いつまでそうしていたでしょうか。


雪穂「……っ、すみません」

唐突に、はっとしたような顔で雪穂さんは離れました。


海未「いえ……どういたしまして」


どういたしましてって何ですか!? この言語野機能不全!
って、なんでこんなテンパってるんですか私は!?
だって、彼女が温かくていい匂いだったから……


海未「お風呂…!そう、お風呂!入れてきますねっ」

たちまち上気した顔を見られぬよう背けながら。
久しく感じていなかったときめきと、他人と初めて心の底から通じ合えたような興奮とを上手く処理できず、
それでも確かな高揚感に浮かれながら、私は思い出の鳥籠を飛び出したのです。