花丸「まっ……つ、待て、待って、待ってダイヤさん」

花丸(尋常ではないと予想はした)

花丸(けれどそれはあまりに、異常だ)

花丸「神様がいないと言うことは、運命に囚われることもない」

花丸「それなら、善子ちゃんが何度も失敗している説明がつかないずらっ」

ダイヤ「ええ、そうです」

ダイヤ「ですが、もしもその死が運命などではなく、この繰り返しの舞台装置であるとしたらどうでしょう?」

ダイヤ「黒魔術による現世との隔離、その輪の中での可変であり不変な事象」

ダイヤ「死という結果を絶対的な結末かつ始点とすることで永久的な命を獲得する」

花丸「そこに何の意味があるずら?」

ダイヤ「永久的な別れ。しかし、永久的な存続でもあります」

ダイヤ「運命による生命の剥奪から逃れるために生み出された、救いのない停滞。それが、この黒魔術の効果なのではないかと」

花丸「でも、それでもマルはどちらにしろ死ぬと言うことになるずら」

ダイヤ「黒魔術による拘束。それゆえの確実な死であるならば、黒魔術の発動を中断し、運命に打ち勝てばいい」

花丸「……出来ると?」

ダイヤ「それは分かりませんが、手は尽くすつもりです」

ダイヤ「そもそも……始まりが運命なのか、黒魔術の発動か。そこが分かりませんから、確証は持てません」

ダイヤ「力説……と言っていいのでしょうか。力強く述べはしましたが」

ダイヤ「あくまで推測の域を出ない、極論と言われてしまえばそれまでの発言です」