海未「恋人や結婚というものを人生のオプションのように考えている人がいますが、私はとてもそういう考えはできません」

海未「恋人がいることは『喜び』ではないんです。生きていく上で『必須』なんです」

海未「あなたは、あなたのご両親の愛を受けて育ったのですよね?」

海未「また、兄弟、友達、先輩後輩、先生、近所のおじ様おば様…」

海未「楽しい時も病める時も、あなたを癒してくれる人があったはずです」

海未「まっすぐに生きるためには、暖かい人間関係、愛が必要なんです」

海未「心を正常に保ったまま明るく真っ当に生きるためには、心を抱きとめてくれる人が必要なんです」

海未「ですから、自分を抱きしめてくれる恋人、親友という存在は、生きていく上で、絶対に欠くことのできないものなんです。持っていなければダメなんです」

海未「それを『必須ではない』などと言うのは、スラム街で愛を知らずに育った可哀想な方か、強がり屋だけです」

海未「わたしはどうなのか、ですか…?」

海未「わたしは…」

海未「……いません。恋人も、親友も」