海未(30)「運命じゃない人」
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すみません
何か最後まで書けそうなので、恥を忍んで投下していきます… 【3月16日(土) 00:40 東條組事務所】
リン「……」
絵里「……」
リン「なにガン飛ばしてんの?」
飛ばしてないです……。
『お掛けになった電話は、現在電波の届かない所か――』
かよちん「…………チッ」 かよちん「で、何か思い付きました?」
絵里「へあっ?」
かよちん「言い訳ですよ」
絵里「……いや」
かよちん「もっと必死になったらどうです?命懸ってるんだから」
リン「そうにゃそうにゃ」
絵里「あのっ」
かよちん「何度言わせるんですか。口は閉じて」
かよちん「組長が来てからです。今は大人しく震えててください」
絵里「………」 ・
・
・
あれから何時間経ったのかしら……。
時間の感覚も足の感覚もとっくに無くなっていた。
同じように痺れ切った脳細胞では上手い言い訳も思いつかない。
嗚呼、どうしてこんなことになっちゃったんだろ。
あんな女に関わったばかりに――。
リン「ごくろーさまですッッッ」
仰々しい歓待と共に事務所に入ってきた人物の顔に、私は目を剥いた。
レイバンのサングラスに派手な紫シャツと白いスーツ。
噂の東條組長だ。
そしてその隣で俯いてるのは、
ことり「……」
えぇ…あなたも捕まっちゃったわけ? え、なんかもうピンクにまとめられてるよ?
レス0だけどもう追加のらないよ? 一体何がどうなってるのよ?
困惑もそこそこに、私はことりと一緒に組長室のソファに投げ出された。
東條組長は何やら見覚えのある封筒から取り出したお札を子分に渡している。
あ、それ私の100万円……。
希「ご苦労さま。これでご飯でも食べてきて」
リン「やったぁ!駅前のラーメン行っくにゃー」
かよちん「GOHAN-YA一択ですっ」
「フレンチがいいんだけどー」 希「ふぃー、さてと」
子分たちが出ていくと、組長は対面側のソファにどっかり腰を下ろした。
もしかすると……まだ挽回の余地があるのかも。
諸悪の根源と、実際にそれを愛人にしていた本人が揃ってるんですもの。
そうよ、絶対に何とかしてみせる。ここが腕の見せどころよ――!
希「探偵さん」
希「人ひとり始末するのにいくらかかるかって知っとる?」
ダメだこりゃ。 希「あ、殺すのはうちでも出来る」
希「でもな、死体処理なんかは外部に委託しなきゃならない」
希「これが結構取られるのよ。それにリスクもあるしね」
希「もしアシがついてうちの組員が捕まったりしたら、家族の面倒見たりなんだりでえらい出費やん」
希「……ハッキリ言えば、そこまでして殺す価値のあるやつなんて今時おらんのよ」
絵里「は……はあ」
希「ただし」
希「ウチらには“メンツ”ってもんがある。分かるでしょ?」
絵里「……はい」
希「あんた、それを潰したんよ」
希「それを許したらヤクザじゃない……これも、分かるね?」
絵里「………はぃ」 希「………ま、細かい理屈はここまでにしとこか」
希「絢瀬さん、だっけ」
希「あんた、これからたまにウチが頼む仕事、タダでやってよ」
希「探偵ってのは結構必要だからね」
希「あとこの100万。こb黷ナ勘弁したるb掀
絵里「はいっ…………え? いま勘弁って……」
希「やー絢瀬さんの事務所お邪魔させてもらったらね、こんなもの見つけちゃって」
希「絢瀬さんいい仕事してるじゃない、あははっ」
応接テーブルの上に投げ出されたのは、私の纏めたことりの悪女遍歴ファイルだった。
組長はこれを見て自分の愛人の正体を知ったのね…!
希「この資料はウチが預かるから、きっぱり忘れるんよ? これはウチとこの子の問題だからね」
希「はい、じゃあ帰ってええよ」 絵里「…………あっ、ありがとうございましゅ!」
何これ。意味わかるけどわかんない。
とにかく助かったことはわかる。
東條組長。なんて度量の大きい人なのかしら。
まさかヤクザに二重の意味で泣かされる日が来るなんて思わなかった。
複雑奇怪な心持ちで、一刻も早くこの場を後にしようと立ち上がる。万一心変わりでもされたら
希「あっ」
希「そうそう忘れてた。絢瀬さんが置いてったこの鞄だけど」
そう言って組長は例のアタッシュケースの留め金を外すと、
希「中身違うよ?」
開かれた蓋の内側からは、色とりどりのブラにパンティ、下着の山がこんにちわ。
私の開いた口からは呻き声のなり損ないが零れ落ちるのが精々だった。 希「あとこんなんも一緒に入ってたんやけど」
おいいいいそれ私の事務所の名刺いいいい
このアマなんてことを…!さてはあなた太陽系の出身じゃないわね!?
一体全体どんな血の色をしてたらこんな……。
憤怒を込めた私の殺視光線を、宇宙から来た猛禽類はすまし顔で受け流した。
希「あ、やっぱ知らなかった?」
希「そうだよね、ここまで舐めたマネするおバカさんなんていないよね。うははっ」
絵里「え……じゃあお金はどこに……」
希「それはこれからこの子にゆーっくり聞かせてもらうよ。二人っきりで」
ことり「……」
希「なんかあちこちに口座持ってるんでしょ? 楽しみやねぇ…うひひ」
―――
― 【3月16日(土) 06:00 KKE探偵事務所前】
長い長い夜がようやく明け、私は駐車場で安堵のため息を一つ。
厄介な相手に目を付けられちゃったのは事実だけど、
命あっての物種って言うしね。
ことりは……あの後どうなったのかしら。
大体ヤクザ相手に2000万の札束とカラフル下着の詰め合わせをすり替えるなんて、どんな神経してたら――
絵里「……ちょっと待ってよ」 記憶の糸を手繰り寄せる。
アタッシュケースいっぱいにカッ詰められた下着。
昨晩、あの子から取り上げたパスポートは色とりどりの下着の山に埋もれていた。
下着が入っていたのは、丁度それらがすっぽり収まるくらいのダンボール箱……。
『ことり……荷物のこと、何か言ってましたか?』
『新しい住所が決まったら送ってくれと、頼まれていたので……』
その点と点が繋がった瞬間、私はイグニッションキーを回しクラッチを繋ぐ。
どこまでも抜け目のない子。最後の最後までとんでもない仕掛けを。
でも、今度こそ私の勝ちよ。 【3月16日(土) 06:50 海未のマンション】
海未「なんだ絵里ですか……どうしてこんな時間に」
迷惑そうな顔を押しのけ、一目散に元ことりの部屋へと転がり込む。
ここに、2000万の眠る段ボール箱が――
絵里「ない…?」
部屋は相変わらず綺麗に片付けられていた。あの荷物までもが。
絵里「海未……ここにあった荷物は?」
海未「ああ、今朝ゴミに出しました」
海未「もう全部吹っ切ることにしたんです。やはりあなたの言った通り…」
絵里「もう、持っていっちゃったかな…?」
海未「え? そりゃまあ……」
海未「それより見せたいものがあるんです。少し待っていてくださいね」 海未「どうです! 昨日の彼女の電話番号です!」
海未「いやぁ私もとうとうやったというか、珍しく自分を褒めてあげたい気持ちで」
海未「もう恥ずかしいなんてものじゃなかったですけど、何だか不思議な気分だったんです」
海未「こう……恥ずかしいけれど清々しくも気持ちいいと言いますか。もしかしてこれが本当の私なのかも……などと思わなくもなかったり」
海未「………絵里? 聞いてますか? 絵里ー?」
さっきから、彼女の声が随分遠くに聞こえる。
にせんまんえん……それをゴミに。
私の言ったこと、ちゃんと守ったのね
海未、あなたはやっぱり私たちとは住む世界が違う。
どこか遠い星から来た、今聞こえるこれは宇宙からのメッセージ。
口を半開きにしたまま、どこか遠くを見つめながら、そんなことを考えた。 土曜プレミアム
―――――――→
PREMIUM SATURDAY
ラブライブ!
×
運命じゃない人 【3月15日(金) 17:00 東條組事務所】
女心はよう分からん。
今年で32になるウチ、東條希(♀)でさえそう思うことがある。
それはさておき、今のご時世ヤクザ経営するのも大変よ。
昔から運だけはいいウチが、トントン拍子でここまでこれたのにも事情があるの。
今時小さな組はどこも口減らししないとやってらんない。
オジキがしつこくウチに自分の組を持て持て言うのも、要はそういうこと。 そんなわけでこの組を立ち上げて早二年。
実は金勘定はそんなに得意な方じゃない。
見栄張って借りちゃった事務所の家賃が月80万。
光熱費が6万に、組員8人の食費で100万。携帯の通話料が15万くらい。
上納金に冠婚葬祭うんたらかんたらで、多い時は月200万ぐらい持ってかれる。
その他にも諸々あって――ああもう、全部で一体いくらになるん? とにかく収入からこれらの必要経費さっぴくと、ウチの生活費なんて月100万ちょっと。
でもね、組長がしみったれた生活するわけにもいかんのよ。
いいもん食っていいもん着て、いい女の子侍らせてなきゃ若い子たちは着いてこない。
つい最近までウチ自身がそうだったからよく分かる。
義理人情の世界に憧れてこの世界に入るような子はもういない。
だから今こうして、せっせと偽札作りに励んでるわけやね。 ああ勘違いしないで、これは外で使ったりはしないよ。
組の人間の目を誤魔化せればいいの。
諭吉サイズに切った紙束の側面をお醤油でぺたぺた塗り塗り。
上と下に本物のお札を挟み込んでビニールでパックすれば出来あがり。
一つ400万円のパックが五つで2000万円。ね、簡単でしょ?
これ見て組のみんなが、私も上を目指そうってやる気出してくれれば万々歳。
人を惹き付けるのはいつだってお金の匂いだ。大事なのはイメージなの。 希「……わかんないよね?これ」
組長室の金庫に並んだ“ニセんまん”の束を指して尋ねる。
「うん。完璧だと思うニコ」
答えたのは『便利屋にこにー』の店主、通称にこっち。
にこっちとウチの付き合いは長い。
今日みたいな汚れ仕事の片棒も随分と担いでもらった。
もはや共犯者と言って差し支えない間柄やん。
希「サンキューにこっち、いつも悪いね」
希「あ、今度もっと材料持ってきてくれる? あと3000万くらいあったらいいなーなんてフフフ」
にこ「りょうかいニコー♪」
コンコンコンコーン。
おっと人が来た、この工作セットは隠さんとね。 かよちん「失礼します。例の友人を連れてきました」
希「おう、新入りの子やね」
希「あ……ちょい待たしといて」
ムフフ、早速ニセちゃんの出番。
ウチは一度金庫に詰めたそれをアタッシュケースに移し替えると、
入口からよく見える位置に配置する。
希「ええよ、入ってきてー」
「しっ失礼しますにゃ、失礼します!」 リン「今日からお世話になるホシゾラといいます!」
希「へー、かわいいねぇ。よく言われるでしょ?」
リン「はいっ……あいや、リ…私は全然そんなことないんでございます」
くふふっ、初々しいなぁもう。にやけないようにするの大変やん。
希「お腹減ってる? そっか、じゃあ今からみんなでご飯食べに行くからその時話そうな」
リン「はい!失礼しました!」
希「きししし…今見てたよねぇ」
にこ「見てたニコね〜」
とここで再びノック音。 かよちん「失礼します。アヤさん、いらっしゃいました」
希「お♪ 通して通して」
待ってました、本日のメインディッシュ。
内田アヤちゃん。通称うっちー。
ひらたく言えばウチの愛人。ウチのうっちーなんつって。
そうだ、丁度いい。
うっちーにもこの札束を拝ませとこ。
モテる人は女も男もこういうちょっとした努力を欠かさないのだ。
にこ「じゃあにこはこれで」
希「うん、ありがとねー」
そうしてにこっちと入れ違いにうっちーが入ってくる。 うっちー「事務所来るの初めてだから、なんか緊張しちゃう」
希「うっちー、今日は何が食べたい?」
うっちー「私、中華がいいな。にんにく抜きで」
部屋にいる間中ずっと、うっちーの視線はニセちゃんへ釘付けだった。 【3月15日(金) 17:20 東條組事務所前】
うっちー「ごめんなさい」
うっちー「私、ちょっとお花を積みに行きたいかなぁって」
うっちー「お化粧も直したいから。先行っててもらってもいい?」
希「ほいほい。すぐそこのお店だから」
希「キミ、待っててあげて」
リン「は、はい!頑張ります!」
希「よーしじゃあ他のみんなは行こっか」
この時もうちょい注意しとけば良かったんだけどなぁ。
まさかこの後あんなことになるなんて……。 【3月15日(金) 18:00 東條組事務所】
かよちん「消えた? その時リンちゃんは何やってたの?」
リン「タバコ、買ってきてって頼まれて……」
リン「戻ってきた時にはもう……」
ウチはすぐ勘付いた。
これは只のバックレじゃない。
そもそも事務所に来る必要ないやん。
あ、まさか………。 嫌な予感は大当たり。
金庫のカネは残らず消えていた。残らず偽物のカネが。
マズいな……あれが手作り工作の“ニセんまえん”ってことが外部に漏れた日には
ウチのメンツは丸潰れ。とてもこの商売続けていけない。
とにかくこのことはウチ一人で解決せんと……。
リン「申し訳ありませんッッッ」
振り返ると土下座。選手権あったら世界記録狙えるスピードで。バカ、そんな大声出したら、
かよちん「どうしたのリンちゃ……あっ」
あかん。 リン「すみませんでしたぁ!今すぐ腹ァ掻っ捌いて仁義果たします!」
かよちん「ううっ、立派な心意気だよリンちゃん……介錯は任せて?」
こいつらやべぇ。
今時そんなもん、一銭にもならんのに。
このかよちゃんは小学生の頃からヤクザに憧れてて、
将来の夢はヤクザになることと作文に書いた真正のヤクザキチだ。
自宅には昭和ヤクザ映画のDVDフルセットがそれぞれ三枚ずつあるらしい。アホかいな。
とにかく組長室で流血ショーが起きるのを止めさせると、「捜してこい」と一言で人払い。
希「ひとまず電話してみるか……」
プルルルルルル、ブー、ブー。
すぐ脇からバイブ音。あのアマ携帯まで置いてったんかい。
ウチは大きなため息を吐いた。 【3月15日(金) 20:40 東條組組長室】
「無理ね、この人数じゃ見つかるものも見つからない。応援頼んだ方がよくない?」
希「アホ。ウチに恥かけっての?」
希「内輪で何とかするの。あんまり騒いだらあかんよ?」
希「ああそれと。捕まえたらまっすぐウチの元へ連れてくること」
希「キミたち余計なこと聞くんじゃないよ、いいね?」
報告に来た組員に念を押して帰すと、目を閉じた。
さてと、そろそろウチも動かんと。
そういえばさっきの子、さり気に結構失礼な口の利き方してたなぁ。
あの赤毛、名前なんて言ったっけ……。 「誰よアナタ」
扉の向こうから声が漏れ聞こえてる。
さっきの生意気な組員と誰かが押し問答しているみたい。
怖いなぁ、誰か忍びこんできたとか? つくづく物騒な世の中やん。
引き出しから取り出したチャカをズボンにねじ込みつつ、
ぼんやりとそんなことを考えてた矢先――
「あ、待ちなさい!」
何やら廊下が俄かに騒がしい。
やれやれ、これ以上トラブルは勘弁してよ……。 希「どうしたん」
リン「あ、なんかバイク便の人が、これ置いてったみたいで」
リン「これ、組長の鞄ですよね?」
希「………あぁ!」
嘘でしょ?こんなすぐ返ってくるって。
でも中身確認しないと……。
希「ほら、リンちゃんも追っかけて!」
体よく人払いを済ますと組長室へ引き返す。
やっぱウチってもってるわぁ。
お帰りニセちゃん! ケースの内から現れたのは、色とりどりのブラにパンティ詰め合わせ。
くんくん……これ、うっちーのだ。
もしかしてカネがニセってことに気付いて、その意趣返しか?
これはいよいよアカンことに……。
希「ん? 何だろこの名刺……KKE探偵事務所?」
と、ここで問題児かよちゃんから着信。 希「おう、鞄持ってきたやつ捕まえた?」
『……すみません、見失っちゃいました』
希「そっ。あのな、カネ戻ってきたから。あんまり大騒ぎしちゃダメよ?」
希「ウチも心当たりあたってみるから。他のみんなにも静かに動くよう言っといて。よろぴくー」
希「………ふぃー、さてさて」
希「―――あ、にこっち? 遅くにゴメンね」
希「急なんだけど、これから言う住所に鍵開け出張頼みたくて」
希「うん、KKE探偵事務所って言うんやけど…」 【3月15日(金) 21:55 KKE探偵事務所】
希「お邪魔しま〜す」
二万と五千円で解錠してもらった事務所に足を踏み入れた途端、携帯のバイブ。
今度はどちら様……公衆電話? おいおいまさか
『……もしもし? 私、アヤだよ』
希「おお……随分と舐めたマネしてくれたね?」
『名刺見てくれた?』
希「……うん、まあ」
『その探偵さんがお金持ってるの』
『今ウエストツリーってレストランにいるから、捕まえて?』
希「……どういうこと? うっちーがお金持って逃げたんよね?」
『その人に脅されてたの…!お金は全部その人が持ってるから、早く捕まえちゃって』
はあ……これだから女ってやつは。まあウチもだけど。 希「……うっちー、あのお金に手ぇつけた?」
『つけてないよ!私はただ、あの人にお金を渡しただけ』
希「――そっか。じゃあ早く帰ってきなよ、許してあげるから。今どこ」
希「………切られたか」
けど、ツキはまだウチを見放してないみたい。
あの言い草だと、恐らくうっちーはニセちゃんの正体に気付いてない。
あと問題なのは鞄を届けに来た方がどこまで知ってるかだけど……。
希「もしもしかよちゃん? 例のバイク便の居所分かったから伝えるわ。場所は――」 希「――うんうん、すぐ行って捕まえてきて。静かにね?」
希「それでな、捕まえたら何も喋らせないで。ウチが直接聞くから」
希「それまで大人しくさせといて。いい? 一言もだよ?」
希「うるさくされたら敵わんでしょ。ほな、頼んだよ」
ふー、これで一息つけるな。
事務所のソファに腰を下ろすと、テーブルの上に出しっぱなしの分厚いファイルに目がいく。
なんやろこれ。
希「どれどれ、ちょっち拝見」
前から探偵さんのお仕事って興味あったしね。
うちでも一人くらい飼えたら色々と役立つんだろうなぁ。 希「南、ことり……職業、看護師…?」
何じゃこりゃ。
ファイルされていたのは、何枚ものうっちーの写真。
それぞれ微妙に髪型や化粧が違ってて、異なる制服に身を包んでる。
まるでコスプレ名鑑やん。
それと対になるように、様々な男女の写真と、その下に書き添えられた被害額。
そして最後のページには。
【内田アヤ 職業:歯科衛生士 被害者:東條希 被害額:現在進行中の案件につき未定】
希「ほー、はー、ふーん、そゆことか……」
希「あの女……いい度胸してるわ」
少し気に入ったかも♡
とりあえずこのファイルは借りてこーっと。 事務所を出て、愛車クラウンの助手席にファイルを放ったとこで、お馴染みの着信。
『今バイク便の女を捕まえて、事務所に向かってます』
希「そっ。そいつ、何か言ってる?」
『はい…何でもことりとかいう女の子に頼まれたとか騙されたとか、意味不明なこと言ってます』
希「………それクスリやってるわ、うん」
希「どうせヤク中の戯言だから、相手しないで黙らせとき」
希「それで……そいつ、何か持ってたりした?」
希「カネ、とか………」
『はい……100万円、ピン札で持ってました』
希「100ま……本物なの?」
『はい』
希「……そっかぁ……とにかく事務所で待ってて。ウチが行くまで何も喋らせないでね。絶対だよ?」 うーん、訳わからんね。
ニセの2000万が本物の100万に……。
素直にラッキーって喜んでいいのかなこれ。
とりあえず残された不安材料は、うっちー改めことりちゃんとニセちゃんの行方やん。
一刻も早く事務所に戻って、このファイルと探偵さんとにらめっこし合って探り当てなきゃね。
あの女のことだから、一筋縄じゃいかないだろうけど――。 【3月15日(金) 23:05 東條組事務所前】
思ったより道が混んでて遅くなっちゃった。
ちょいと乱暴に急停車すると、助手席から落ちそうになってるファイルを掴んで、車から――
希「ん、何か落ちた…?」
写真の束だった。
どこかのマンションの中を写したもので、真顔のことりちゃんと誰か知らない女が
エントランスや表札、部屋の前に並んでピースしている。
希「ほっ、懐かしいね。この髪型に化粧……」
ウチと出会った時のことりちゃんやね――って。
ひょっとしてこの女、ウチの一人前の元カノか?
表札には園田とあった。 希「園田……園田、園田……」
ダメだ、ファイルの中には見つからない。
希「この子からは幾らもとってないってこと…?」
それとももしや、ウチと同じで現在進行形のカモ――?
その時、常に第六感で生きてきたウチにはピンとくるものがあった。
……探ってみる価値はありそう。
エントランスの表札を写した写真を見ながら携帯を取り出し、
エンジンを吹かしてギアをバックに。
希「―――あ、もしもしにこっち? さっきの今で悪いね。実はもっかい鍵開けお願いしたくて…」 【3月16日(土) 00:25 海未のマンション】
希「なんもないな……ここ」
マンションということもあり、ちょっち時間はかかったけど部屋には侵入できた。
けどリビングにあの女の手掛かりになりそうなものは何もなく……。
というか一人暮らしにしても最低限ちょい下みたいな品揃え。春から新入生かおのれは。
希「さて次は…」
左手側の小部屋に入る。しかしこうも暗いと見えづらいね……あ、あの壁にかかった服!
くんくんくん……間違いない、あの女のだ。とするとここは彼女の――。 希「……これ、段ボールか?」
服の真下にあったそれを漁ると、出てきたのは色とりどりの下着……ビンゴ!
希「やっと会えたね、ニセちゃん」
下着の下から分厚いパックが全部で五つ。ちゃんと未開封で揃ってる。
ここに隠して後で回収しようって腹ならニセ金のことはバレてないみたい。よかったよかった。
けど一つ気になるのは、家主の園田はこのことを知ってるのか、それとも―――
ガチャ
「さ、どうぞ入ってください」
「はい…お邪魔します」
玄関の方から声がする。誰か帰ってきた――!
慌てて札束を段ボールに仕舞うと、ベッドの下の狭い空間に潜り込む。
あぶねー、靴手に持っててよかったぁ。あっと、携帯の電源も切っとかんと。
「色々すみません。迷惑かけることになっちゃって」
「いえ、このくらい。私は気にしてませんよ」
女二人。片方は家主の園田だろうけど、もう片方はことりちゃんじゃない。
友達かな? でも、仮に園田があの女とグルだったとして、カネを隠した当日に人を呼ぶかな――?
そうこう考えてるうちに部屋のドアが開いて、電気が点いた。 「この部屋を使ってください」
「着替えとかは……あ、持ってますか」
「ベッドもあります。私は向こうで寝ますので」
「お風呂入りますよね? 今沸かしてきます」
「ありがとうございます。何から何まで」
……友達にしては態度がよそよそしいなぁ。
まるで今日初めて会ったみたいな。
うわ、でっかいボストンバッグ。ひょっとして家出か?
あの園田って子はレズやろうから、連れ込みってやつ?
でもさっき向こうで寝るって……。
「いえいえ、どうせ空き部屋なんです」
「あ……例の、ことりさん、でしたっけ」
「一週間くらいしか使われてないんですよねぇこの部屋」 「今度、結婚するそうなんです。彼女」
「出ていく時、他に好きな人が出来たと言ってましたから。多分その方と」
「…ひどい」
ますます訳わからん。
今日出ていって、カネを置いてった? 一週間同棲して?
でもあの写真の化粧と髪型は……。
「私は…仕方ないかなと諦めてます」
「仕方ないですかね?」
「こういうのは、気持ちの問題ですから」
「別に、契約書とか書いてもらったわけでもないですし」
「今でも…その人のこと、好きですか?」
なんか安っぽい恋愛ドラマ始まっちゃったよおい。
「………はい。好きです」
はあー……身体中ムズムズして痒いわ……。 「……とにかく遠慮せずに使ってください。私はお風呂を沸かしてきます――え」
「……」
うはっ、何これ。ハグ? いや抱き締めてチッスかな?
「あ…」
ヒューヒュー、お熱いねぇお二人さん。あんなにつま先とつま先ぴとーっと合わせちゃって。
つか、ここからだとそれしか見えないけど。 「……っ、すみません」
「いえ……どういたしまして」
「お風呂…!そう、お風呂!入れてきますねっ」
くふふっ、初々しいなぁもう。笑いが漏れないようにするの大変やん。
とにかく家主の方は出ていった。
あとは女の子が風呂に行った後タイミングを見計らって……それまでここで待機か。
はーしんど。 ・
・
・
アカン、ちょっと寝てた。
いびきとかかいてないよね?
女の子は……まだいる。
床のボストンバッグから着替えを出してるのか。その隣には例の段ボールが……。
ん?おいおいおい待て待て待て。
確かにそういうこと、ウチもやっちゃうことあるけど…!
誰も見てないからって、人様の荷物を覗くのはダメよ!気になる気持ちは分かるけど!
ちょっとした好奇心なんよね? でもほら、好奇心は猫を殺すって。
誰も段ボールからヤクザのカネが出てくるなんて思うわけ……あーあ。
「………」
固まってる。そりゃそうか。 コンコン
「は、はい?」
「ちょっといいですか? 温泉の素があるんですけれど」
「『湯あたりミルキィ三森の湯』と『地獄オペラ鈴湖温泉』でしたら、どちらが…」
ピンポーン
「あ、ちょっとすみません」
今度は誰が来たの。そしてニセちゃんは見つかっちゃうし。
ホント、目まぐるしい夜やん。
「………」
おいおいこの女マジか。
カネを自分のボストンバッグに詰め始めたよ。
大人しそな感じのクセして決断早すぎない?
これだから女ってやつは……でもまあ、何も事情知らん子に持ってかれるならマシか。 女の子はカネを詰め終えたボストンバッグを抱えて部屋を後にした。
どうやら本気で出ていくみたい。
ウチとしてもその方が好都合。
ニセ金とは言え立派な窃盗。誰にも言えないし、ここに戻ってくるとかまずあり得ない。
「なんか、ごめんね?」
この声――ウッソ、こわっ。
「置いてったことりの荷物、取りに来たんだぁ」
どこまでラッキーが続くんだろ今夜は。流石のウチでもちょっとビビる。 「……私、行きます。お邪魔しました」
ストライク・ワン。
「荷物取ったらすぐに出ていってください」
「必要なものは全部。残りは捨てますので………さようならっ」
ストライク・ツー。
「ふふっ、ラッキー♪ 誰もいなくなっちゃった」
ガチャ バタン
ことり「さてと、お金お金」
希「おーい」
ことり「……!」 ことり「の……のぞみ、ちゃん…?」
うひゃー初めて見た。演技っ気のない素の表情。
そうそれ、その顔が見たかったんよ。かわいいなもぅ。
希「悲しいなぁ……ウチのこと好きだって、愛してるって言ってくれたのに」
チャカを握った手でサングラスをずり上げる。
ことり「こ、これはね…!違くて……えぇ……どうして、ここに……」
希「こう突然じゃ、いい嘘も思いつかないか……流石の“ことり”ちゃんも」
ことり「………」
バッターアウツ、ついでにスリーアウトで試合終了やん? 【3月16日(土) 01:10 クラウン車内】
希「やー、にしても大したもんよことりちゃんは。あの探偵さんに脅されたの?ふーん」
実際、大したものだと思う。
この状況でもそっぽを向いて、ふてぶてしくタバコに火を点けてる。
ウチはこの子を別の意味で気に入り始めていた。
希「探偵さんのせいにして、カネ盗って、それを元カノの家に隠して」
希「あ、あの園田って子は事情知らんかったんでしょ? いやぁ凄いわホント」
希「やっぱりウチの人を見る目は確かよ。自分の欲望に忠実な人間ってのは魅力的だもん」
希「さてと、これからウチらはビジネスパートナーやね」
あ、やっとこっち向いてくれた。 希「ことりちゃんみたいないいタレントには、いいマネージメントが必要でしょ?」
希「なんなら契約書、書こうか? くふふっ」
希「……そんでまあとりあえず、登録料1000万貰おうかな」
ほら、一晩でニセのお札が100万に、そして1000万に早変わり。ね、簡単でしょ?
「やりました! ついにやりました…!」
おっと、進行方向に公道センターで小躍りしてるおバカさん発見。
やったやったって何をやったんよ。
危ないねー、最近クスリやってる子多いんかな。怖い怖い。 希「1000万なんて安いもんだよ。ことりちゃんも、一人じゃ寂しいでしょ?」
ことり「………」
無言。信号待ちで止まったタクシーの横につけると、恨めしそうにそっちへ顔を向ける。
それに乗って高飛びしたかった? でもダーメ、今日からキミは籠の鳥。
大丈夫、金の卵を産む鶏を傷付けたりはせんよ。
ことりちゃんはこれまで通りやってくれればいいの。身の安全はこっちが保証するから。
悪いようにはしないよ。たっぷり稼がせてもらうけどね……。
希「寂しいもんよ……一人ぼっちって云うのは」
予感がするんよ。ウチらはきっといいパートナーになれる。
とまあそんなわけで……これからはもっとよろしくね? 【3月16日(土) 01:12 タクシー車内】
『――つまり、こういうのをデウス・エクス・マキナと呼ぶわけなんですけども』
『古代の演劇でね、人とか事件とかがこう縺れに縺れてどうしようもなくなっちゃったところで』
『突然天から神さまが降りてきて、超パワーで一石投じるだけで全部解決させちゃうんですよ』
『これ当時から批判されてまして。劇とはいえズルいだろと。登場人物たちだけで何とかさせろよと。理路整然とした解決法で』
『もちろん現実は神が現れて、空から剣を投げ込むなんてあり得ないわけですから。まあ、そこまでいかなくても…』
そうだよ、神さまは助けちゃくれない。
深夜のラジオが垂れ流す電波は益体のないものばかりだけど、これには同意。
一人で生きていかなきゃ、知らないこの星で。
このお金があれば、知らない土地でやり直すことが出来る。
一人で、生きていける。
「中々いい人間みたいじゃない。さっきの子」
突然、赤毛の運転手に話しかけられた。
いい人……園田さん。
多分、そうだと思う。
「ああいう不器用で真っ直ぐな人、いいんじゃない? 誠実そうで」
でも、そんなの分からない。
女心は移ろいやすく微妙なもの。
あの人だって例外じゃない。
ついさっきだって、そうだったじゃないか。
「一緒にいたら、支えになってくれるんじゃないの」
もうこれ以上、考えたくない。
このお金が、あの人と繋がらないようにしたいから。
私は、ズルい女になるって決めたから。
「………余計なお世話みたいね」
…………ホントにね。 ・
・
・
「駅に着いたわよ」
運賃は、深夜割り増しで3300円。これで残金は200円ぽっち。
いや、私にはこのお金があるんだ。たくさんのお金が。
何だって買えるし、どこにでも行ける。
そうだ、始発まで駅前のビジネスホテルで休もう。
電車に乗ったらどこへ行こうかな。
お姉ちゃんの所は……却下。
知らない場所に行くんだ。
国内でも国外でも、誰も私を知らない場所へ。
私は、一人で生きていくんだ。
さて、どこへ行こう……。 【3月16日(土) 07:50 海未のマンション】
『お掛けになった電話番号は、現在使われておりません……』
海未「あれ…?」
海未「………もう一度」
『お掛けになった電話番号は、現在使われて……』
絵里「あーデタラメだったのね」
海未「絵里、はしたないですよ。食べながら喋るなんて」
『お掛けになった電話番号は……』
海未「………おかしいですね。書き間違えたんでしょうか」
絵里「そんなわけないでしょ。嘘の番号なのよ、それ」 海未「嘘って……そんなことしないでしょう」
絵里「よくあることよ」
絵里「みんな平気でそういうことするの。一つ勉強になったでしょ?」
海未「………よく見るとこれ、6じゃなくて8ですね」
絵里「往生際が悪いわね……電話番号聞けただけ良かったじゃない。次行きましょ次」
海未「…………書き間違えたんですね、きっと」
絵里「あのねぇ…」
海未「その捻くれた見方はやめてもらえますか」
海未「彼女は、そういうことをする人じゃありません。私には分かるんです」 絵里「はぁ………海未あなた」
絵里「…………いえ、やっぱり何でもない」
一人だけ違う星に住んでないで早く地球に住みなさいよって言葉をぐっと飲みこむ。
目の前では相変わらず「ええ、絶対8ですよこれ……」と呟きながら、ダイヤルを繰り返す彼女がいる。
昨晩いろいろあり過ぎて忘れかけてたけど、これが海未だったんだわ。
友人の私に出来るのは、その側にそっと寄り添ってあげることくらい。
というわけで私は、彼女お手製の炒飯と餃子を頬張りつつ、その光景を微笑ましく見守ることにした。
いつの日か遠くの星からの電波が繋がることを、エリチカは祈ってるわ。
『お掛けになった電話番号は、現在使われておりません。恐れ入りますが、番号をお確かめのうえ……』
C A S T <声の出演>
園田 海未…三森 すずこ
高坂 雪穂…東山 奈央
絢瀬 絵里…南條 愛乃
・
・
・
ピンポーン
ピンポーン ピンポーン 絵里「誰か来たみたいよ?」
海未「ん………ああ、そういえば部屋を貸す約束をしていたんでした」
海未「きっと、高坂さんだと思います……」 ――
――――
や〜今日もパンが美味いっ。
ナース、じゃなくて看護師さんとのデートが楽しみ過ぎて、久々に早起きしちゃったよ。
まだ若干暗いし、この時間帯って寒いねぇ……ぶるぶる。
こんな中を歩きたくないなぁ―――おっ、丁度あんな所に停まってるタクシー発見!
コンコンコンコーン! おーい運転手さん、起きて起きてー!
マンションラブアローまで乗せてほしいんですけどー!
「んあ? なによ………私、昨日一晩中走り回って眠たいんですけど……放っといて……」 ・
・
・
歩いていた。ひたすらに。
熱い。さっき飲んだジュースが、そのまま汗となって流れ出てくる。
ジュース買っちゃったから、残金は80円ぽっち。
結局、朝まで駅前のベンチに座って過ごしてしまった。
始発の電車も、その次の電車も、見送った。
あのお金は、今も手付かずのままこのバッグの中で、私の体力を奪い続けてる。 あの人に、もう一度会わなくちゃいけない気がした。
どうしてだろ?
そもそも、辿り着けるのかな。
ここら辺は、昨日一回タクシーで通っただけで、
でも、一度通ったことのある、知っている道だ。
ここは地球で、知らない星なんかじゃない。
そして、みんなが一人ぼっち。
一人ぼっち同士が、知らないどこかで繋がってる。
だから。
私は、もう一度会わなくちゃいけないんだ。
私の、運命じゃない人に。 未完とか誤爆とか色々やらかしてすみませんでした…
以下予告編 ・
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・
ツバサ(その日、矢澤さん家からの帰り道で、私たちは車にはねられるセイウチを目撃した)
善子(その日、不運続きの私たちは、とあるヤクザとラッキー探偵の後を尾けてて)
千歌(その日、もう後がない千歌たちは、死にもの狂いでアルパカを追っかけながら特上プリンの配達中で)
その時だったんだ。
この街の運命という運命が一斉に玉突き事故を起こしたのは――
ことり(みんなごめんね? こうなったのも全部、ことりがあのことを絵里ちゃんに喋っちゃったから)
歩夢(いえ、本当はもっと前から始まっていたのかも。バカ騒ぎのピタゴラドミノはとっくに倒れ出した後で)
せつ菜(ちょっと待ってください皆さん、これでは全然説明になってませんよ? 物事には一応順序ってものがあるんですから)
せつ菜(まあ、私自身なんと言えばいいのか困惑してるところはありますけど。四日前、ベルギーで起きた宝石強盗と、東京・虹ヶ咲近辺で盗まれたレズビデオ)
せつ菜(ざっと一万キロ離れた二件のタタキが竜巻となってこの街を巻き込み、やがて全てが収束する瞬間――あの刹那には、なんて名前をつけましょうか?) ベルギーで強奪されたダイヤモンドと、輸送中のレアDVDが音ノ木坂で消えた。
残された手がかりは飲み屋とノミ屋。
ダイヤを追う貴石姉妹と迷探偵、横取りを目論むロシア武器商に厨二質屋
そこに賭けボクシングの選手団とその元締め、ギャンブルで一山当てたいバーテンや放火魔
メイド刑事にぶりっ子ペテン師一家も加わって、バカ騒ぎのピタゴラドミノは倒れ出した。
全ての鍵を握るのは、気まぐれな二匹の動物たち……だったりしないのかも。
犯罪群像トラフィックジャム――「ラッシュライブ」 鋭意製作中 つらつらやっとったようだが、もうまとめられないし、人目につくことなく落ちるのか 原作知らないけどこれで終わりなのかな?
おもしろかったし続きあるなら読みたいわね
なんにしてもおつ! 映画パロだったのか、良くできたストーリーで面白かった乙 お金の動きが気になって引き込まれた
遍在するまきちゃんも元ネタ通りなのかな? >>200
原作の「中々いい人間みたいじゃない」って台詞に引っかかりを覚えたのと
モブ役に都合が良かったのと少し世奇妙感出るかなって
ラストも多少弄ってるので是非映画の方も観てもらえると嬉しいです ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています