0309名無しで叶える物語(らっかせい)
2019/09/09(月) 10:10:16.61ID:5R/0Z6sCダイヤ「存分に悩んでください。気が済むまで、問い続けてください」
花丸「っ」
ダイヤ「………」
花丸(優しい。そうとしか言えない抱擁に包まれる)
花丸(姉がいたら、兄がいたら)
花丸(こういう風に抱いてもらえたのだろうかと、熱くなる)
花丸「こんなところ見られたら、噂だけではすまないずら」
ダイヤ「構いませんわ。疚しいことなどないのだから、堂々としていればいいのです」
花丸「………」
ダイヤ「………」
花丸(ダイヤさんは抱いてくれる)
花丸(限りなく優しい力で抱きしめて、そっと頭に手を置いてくれた)
花丸(大丈夫。そう言われているようで)
花丸(ちっぽけな自分が縋ってもいい、大きな人がいると感じさせられるようで)
花丸(何の気なしに手を回すと、ダイヤさんは何も言わずに受け止めてくれる)
花丸(これも、消えちゃうのかな)
花丸(この暖かさも、優しさも、思い出も)
ダイヤ「……ごめんなさい」
花丸「マルの方こそ、ごめんなさい」
花丸(ダイヤさんがなぜ謝るのか。訳も分からずに、ただ、そう返した)