海未「構いませんけど。今帰ったばかりなので、少し時間を」

『すぐ来てほしいのよ。大事な話があって』

海未「あの、さっきからなぜ小声なのですか」

『ああこれ? これはね……ほら仕事中。分かるでしょ』

海未「ではそれが片付いてからにしましょうよ。うちに来てもらえれば、私が何か作りますよ」

『いや、ホントにね? 大事な話なのよ。今すぐ来て?』

海未「大事大事って、何なんですか一体」


しばしの沈黙。


『ことりちゃんのことよ。今日街で偶然会ったの』


次の瞬間、私は弾かれた様に部屋を飛び出し、一目散に地下の駐輪場へ駆け込んでいました。