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浦の星女学院
今日から私が通う新しい学校
この学校は来年度からの新入生募集を止めるーーつまり廃校が決まっている
皮肉なことに過去のない私は未来のない学校に通うのだ

「桜内さん、どうぞ入って」

梨子「はい」

担任に促され古びたドアをくぐり、教室の広さに若干不釣り合いな少ない人数と対峙する

梨子「東京の音ノ木坂学院から来ました。桜内梨子です、これから2年間よろしくお願いします」

何度も練習したお陰か通った記憶のない学校名といまだに慣れない名前をスラスラと言えた