弟「ねーちゃん……おれ学校行きたくない……」 かすみ「…………」
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かすみ「そっか……」
弟「…………」
かすみ「…………」
弟「……あの。やっぱいまの」
かすみ「じゃ、あたしも今日は学校サボるから、映画でも見に行こっか?」
弟「えっ」
かすみ「丁度見たいのあったし、良い機会でしょ」
弟「ねーちゃん、でも……」
かすみ「終わったら美味しい物食べよう。それでちょっと話そう。そうしよう」
弟「…………」
かすみ「制服、着替えてくるから。ちょっと待ってて」
弟「…………うん。ごめんなさい」
かすみ「何で謝ってんの」 ────おひさしぶりです 先生 エマです
この度 私の日本への留学が決定しました
まだ出発は先ですが 今の内に先生には話しておきたかったので 連絡しました
でも 御留守のようで 残念です
あの国のことは 先生から 沢山教わりましたけど……
こうして いざ その地へ自分が向かうと思うと……
緊張もするし 何より 故郷の皆と暫くお別れなのは 寂しいですね…… でも 先生に教わった日本のこと これから沢山 知っていけること 嬉しくも思います
碌に会話も出来なかった私に……とても良くしてくれて……
もし先生に会っていなかったらと思うと 私……
先生には 感謝の気持ちでいっぱいです 本当にありがとうございました
……
……
……その
……あの、わたし……前から言おうと思ってたんですけど……
……あのですね、わたし……前から
……っ
……あのッ! 私、前から先生のこと
ガチャッ
「やーゴメンゴメン、ちょっと手がはな」
キ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ! ? ! ?
……
……
プー……プー…… from:ママ
件名:おめでとう
璃奈ちゃん
15歳の誕生日おめでとう
大事な年なのに、家に帰れなくて、本当にごめんなさい
璃奈ちゃんも今年は受験生。なんとかして帰りたかったけど……
プレゼントは今日の夕方、宅配で届くことになっています
来年こそは、何とか家に帰れると思います
本当に、ごめんなさい
璃奈「…………」
璃奈「間違い探しみたいな文面だよ……」
璃奈「…………」
今朝、起きたら鏡を見た
それは天王寺璃奈の顔だった
昨日も私は、起きたら鏡を見た
それは確かに天王寺璃奈の顔だった
明日もきっと、私は起きたら鏡を見る
きっとそれは、天王寺璃奈の顔なんだと思う
私の周囲には物がある
パソコン、数々の賞状、優勝杯、作り上げた模型、趣味で描いた絵
それらは全て、天王寺璃奈の思い出だった
ここは私のこれまでの思い出の記憶が詰め込まれた、そんな部屋だった 明日も昨日も今も……私は天王寺璃奈だった
私には、それが、たまらなく嫌だった
この部屋で全てを語れてしまう存在に落ちこぼれるのが、とても嫌だった
私は、新しい私が、欲しくてたまらない
気安めの誕生日プレゼントなんか要らない
ただ、小さな幸福が欲しかった
パパやママと一緒に、週末に出掛けられる程度の幸せで良い
高価な品なんて、無くていい
しょうもない冗談で笑い合って、一緒に美味しい物たくさん食べて……
……私は、そんな小さな幸せがあれば、幸せになれた
「……たすけて」
それだけで、わたしはよかった
わたしに、どうか、笑顔をください 彼方「ざわわーざわわーざわわー」
遥 「…………」
彼方「ひーろーいーさっとーおーきびばーたけわー」
遥 「お姉ちゃん」
遥 「うるさい」
彼方「はい……」
遥 「…………」
彼方「…………」
彼方「怒ってたね、すごーく」
遥 「うん……」
彼方「…………」
彼方「まあ当たり前だよね、急に東京に行くとか言い出すんだから」
遥 「…………」
彼方「これでよかったのん?」
遥 「…………」
遥 「後悔はしないもん」
彼方「……そーか」 彼方「……」
彼方「難しいよ? 虹ヶ咲」
遥 「誰でも知ってる」
彼方「今の何倍も気張んないと無理だよ? 多分……」
遥 「それでもやりたい」
彼方「……」
彼方「遥ちゃんは凄いねぇ。そんなに真っ直ぐで」
遥 「お姉ちゃんには……」
彼方「それ以上は言っちゃ駄目よ」
彼方「彼方ちゃん、遥ちゃんのそーゆートコ尊敬してるんだから」
遥 「…………」
彼方「勉強で解らないトコあれば、彼方ちゃん喜んで教えたげる」
彼方「辛ければ、いつだっておねーちゃん慰めたげる」
遥 「……うん」
彼方「だからさ……」
彼方「頑張って頑張って、一緒のアパートに住みましょー」
遥 「…………」
遥 「見返してやるから」
彼方「お父さん達をね」
遥 「うんっ」 歩夢父「俺さ……警察官になろうと思って」
歩夢母「バカですか?」 虹の子達こんな重い設定なのか…って一瞬信じかけたゾ
おつおつ 姉 「さっすが名門校、寮も個室とか羨ましすぎるねぇ」
果林「……紅茶?」
姉 「緑茶でおねがーい」
果林「無いから紅茶ね」
姉 「あんた大概にせえよ真面目。昔からそうだけど」
果林「御心配なさらず。身内限定ですので」
姉 「可愛くねぇ妹だ」
果林「…………」
果林(あら、緑茶もある……でもま、いっか紅茶で)
姉 「砂糖とか何も無しね」
果林「ハイハイ」 果林「それで?」
姉 「それで?」
果林「わざわざ様子見のため広島から来て……」
果林「この後はどうするの? って話なんだけど」
姉 「ぶっちゃけノープラン」
果林「…………」
姉 「いっそ本当に、コッチの友達と遊ぼっかな、なんて」
果林「はぁ……そんなことだろうと。あなたこそ昔からね、そういう所」
果林「どっかの誰かさんにソックリよ」 部長「あ……クシャミ出そう」
歩夢「やだ、あっち向いてくださいよ」 姉 「んで? どうよ最近。元気してたの?」
果林「御陰様で健康優良児そのものよ。運動量も跳ね上がったしね」
姉 「あら? もしかして、またバレー始めたの?」
果林「……」
果林「アイドルを始めたの」
姉 「なんて?」
果林「スクールアイドル。マイナーな部活だけど大会もあるわよ」
姉 「…………」
姉 「えー……マジか。あんたが? スクールアイドル?」
果林「本当はあまり、乗り気じゃなかったんだけどね。熱意に負けちゃった」
果林「今は割と楽しめてるわよ。世界が広がった感じする」
姉 「へー……、お父さんが知ったら顔マッカになるね多分」
果林「別に言っても良いわよ。あの堅物がカッカするトコなんて逆に見たいくらい」
姉 「言わない言わない。家が大荒れになるよ」 果林「ていうかアンタ、今コッチの友達って……」
姉 「あ、うん。ちょっとツイで交流があってね」
姉 「前に一度だけ広島まで会いに来てくれて、一緒に遊んだ子」
果林「いつの間に……」
姉 「あんたが東京に行ってからだもん、知らないのは当然」
果林「…………」
姉 「考えてること当てたげよっか」
果林「結構です」
姉 「気になるんでしょ」
果林「ちょっと」
姉 「あっちがどうなってるか」
果林「あーもう……」 姉 「良いよ、勝手に話すから」
果林「……勝手にすれば」
姉 「望む所でーす」
姉 「…………」
姉 「正直ね、毎日ピリッピリだったよ。特に晩御飯の時は」
果林「…………」
姉 「今は結構マシになった方だけどね。それでもさ果林、アンタが家出てった直後は……」
姉 「母さん、何度か寝込んでた」
果林「……良い薬になったと思うわ。いい加減、あの人は子離れすべきだった」
果林「もう私は昔みたいに弱くないし、御覧の通り病気にも罹らないカラダになれたから」
姉 「ホントにね」
果林「……お湯、見てくるわ」
姉 「はーい」 果林「母さんがああなったのは誰のせいでもない。頭では解ってるの」
果林「お父さんにもアンタにも手間掛けさせたし……誰も責めるつもりは無い」
姉 「……考えてること当てたげよっか」
果林「いい、自分で言える」
姉 「そう……」
果林「私ね、怖いの」
果林「向こうに戻って……またあの、悪意無く縛り付けられる毎日を過ごすの」
果林「何かの弾みで私の病気が再発して……また母さんがおかしくなるんじゃないかって」
果林「ありもしない可能性なのは分かってるけど、そんな可能性が怖くてたまんないの」
姉 「……あんたのコト、一番近くで見てきたからね。気持ちよく解る」 姉 「それに、性格は別でも、同じ姿分け合った双子だから、余計にね」
姉 「ぶっちゃけ、最初の1年くらいは酷いもんだったよ」
姉 「毎日ヒス起こしてばっかでさ……あんたのこと連れ戻しに行くだの、私や父さんに連れ戻して来いだの」
果林「ちょっと目に浮かぶわ」
姉 「でしょ。毎日凄かったわ」
果林「……斉藤さんは?」
姉 「今でも居るよ。家政婦続けてる」
姉 「かなり心配してたよ、あんたのこと」
果林「……そう」
姉 「アドレスは変わってないから、斉藤さんには連絡してあげたら?」
果林「考えておくわ……」
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Rock54: Caution(BBR-MD5:b73a9cd27f0065c395082e3925dacf01) 愛 「歩夢ってさ、やっぱ好きなの?」
歩夢「何をですか?」
愛 「彼のこと。カレカレ」
歩夢「彼……ああ、彼ですか」
歩夢「好きとは、やっぱりそういう意味で?」
愛 「まあね。アタシもイロイロ気になる年頃だから」
愛 「でも、その感じだと違うのかな。幼馴染みの域出ず?」
歩夢「いいえ? 好きですよ彼のことは」
愛 「あれま?」
歩夢「そうですね。時期が来たら、正式にオツキアイ始めても良いかも」
愛 「…………」
歩夢「もし受け入れてくれたら……うん、嬉しいですね。素敵だと思います」
愛 「えぇー……そんな冷静に恋仲結成宣言すんの」
歩夢「そんな劇的に宣言するものでもないデショ。漫画じゃないんですから」 愛 「アンタと結構長いけど、そんなドライアイなこと言う奴だった?」
歩夢「アイは余計では」
愛 「愛は必須ナリ」
歩夢「じゃあ、どんな宣言なら良かったんですか」
愛 「もっとさぁ、顔真っ赤にして俯きながらさぁ、ボソボソと蚊の鳴くよーな……」
歩夢「愛ちゃん気持ち悪いです。すごく」
愛 「だよね」
歩夢「……まあ、そうですね。それこそ彼とは、小さい頃から一緒でしたから。住んでる場所から何まで」
愛 「おう」
歩夢「御存知の通り、行動力もあって、容姿も異性としては理想的ですし……」
愛 「おうおう……」
歩夢「小さい頃から、ばくぜーんとですけど……お互いに将来はそういう仲になるんだろうなーって思ってた感じですので、今更これだぁって大袈裟に反応するまでもないかなぁって……」
愛 「おうおうおうおうおうおう」
歩夢「アザラシさんですか?」
愛 「見せ付けてくれんじゃねーのってコトよ」 歩夢「そ、そんなつもりは……」
愛 「無いなんて言わせねーぞYOU」
愛 「大体オメー、初めて会った時から露骨なんだよ。2人の間にある空気的なのが」
歩夢「そ、そうですかぁ?」
愛 「そーですかァン? じゃねーやい」
愛 「今まで何となく言わなかったけど、アタシ結構フォローしてたからね。2人のこと」
歩夢「えっ」
歩夢「そ、それはどういう……」
愛 「中学生で男女あんな仲良くしてたら絶対出るでしょ。からかいたがりの思春期くんちゃん達」
愛 「あたし校内じゃ、部活の関係で変にカオ利いたからさ───」
愛 「……ちょっと潰してたんだよね、そういう手合の子達。部の友達にも協力してもらって」
歩夢「…………」
愛 「…………」
歩夢「大変、御世話になりました」
愛 「その一言が貰えればいいんだ、もう」
愛 「この話は終わりな」 愛 「でもやっぱ、今は互いに控えてる感じなのかしらん?」
愛 「なんてったってアイドルな訳だし。アマチュアでも」
歩夢「そうですね。同好会始めてから、自然と距離は取ってると思います」
歩夢「踏み込んだ話題も、前よりはしなくなりましたね」
愛 「えー? 踏み込んだ話題ィ?」ニヤニヤ
愛 「それってもしかしてー、あんなことやこーんな」
歩夢「えっちなお話ですよ?」サラッ
愛 「…………」
愛 「テメェ本当にアタシの歩夢かオラ」
歩夢「愛ちゃんの物になったことは無いですけど……」 愛 「って……何? え? シモ? シモの話? 歩夢が?」
歩夢「いや動揺し過ぎでは」
愛 「いやだって、あの歩夢だよ? アタシに対してもデスマス使う歩夢だよ?」
愛 「愛さんのトモダチ史上、多分トップクラスに女の子で、ウブなネンネの歩夢だよ?」
歩夢「あ、ありがとう?」
歩夢(ウブなネンネって何だろう)
愛 「それがさあ……幼馴染みつっても異性と猥談してる……してたとかさぁ」
愛 「なるほど、これが好きな子に彼氏が居ること分かったドッティ君の気分か」
歩夢「流石に大袈裟ですよぉ……」
愛 「オーゲサなもんかい。愛さんの中じゃ大事件だよ」
歩夢「愛ちゃんだって男子とえっちな会話くらいするでしょ」
愛 「アタシがするのとむーたんがするんじゃ意味が違うんだい!」
歩夢「唐突に昔のアダナ出すのやめて?」 歩夢「なら、お約束の切り返し行きますけど」
歩夢「そーゆー愛ちゃんの方はどうなんですか」
愛 「……アタシィ?」
歩夢「そうですよ。ライフ・イズ・ザ・ショータイムの権化じゃないですか愛ちゃんって」
愛 「……。 ……?」
歩夢「だから、私たちの知らぬ所でイロイロあるんじゃないですか? あれやこれやウェイウェイなこと」
愛 「バカにされてる? もしかして」
歩夢「褒めてるんですよぉ。女子の憧れる要素多いですもん、愛ちゃん」
愛 「憧れ? え……。そ、そお? かな」
歩夢「そうです、そうですよ。割と噂になってましたよ、もう中学の頃から」
愛 「…………」
愛 「確かにバスケ部には結構な子も居たけど……アタシ?」
愛 「スカート丈以外、そんな派手にしてたつもり無いんだけど」
歩夢「嫌でも目を引くんですよ、愛ちゃんは」
歩夢「何となく言ってませんでしたけど、校内の人達から何度か聞かれましたよ、愛ちゃんの連絡先」
歩夢「男女問わず」
愛 「うっそ」 愛 「え、まさか何度か憶え無い人からメッセージ来たのって……」
歩夢「違います違います。ソレ多分、私以外の人が教えたんだと思う」
歩夢「私は誰にも教えてないよ」
愛 「やめてよマジで……軽くホラーだったんだから」
歩夢「愛ちゃんって基本、変な人じゃないなら誰にでもフレンドリーでしょ?」
歩夢「ルックスも良いですし、性格もナイスですし、関係持ちたい人は多かったんですよ」
愛 「自覚無かったわ……」
歩夢「まさに、お互い様ですね」
歩夢「特に後輩からはよく訊かれましたよ。愛先輩とか宮下先輩とか言って」
愛 「…………」
歩夢「要するにモテ女子なんですよ。そういう素質があるんです」
歩夢「ここでも同じだと思いますよ? 丁度この前も別クラスの人に聞かれましたし、愛ちゃんのこと」
愛 「高校1年目からヤなこと聞いた……。ちょっと今度から冷たく振舞ってみよっかな」
歩夢「あはは、どうかそのままの君でいて」
歩夢(でも、それはそれで別のモテ方しそうですよね)
歩夢「来年、後輩が入ってきたら、多分またモテが本格的になりますよ、きっと」
歩夢「果林先輩と良い勝負するんじゃないですか?」
愛 「そうはならないでほしいなぁ……。楽しいのは大歓迎だけどさぁ」 愛 「……」
愛 「上原悪夢……」
歩夢「は?」
愛 「いや……何か急に思い付いた」
歩夢「何ですか、人をいきなりナイトメア呼ばわりして……」
愛 「歩夢ってさ」
歩夢「はい」
愛 「それなりに付き合い長い相手だとさ、割とズケズケなトコあるじゃん? アタシとか」
歩夢「ズケズケ?」
愛 「そう。遠慮無いって言った方が良いのかな、この場合」
愛 「例えばグループ内だと、ヴェルデ先輩とアタシ」
歩夢「エマ先輩が何か」 愛 「歩夢アンタさ……アタシと他のメンバー、特にヴェルデ先輩とで、ちょっと対応が違くない?」
歩夢「…………」
歩夢「?」
愛 「分かるよその顔。それは"なに言ってんだコイツ"って顔だよね」
歩夢「はあ、まあ。よく分からなかったので」
愛 「ほら今まさに。また出たよ上原悪夢が」
歩夢「…………」
歩夢「愛ちゃんの言いたいことが正直分からないんですケド」
愛 「ほらまた」
愛 「思い出してみなよ。この前だってさ」 ↓↓簡易回想1開始↓↓
あらすじ:エマ・ヴェルデ、貧血
エマ「うぐっ……」フラリ
歩夢「わっ! エマ先輩!?」
エマ「あ……ご、ごめんなさい。ちょっと貧血で……」
歩夢「大丈夫ですか!? 無理しないでください、さあ肩に掴まって……」
歩夢「早く保健室に行きましょう。すいません果林先輩、ちょっと抜けますね!」
果林「任せていいの?」
歩夢「はいっ! 任せてください。一応、保健委員ですから!」
エマ「ごめんね、ありがとう……」ヨロ…
歩夢「さ、行きましょっ。ゆっくりでいいですから……」
↓↓簡易回想1終了↓↓ 歩夢「あー、今年の始めの頃ですよね。それ」
歩夢「まだ近江先輩が居なくて、エマ先輩が入ったばかりで」
愛 「そうそう、見事な手際だったよアンタ。流石は保健委員」
歩夢「それほどでも」
愛 「そんで、これが愛さん相手となるとー?」
↓↓簡易回想2開始↓↓
あらすじ:宮下愛、昏倒
生徒A「やべえ! 宮下が倒れた!」
生徒B「ちょっ!? ほ、保健委員! あゆっち来てあゆっち!」
歩夢「はいはーい? あ、愛ちゃん倒れてる……熱中症ですかね」
生徒A「熱中症!? は、早く! 宮下を保健室に連れてってくれ!」
歩夢「熱中症は急に動かしちゃ駄目よーダメダメ。はい愛ちゃんコレ飲もうね」
愛 「んご……んご」ゴクゴク…
歩夢「ゆっくりゆっくりー」
愛 「……うべ」
歩夢「意識は……あるか。よかった」
歩夢「はいじゃあ日陰行こうねー。えっさほいさ」
愛 「 」ズルズル…
生徒B「て、手伝うよ……」
歩夢「ありがとー♪ 下敷きとか持ってたら煽いであげてー」
生徒A「お、おう……」
↓↓簡易回想2終了↓↓ 歩夢「えー懐かしい。中3の体育の授業ですよね、その時」
愛 「どうしてだ?」
歩夢「え」
愛 「この差は何だ?」
歩夢「あの」
愛 「どうして先輩は自ら抱えて保健室に直行なのに、愛さんだとあれなんだ?」
愛 「言葉遣いも何か軽いし。挙げ句の果てに引き摺ってるし」
愛 「熱中症の処置としては正しいよ? ……でもね? もーちょいね?」
愛 「優しくしてくれたってね? 良かったんじゃないかって」
歩夢「えーと……」
愛 「ね?」
歩夢「あう……」
愛 「何ならせつ菜が指切った時のアレも話す?」
歩夢「…………」
愛 「この差の、理由は?」
歩夢「…………」
歩夢「……愛、です♥」
愛 「アンタ今から上原悪夢ね」
歩夢「どいひー」 愛 「…………」
歩夢「…………」
愛 「悪夢」
歩夢「やめて(低音)」
愛 「歩夢」
歩夢「はい」
愛 「いま何時」
歩夢「……」
歩夢「大体、4限目が終わるくらいですね」
愛 「どーりで、お腹減る訳だよ……」
歩夢「実は私もです」
愛 「何か持ったりしてない? 飴ちゃん的なの」
歩夢「ありませんよ、そんな都合良く……」
歩夢「愛ちゃんこそ、この前みたいに唐突にボンタン飴くれたり……」
愛 「お生憎。あれなら今は鞄の中だよ」
歩夢「持ってきてるんですか……」
愛 「秋刀魚の塩焼と同じくらい好きだからね」
歩夢「やめてください、ここで美味しそうな名詞出すの」
愛 「ごめん……」
歩夢「…………」
愛 「…………」 愛 「歩夢」
歩夢「はい」
愛 「いまなに考えてる?」
歩夢「愛ちゃんのことですけど」
愛 「照れる」
歩夢「変な解釈しないでください。普通に体調の心配ですよ」
愛 「おおー、さっすが中学から保健委員なだけあるね」
歩夢「小学校からですよ」
愛 「そういや言ってたね、いつだったか」
愛 「何か拘りでもあんの?」
歩夢「別に何も?」
歩夢「強いて言うなら、怪我を見る機会が多かったからですかね」
愛 「機会って?」
歩夢「彼ですよ、解るでしょ?」
愛 「……あー成る程」 愛 「前から思ってたんだけど」
愛 「ウチ部長が彼で、副部長は果林先輩じゃん?」
歩夢「ですね」
愛 「何とも思わないの? 歩夢」
歩夢「何をどう思えば愛ちゃんの意に添うのかな」
愛 「いやだってさー」
愛 「部長と副部長じゃん?」
歩夢「あ、今ので8割くらい解りました」
愛 「うん」
愛 「そんで、必然的に話す時間が増えるじゃん。立場上」
歩夢「殆ど事務的な会話だと思いますけど」
愛 「だとしてもだよん」
愛 「実際、最近たまに名前で呼び合ってるし……」
歩夢「へえ、学年違うのに」
愛 「歩夢的に、それいいのかよって話」
歩夢「仲が良いのは歓迎すべきコトなのでは……」
愛 「……何とも思わないの? 恋仲予定の人が他の女と親しげで……」 歩夢「…………」
歩夢「全く何も、って言ったら、それはまあ嘘ですけど」
歩夢「そんなトコまで束縛したらストーカーみたいじゃないですか?」
歩夢「それこそ悪質なファンみたいですよ」
愛 「良い子ちゃん気取りよってからに」
歩夢「気取ってるつもりは無いんだけど」
愛 「男ってのは靡きやすいんだよ?」
愛 「そんなフウに油断してると、あのナイスバデーに一寸先はルパンダイブかもよ?」
歩夢「不安煽って楽しい?」
愛 「割と」
歩夢「ちょっと」
愛 「だー待った待った、マジで心配してるんだってば」 愛 「中2の時あったでしょ、ちょっと修羅場った感じの」
愛 「野球部の人だったかな。確か二股バレて、教室で睨み合ってたよね、アレだよアレ」
歩夢「……あったね、そんなことも」
愛 「愛さん友達がああいう場面の当事者になってるとこなんて見たくないの」
歩夢「あのね、ああいうのは人生で1度か2度、通行人の立場で見ることがあれば奇跡なくらいなんだよ」
歩夢「当事者になるなんて、普通に生きてれば有り得ないの。分からない?」
愛 「人を信じるのは良いコトだと思うよ、そらアタシだって」
愛 「単にね、ちょっと歩夢は無意識に彼に対して安心し切ってるんじゃないのかなーってね?」
歩夢「油断してるとでも?」
愛 「じゃあいいよそれで」
愛 「少しくらいね、たまにでも良いから、縛り付ける言動取らないと……」
愛 「言い方悪いけど、男の性欲と変な優しさは抑えられないってこと」
歩夢「……」
歩夢「そんなこと言われても……じゃあどうすれば良いんですか……」 愛 「別にね、本当に恐怖で束縛する振舞いしなくたって良いんだよ」
愛 「ただ……そうだね、歩夢と居る時間を "居心地が良過ぎて離れようとも思えない" ものにすれば良い訳」
歩夢「……洗脳ですか」
愛 「そんな大仰じゃなくって……単に目一杯、彼に感謝して褒めれば第一段階は完璧」
歩夢「…………」
歩夢「それだけ?」
愛 「簡単でしょ? まあ先を目指すならもっとアプローチ要るけどね」
愛 「断言する。それだけでコロッと傾くよ、男の子は」
歩夢「…………うーん」
愛 「信じらんないなら今度やってみなよ。……あ、あくまで自然な感じでね?」
歩夢「何か私、変な道に進み始めてる気がします」
愛 「大丈夫大丈夫。コレはただ、地盤を固めるだけなんだから」
愛 「安心に根拠を付けることは悪いことなんかじゃないよ」
歩夢「……」
歩夢「……じゃあ、今度……試してみます」
愛 「うん、頑張れ頑張れ♪」 歩夢「…………」
歩夢「あ」
愛 「……鳴った? お腹」
歩夢「はい……」
愛 「まあ仕方無いよね。実際アタシもヤバい。お腹減り過ぎてる」
歩夢「もう……5限目始まりますね、この時間だと」
愛 「そーだねー……」
歩夢「…………」
愛 「いつになったら直るんだろーねー、エレベーター」
歩夢「閉じ込められてから……もう2時間は越えてますよね。多分」
愛 「あ゙ー……」
愛 「まさか天下の虹ヶ咲学園でだよ? 設備故障なんて起こるわけ無いと思ってたよ」
歩夢「それは流石に偏見ですけど……まあ私も、自分がこの立場に立つとは夢にも……」
愛 「心配してるよねぇ皆。ヴェルデ先輩とか祈ったりしてくれてるかも」
歩夢「今は祈りより御飯が欲しいです……」
愛 「全く以て同感だわ。でも、そろそろ業者さん来てる頃だと思うんだけどねー……」 愛 「まあ、久しぶりにイロイロ話せたのは収穫だったと思うけど……」
歩夢「ポジティブですよね、愛ちゃんは」
愛 「ネガティブになるのが不得意なだけでーす」
愛 「実際、ちょっと楽しかったりもしたし」
愛 「最初の内はワクワクしちゃったりもしたからね」
歩夢「否定は出来ないですね、まあ」
愛 「でしょでしょ」
歩夢「……」
歩夢「そんな愛ちゃんに悪いお知らせ」
愛 「ん?」
歩夢「ここ……簡易トイレとか備わってたりします?」
愛 「やっべネガティブなりそ」
歩夢「が、頑張れ愛ちゃん。ポジティブ貫きましょう」
愛 「頑張るのはアンタの膀胱だよ……。多分、簡易トイレとか無いよここ」
キーンコーンカーンコーン……
歩夢「……最悪です」
愛 「……最悪だね」 歩夢「…………」
愛 「…………」
歩夢「がんばれ……」
愛 「……あたしたち」
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