善子ちゃんが良いならそれで良いよ!」
善子「悪いわね。じゃあ行きましょ」
善子(さっきから変な感覚……これが杞憂だと良いんだけど) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています