花丸「特に問題は起きてないずら」

花丸「ただ、善子ちゃんに聞いた話」

花丸「今日受けた小テストの最後の問題だけが、繰り返しの中で常に変化してるみたい」

ダイヤ「なるほど……」

花丸「マルの死因も変動してるし、似たようなものとは思うけど――」

ダイヤ「いえ、そうとは限りませんわ」

花丸「そう、ずら?」

ダイヤ「勝手な推測ではあるけれど、花丸さんの死は繰り返しにおいて重要な事象です」

ダイヤ「それゆえに、救いたいという願いと救わせまいという運命が干渉しあい」

ダイヤ「花丸さんの死因が常に変動していると言う可能性は十分あり得ることでしょう」

ダイヤ「しかし、テストの内容はそこまで重要な要素だとは思えません」

花丸「そうは、そうなんだけど」

花丸(そう、問題はそこ)

花丸(どうして、そんな部分が運命の収束に囚われることなく可変的に決まるのか)

花丸(しばらく考えこんでいたダイヤさんはおもむろに顔を上げた)

ダイヤ「……花丸さん、とんでもないことを言っても?」

花丸「そんな言い方をするって言うことは、尋常なことじゃないずらね」

花丸「聞きたいずら」

ダイヤ「………」

ダイヤ「この世界、もしかすると、神様……つまり運命が存在していない世界なのではないでしょうか?」

花丸「………」

花丸「……えっ!?」