海未「今度、結婚するそうなんです。彼女」

海未「出ていく時、他に好きな人が出来たと言ってましたから。多分その方と」

雪穂「…ひどい」

ぽつりと漏れた言葉の深刻なトーンに、ややたじろきながらも。

海未「私は…仕方ないかなと諦めてます」

雪穂「仕方ないですかね?」

海未「こういうのは、気持ちの問題ですから」

海未「別に、契約書とか書いてもらったわけでもないですし」

愛想笑いを浮かべようとして、上手くいきません。
彼女はまた下を向いていました。

雪穂「今でも…その人のこと、好きですか?」


海未「………はい。好きです」