海未「この部屋を使ってください」

海未「着替えとかは……あ、持ってますか」

海未「ベッドもあります。私は向こうで寝ますので」

海未「お風呂入りますよね? 今沸かしてきます」

雪穂「ありがとうございます。何から何まで」

海未「いえいえ、どうせ空き部屋なんです」

そこで私は、壁際の段ボールやハンガーにかかった服をちらりと一瞥し。

雪穂「あ……例の、ことりさん、でしたっけ」

海未「一週間くらいしか使われてないんですよねぇこの部屋」

ここを買って、すぐ出ていかれちゃいましたから。