黒澤ダイヤの事情
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ACT1★黒澤ダイヤの事情
私は人の目にどう映るのだろうか
女生徒A「黒澤さんノートありがとう。助かっちゃった、すごいキレイなノートだったよ。
さっすが黒澤さん♡」
ダイヤ「いいえ……これくらい。カゼはもう大丈夫ですの?」
女生徒A「うん、もうすっかり」 \ スゴ-イ / \ スゴ-イ /
久しぶりね……この賞賛の響き
ああっきもちいい…………
小原鞠莉に勝ったーーーっ!
黒澤ダイヤ、再び天下を取ったり! 鞠莉「あら、ダイヤ」
くくく、どーだ小原鞠莉
もうあんたの天下は終わったのよ
鞠莉「コングラッチュレーションズ! すごいわねダイヤ!」
……え? まってよ
なにそのリアクションは
こんなの予想してなかった
わたしは……小原鞠莉を抜きさえすれば奴に勝てるのかと……
なんだろう……勝ったのに嬉しくないわ
っていうよりは
考えればわかったのに成績や見栄にこだわってたのはわたし一人で
小原鞠莉はもとからそんなものに構ってはいなかった
勝とうなんて下心がなくても人に認められてた
だから……
あの人は……ホンモノなんだ…… 鞠莉「?……ダイヤどうしたの?」
恥ずかしい
その「ホンモノ」とあまりに違う自分が
こういうわたしがさも良い人げに振舞ってみんなを騙してきたっていうのは
「 偽 善 」
っていうんじゃないの? 幼少期……
妹のルビィもいたから下の子の世話を焼くのは慣れていた
それで、人よりも少しは頭の中成長も早かったから
『えらいねぇ』
『ほんとにしっかりして』 【訂正】
幼少期……
妹のルビィもいたから下の子の世話を焼くのは慣れていた
それで、人よりも少しは頭の成長も早かったから
『えらいねぇ』
『ほんとにしっかりして』 あれは甘い響きだった
まわりの大人たちがわたしを褒める声
もっと聞きたい
さかあがりができるようになればもっとびっくりさせられるかなぁ
ピアノをうまくひけたら
かんじをかけるようになれば
生徒会長になれば
模試で一番をとれば…… よく考えると
わたしってなんてウケねらいな女なの……
もし、わたしが本当の自分≠のびのびと育てていたら
今頃、スクールアイドルの頂点としてラブライブで優勝していたかもしれない!
(でも今更じゃ私のイメージが!!!)
自分を実際以上にみせかけたって疲れただけで
自分と違う生き物になろうとするなんてバカなのだ −−−翌日の朝
なんか憂鬱……
今日は小原鞠莉と余計に顔を合わせたくない……
ホームルームまで音楽室でピアノでも弾いてようかな 千歌「すごーい。梨子ちゃんとっても素敵な曲だね!」
梨子「ありがとう。これであとはメンバーが集まれば良いんだけど……」
曜「なかなか誰も入ってくれないねぇ」
千歌「あぁもう! せっかく頑張って中間テストも赤点回避したのにっ! このままじゃラブラ
イブの予選に間に合わないよぅ……」
あれはこの間の二年生たち
なるほど、確かに作曲に関しては問題はないようね
でもまだ部員が集まってないのか ダイヤ「失礼しますわ」
千歌「あ、生徒会長!」
ダイヤ「いい曲ですわね」
梨子「あ、ありがとうございます」
ダイヤ「部員の方はまだ集まらないのですね……」
曜「はい、それがなかなか……新入生にも声をかけてみたりしたんですけど……」
千歌「あ! 一年生にすっごく可愛い子がいたんですよ! それで、スカウトしようと思ったん
ですけど……」
梨子「その子凄い人見知りらしくて……威嚇されちゃって……」
曜「すごかったよね! カーーーッ!≠チて、まるで怒った野良猫みたいな迫力で!」
それってまさか…… 千歌「そのお友達も可愛かったし。あ〜あ、あの子達が入ってくれたら人気爆発間違いなしなの
にな〜」
ダイヤ「そ、そうですか……。ところで歌詞の方は完成していますの?」
千歌「はい、一応は」
ダイヤ「衣装の準備は?」
曜「それも、私たち3人ぶんはだいたい……」
ダイヤ「ふむ……」 千歌「生徒会長?」
ダイヤ「ではこうしたらどうでしょう? まず貴女達3人でライブをするのです。場所は我が校
の体育館を。そのライブでもっと周知して貰えれば入部希望者も集まるかもしれませんわ」
千歌「え!? でも、まだ部活になってないのに良いんですか?」
ダイヤ「もちろん、正式な部活ではないので部費などを出すわけには参りませんが……きちんと
申請さえすれば我が校の生徒が我が校の施設を利用してなにかをやるのは問題ありませんわ」
確かあのμ'sも最初はそのようにしてライブをしていたそうですしね 【訂正】
千歌「生徒会長?」
ダイヤ「ではこうしたらどうでしょう? まず貴女達3人でライブをするのです。場所は我が校
の体育館を。そのライブでもっと周知して貰えれば入部希望者も集まるかもしれませんわ」
千歌「え!? でも、まだ部活になってないのに良いんですか?」
ダイヤ「もちろん、正式な部活ではないので部費などを出すわけには参りませんが……きちんと
申請さえすれば我が校の生徒が我が校の施設を利用してなにかをやるのは問題ありませんわ」
確かあのμ'sも最初はそのようにしてライブをしていたそうだしね 曜「そうなんだ! どうする? 千歌ちゃん!」
千歌「やった! やります! やらせて下さい! 生徒会長、体育館の使用にはどんな手続きをす
ればいいか教えてくれますか?」
ダイヤ「もちろん構いませんわ。ただし……このライブ出来しだいではむしろ入部希望者が遠ざ
かるかもしれないと言うことをしっかりと肝に命じておいて下さいね」
千歌「は、はい! ガンバリますっ!……生徒会長って色々アドバイスくれて……
とっても優しいんですね! ありがとうございます!」
う……眩しい……
笑顔が眩し過ぎる……
そんなキラキラした目でみないで……
わたしはそんなキラキラした目でみる様なものじゃないただの俗物なのよ…… 放課後
鞠莉「ヘイ、ダイヤ」
ダイヤ「あら、鞠莉さん。今からお帰りですか?」
鞠莉「ええ。ダイヤはこれから生徒会?」
ダイヤ「はい。ではお気をつけてお帰り下さい。失礼しま
鞠莉「ストップ! ちょっと待ってダイヤ」
ダイヤ「はぁ……なにか?」
鞠莉「噂で聞いたんだけど……二年生たちがスクールアイドル部を作ろうとしてるみたいね?」
ダイヤ「そうですね」
鞠莉「ダイヤもそのスクールアイドル部に入部するの?」
ダイヤ「へ?……いやいや、私はそんなものに入部したりしませんわ。一体なにを言って……」
鞠莉「そうなの? 私はてっきりダイヤも入るものだって思ってたのに」
ダイヤ「そんなはずないでしょう……」
鞠莉「でもダイヤ、スクールアイドルがベリーベリー大好きでしょう?」
ダイヤ「そんなこと……」
鞠莉「そうなの? でも……」
鞠莉はその唇をそっとダイヤの耳元へ近づける
鞠莉「弁天島であんなに楽しそうに踊ってたじゃない」ボソッ
ダイヤ「!!!??!???!?」
ACT1★黒澤ダイヤの事情/おわり PRE-VIEW
ふりりん、すわわ「これからのあらすじ!」
ふりりん「小原鞠莉の意味深な発言に動揺するお姉ちゃん!」
すわわ「しかし、そんな事ととはつゆ知らずに千歌たちはダイヤにスクールアイドル部の相談に
やってくる!」
ふりりん、すわわ「ダイヤのアドバイスによりライブをする事になった千歌達だかライブ中に思
わぬアクシデントが!」
ふりりん、すわわ「どうする、ちかようりこ! どうなる黒澤ダイヤ!?」
ふりりん、すわわ「次回ダイじじょ! 【】」
ファーストステップ
ふりりん、すわわ「ウオォーーーッス!!!」 【訂正】
PRE-VIEW
ふりりん、すわわ「これからのあらすじ!」
ふりりん「小原鞠莉の意味深な発言に動揺するお姉ちゃん!」
すわわ「しかし、そんな事ととはつゆ知らずに千歌たちはダイヤにスクールアイドル部の相談に
やってくる!」
ふりりん、すわわ「ダイヤのアドバイスによりライブをする事になった千歌達だかライブ中に思
わぬアクシデントが!」
ふりりん、すわわ「どうする、ちかようりこ! どうなる黒澤ダイヤ!?」
ふりりん、すわわ「次回ダイじじょ! 【ファーストステップ】」
ふりりん、すわわ「ウオォーーーッス!!!」 つーわけで第2話は近いうちに
このスレが残ってたらそのまま使うし落ちてたら立てる 面白いな
このダイヤさんもっと見てみたいから続きも期待してる あー次回予告そんなんだったな
懐かしい
そして面白い 予告再現まで完璧だった
ちゃんとラブライブ要素を上手く絡めてて続き楽しみ PLAY BACK 【BGM 正太郎マーチ】
ルビィ、果南「これまでのあらすじ!」
ルビィ「小原鞠莉。成績優秀、スポーツ万能。美貌と抜群のプロポーションを兼ね備え、おまけに
明るく社交的で人当たりの良い性格。加えてお家は世界的に有名なホテルグループという
超バリバリのサラブレッド!」
果南「黒澤ダイヤ。眉目秀麗、才色兼備。中流家庭に育つ一般庶民だが、彼女もまた鞠莉に劣らぬ知性と品格持ち主……」
ルビィ「この群衆を虜にしてしまう二人は、高校で出会った」
果南「だがしかし!」
『弁天島であんなに楽しそうに踊っていたのに?』
ルビィ「謎多き転校生、小原鞠莉からの突然の耳打ちに酷く同様するお姉ちゃん!」
果南「いったい、弁天島で踊っていたとは何のことなのか!? 鞠莉は何を知っているのか!?
さあ、どうする黒澤ダイヤ!」
ルビィ、果南「そしてどうなる!? 小原鞠莉!!」 ACT★2 ファーストステップ
生徒会室
ダイヤ「ああああぁぁぁぁああああぁぁどうしよおぉぉぉぉおおおぉぉぉぉ……」
果南「まーだ悩んでたの?」
ダイヤ「だってえぇぇぇ。今まで誰にもバレない様にやってきてたハズなのにいぃぃ。いったい
なんで……なんでアイツがそんなの知ってるの!?」
果南「たしかにねぇ。ダイヤがあそこで踊るのって私と一緒の時だけでしょ?」
ダイヤ「そうよ……っていうかいつ? いつバレたの!? たしか最後にあそこで踊ったのは……」
果南「ダイヤとあそこに行くのはいつも早朝だし、あんな時間に今まで誰も来なかったのにねぇ」 ダイヤ「はっ……まさか探偵!? 小原鞠莉がライバルであるわたしを蹴落とす為の弱みを握ろう
と探偵でも雇ってわたしの素行調査をしていたの!?」
果南「いやいや、そんなことするワケないでしょ」
ダイヤ「なんでよっ!? わたしならするわよ!? お金さえあれば!」
果南「えぇ……」
ダイヤ「そうよ……きっとそうだわ……金持ちパワーを振りかざして……あっ!!」
果南「ど、どうしたの!?」
ダイヤ「果南、机の下見て! もしかしたら盗聴器が仕掛けられてるかも!」
果南「そんなものないよ……あ、ダイヤしっ!」
ダイヤ「な、なに!? 盗聴器見つけた!?」
果南「違う。誰か来るみたい」 コンコン
ダイヤ「どうぞ」
千歌、曜、梨子「失礼しまーす」
ダイヤ「あらみなさん。ごきげんよう。いったいどうなさいました?」←優等生モード
千歌「こんにちは生徒会長。あ、果南ちゃんも来てたんだ」
果南「やっほーみんな」
千歌「あの、実はライブの告知ポスターを作ってみたんですけど……生徒会長にも確認してもら
いたくて」 ダイヤ「ポスターですか……」
果南「どれどれ……へぇ〜、かわいいじゃん」
ダイヤ「ふむふむ……アラ?」
千歌「えっ!? なにか問題がありました!?」
ダイヤ「いえ、ステージや日時のなどは大丈夫なのですけど……グループ名の記載はどこですの?」
千歌「グループ……」
曜「名……」
梨子「あっ!」
ダイヤ「まさか……まだグループ名を決めておりませんの?」
千歌「えへへ……だってぇ……ねぇ」
曜「準備や練習に忙しくてそこまでは頭が回らなくて……」 ダイヤ「はぁ……まったく。まあ、大会に出場する訳でもありませんし別にグループ名なしでも
いいことはいいですけれど」
千歌「いや、ダメですっ! せっかくなんでグループ名つけます! え〜と……ねぇ、曜ちゃん!
なんかいいのない!?」
曜「え、私!? そんな急に言われても……スクールアイドルやろうって言い出しっぺは千歌ちゃん
なんだから千歌ちゃんが考えてよぅ!」
千歌「えぇ〜〜! う〜ん、そうだなぁ……浦の星スクールガールズ……とか?」
曜「ないね」
梨子「ないわね」
千歌「だって、だってえぇぇぇ」
曜「梨子ちゃんは? なにかない?」
梨子「えっ!? 私!? うーん……スリーマーメイド……とか?」
千歌「ないわ」
曜「ないね」
梨子「えぇ〜〜っ!?」
曜「仕方ない……やっぱりここは私が……ズバリ! 制服少女隊=v
千歌、梨子「一番ないわ」
曜「えぇ〜〜っ!?」
千歌「あぁ〜ん、どうしよ〜〜っ!」
ダイヤ「お静かにっ!」ドンッ
千歌、曜、梨子「ひぃっ!?」ビクッ ダイヤ「コホン。グループ名というものはこれから貴女達がずっと共にしていく大切なものです。
焦って適当につけたりしてはきっと後悔することになりますわよ?」
千歌「はい……でもぉ」
ダイヤ「幸い、まだライブの日までは日にちがあります。もう少しゆっくり考えてみてはいかが
ですか?」
曜「でも、それだと告知ポスターを貼る時間が……」
ダイヤ「そうですわね……そういえば、かのμ'sはグループ名を他の生徒から公募してつけたそう
ですわよ」
曜「公募って……他の生徒から募集するってこと?」
千歌「それいい! 私達もみんなから募集しよう!」
梨子「いいのかなそれで……」
千歌「うーん……じゃあ、2日間! 今から2日間公募して、私たちも考える!
それで2日間でいいのが浮かばなかったら公募した中から選ぼう!」
曜「それでなんにも考えつかなくて公募の方もなんにもなかったら?」
千歌「そのときはそのとき考える!」
梨子「あはは……」
曜「まあ……千歌ちゃんらしいや」 ダイヤ「決まった様ですね。では、公募用にはこちらをお使いなさい。生徒会で生徒に意見など
を募集するときに使う箱ですが、アレンジすれば使えるでしょう」
千歌「わぁ! ありがとうございます」
ダイヤ「それと、グループ名が決まってポスターが出来たらこちらに持っていらっしゃい。
生徒会のメンバーで校内に貼り出しておいてあげます」
千歌「えぇ!……そんなことまで……いいんですか?」
ダイヤ「練習時間も少しでも欲しいでしょうしね……今回だけは特別に」
千歌「生徒会長……」
ダイヤ「そのかわり……我が浦の星女学院の名を汚すことのない様、しっかりとしたステージに
してもらわなければ困りますわよ?」
千歌「ハイっ! 私達、精一杯がんばりますっ!!!」 ーーー
果南「ふふふ、ダイヤったらずいぶんと優しいね」
ダイヤ「べ、別にそんなこと……生徒会長として仕事しただけだわ」
果南「仕事ねぇ……」ニヤニヤ
ダイヤ「……なによその顔は」
果南「べっつにー」
ダイヤ「はぁ……そんな事よりアイツのことよ……。いったいどうしたら……」
果南「別に気にしなくても良いんじゃない? なんにも言ってこないんだし」
ダイヤ「ダメよっ! きっとアイツは心の底でほくそ笑んでいるんだわ……秘密をバラされる恐怖で
わたしが怯える様を見ながら……。くうぅ、こうなったら逆にアイツの弱みを握ってなんとか口止めを
せねば……」
果南「弱みって……そんなもんないって。ダイヤじゃあるまいし……」 2日後
曜「千歌ちゃ〜ん、なにかいいグループ名浮かんだ?」
千歌「全然ダメ〜。曜ちゃんは?」
曜「私も全然」
梨子「どうするの? ポスターの期限は今日まででしょう?」
千歌「う〜ん、やっぱりここは募集箱に頼るしか!」
曜「それしかないか〜」
梨子「ちゃんと集まっててくれたらいいけど……」 曜「千歌ちゃん、はやくはやく」
千歌「そんな急かさないでよ〜。じゃあ開けるよ」
梨子「ゴクリっ……」
パカッ
曜「どう? どうなの千歌ちゃん!?」
千歌「あった。一枚あったよ〜!!!」
曜「一枚だけかぁ〜」
梨子「それで、なんて書いてあるの?」
千歌「えっとね〜、えーきゅーおーゆー……」
曜「あ、読みがな書いてある……アクア?」
梨子「Aqours……アクアかぁ。たしか水、って意味よね?」 千歌「これいい! これにしよう!」
曜「本当にそれでいいの? 千歌ちゃん」
千歌「うん! 私はこれが気に入ったよ!」
梨子「まあ、他に案もないしね」
千歌「よーし、私たちはこれから浦の星女学院スクールアイドルAqours≠セー!!!」 ーーー
果南「ダイヤ。それ例のポスター?」
ダイヤ「果南さん。ええ、完成したものを渡されたので今、学校中の掲示板に貼っているのです」
果南「へぇ〜。Aqours≠ゥぁ」
ダイヤ「な、なんですの?」
果南「ふふ、別に。ダイヤ一人で貼ってるの? 他の生徒会の人は?」
ダイヤ「他の方は別の仕事がありますし……これは私が勝手に言い出した事ですから……」
ダイヤ(なにか作業をしていた方がアイツの事を考えなくてよくて気も紛れるしね……) 果南「ふーん、そっかぁ。ふふふ。えいっ」ハグッ
ダイヤ「ちょっと、果南さん! 何ですかいきなり!」
果南「えへへ、別にー。ねぇ、ダイヤ。それ半分わたしにも貸して」
ダイヤ「え?」
果南「私も貼るの手伝うよ。私だって千歌達の事を応援したいしね」
ダイヤ「はぁ……ではお願いしますわ」
果南「うん♪」 夜、黒澤家
母「ダイヤちゃん、最近また帰りが遅いわねぇ」
ダイヤ「うん……色々と学校でやる事があってね」
父「まさか、男が出来たんじゃないだろうな!? いかんぞ! ダイヤにはまだ早い!」
ダイヤ「うちは女子校だっつーの!」
父「いやいや、そんなの関係あるものか……。浦の星と言ったらこの辺じゃ昔からちょっとは名
の知れた名門女子学校。お父さん達が若い頃だってそりぁあもう……くうぅぅぅ」
母「はいはいお父さん……ちょーっと静かにしてましょうねぇ……」
父「は、はい……」 ルビィ「お姉ちゃん、学校でやるスクールアイドルのライブの準備とかしてるんだよね!」
父「なにっ!? お姉ちゃんがスクールアイドルになってライブをするのか!?
お母さん! これは是非見に行かねば!」
ダイヤ「わたしは出ないわよっ! 二年生の子達がスクールアイドルやりたいって相談してきた
から……その舞台の準備とかしてるだけ」
母「なーんだ。ダイヤちゃん昔からアイドル好きだったし、ダイヤちゃんもやったらいいのに」
ダイヤ「わたしは別に……。ルビィ、あんたはスクールアイドルやる気ないの? まだ部員募集
してたわよ」
ルビィ「わ、わたしっ!? ルビィは……実は先輩達に誘いの声かけて貰ったんだけど……
緊張して上手くおはなしできなくって……」
……やっぱりあの子達が言ってたのはルビィの事だったのね……
ルビィ「それにルビィ、人前だと緊張しちゃうから……お客さんの前でライブとか無理だよぉ……。
お姉ちゃんは入らないの?」
ダイヤ「わたしは生徒会があるし……だいたい今年受験生なのよ?」
ルビィ「そっかぁ……」
ダイヤ「…………」 ーーー
深夜、ダイヤ達の寝室
ダイヤ「スクールアイドル……かぁ」
そんなの今更なったって……
そんな事より、今はちゃんと勉強して
良い大学入って、自分の頭脳を活かせる……弁護士や官僚……
とにかく、せっかくここまで努力してきたんだもの
いずれにせよエリートコースに乗って人生の花道
表街道を人々の賞賛を浴びつつ爆進していくのよ
そうよ、迷いなんてない
ほかにどんな素晴らしい人生があるというの?
ダイヤ「…………」 ライブ当日
千歌「外……すごい雨だね」
曜「雷も鳴ってる……」
梨子「みんな……こんな天気の中、学校まで来てくれるかな……」
千歌「大丈夫だよっ! 呼びかけだっていっぱいしたし、校内放送で宣伝だってしたんだから!
それにポスターもいっぱい! だからきっと……」
曜「千歌ちゃん……」
ダイヤ「失礼しますね」
千歌「生徒会長!」 ダイヤ「ごきげんよう、皆さん。準備はできておりますの?」
千歌「はい、それは……照明や音響もクラスの友達が手伝ってくれるし……」
ダイヤ「そうですか。……この天気で少々、遅れているようですがちらほらと体育館に生徒が
集まって居ますわよ。それに、我が校の生徒のほかにその親類の方や他校の生徒もいらしている
ようですわ」
千歌「ほ、本当ですか!?」
ダイヤ「ええ。一部の先生方も車を出して下さって生徒の送迎に協力して下さってるみたいですし……
きっと時機に体育館いっぱいに観客が集まりますわ」 曜、梨子「千歌ちゃん!」
千歌「……うん! ……でもなんかそれはそれで緊張してきちゃったかも……」
ダイヤ「何を言っているのですか」
ダイヤは優しく千歌の手を握る
千歌「え!? 生徒会長!?」
ダイヤ「貴女達はこの日の為に一生懸命、練習を頑張ってきたのでしょう? それは私にも充分
わかっていますわ」
千歌「生徒会長……」
ダイヤ「ですから後は貴女達が目一杯、その成果を見せるだけ。大丈夫。貴女達ならきっと出来
ます。……私はそろそろ行きますね。私も観客席から見守っていますわ」
千歌「生徒会長! あの……色々とありがとうございました! 生徒会長が居なかったら私達……」
ダイヤ「……お礼はライブが終わってから聞きますわ。今は……浦の星の名を汚さぬステージに
なるように集中なさい」
千歌「はいっ! 全力で頑張ります!」 ガヤガヤ……ガヤガヤ……
果南「ダイヤ」
ダイヤ「果南さん」
果南「千歌たちどうだった?」
ダイヤ「少し緊張している様ですが……あの子達なら大丈夫ですわ」
果南「そっか。……それにしても凄い人数になってきたね。体育館が満タンになるんじゃない?」
ダイヤ「それだけ皆さん、このステージを楽しみにしてるんですわ」
果南「ふふ……ダイヤ、いっぱい宣伝した甲斐あったね」
ダイヤ「わ、私は別に……あ、始まるようですわよ」 「「「やってーみたい!」」」
「動き出したーここーろーはー♪まだまーよいをー抱えて揺れーていーるーよー♪」
「それでーもースタートーした♪したのは」
「「「うーんめいかな♪」」」
果南「凄い……千歌たちキラキラしてるよ……!」
ダイヤ「えぇ……観客の皆さんも盛り上がっておりますし……これは大成功間違いなしですわっ!」 「温度差なーんて、いつーか消しちゃえってーね! 元気だよ! 元気を出してーいーくよー……
バンッ
千歌「えっ……」
曜「なにっ……」
梨子「どうして……」
キャ-
テイデン!?
イヤ-
コレハ……
ドウヤラカミナリガオチテ……
アタリイッタイガテイデンノヨウデス 果南「そんな……」
ダイヤ「果南!」
果南「え?」
ダイヤ「来てっ!」
果南「ダイヤ!? いったい何処に……」
ダイヤ「いいから早く! さぁ!」
果南「うわっ! まってダイヤ! 引っ張らないでって……うわぁ〜!」
鞠莉「…………」 果南「はぁ、はぁ、こんなところに連れてきてどうしたの?」
ダイヤ「これを運ぶの。手伝ってちょうだい」
果南「なにこれ?」
ダイヤ「非常用の発電機よ。これを繋げばとりあえずの電力は確保できるハズよ。急いでっ!」
果南「わ、わかったよ。よいしょ……って、うわ! これ重……」
ダイヤ「口は良いからさっさと手を動かすっ! ……うぐっ!」
鞠莉「ヘイ、貴方達。そこでなにをしているの?」 ダイヤ「げっ」
果南「鞠莉っ!」
ダイヤ「どいて! 今は貴女の相手をしてる暇はないのっ!」
鞠莉「それを運ぶの? 手伝ってあげてもいいよ」
ダイヤ「だ、誰があんたなんかの手を……」
鞠莉「成功させたいんでしょ!? このライブをっ!!!」
ダイヤ「っ……!!!」
鞠莉「いいから貸して。ほら、行くわよ」
果南「ダイヤ……ここは素直に鞠莉の手を借りよう」
ダイヤ「…………」 ダイヤ「これをここに繋げば……」
バンッ
アッ.デンキガツイタ!
ヨカッタ-
テイデンガナオッタノカ!?
イエ.マダマワリハテイデンチュウミタイデスガ…
マサカ.ヒジョウヨウデンゲンカ?
イツノマニ…イッタイダレガ…
千歌「これって……」
曜「千歌ちゃん……」
果南「チカーーーっ!!!」
千歌「果南ちゃん!」
果南「はぁ……はぁ……もう大丈夫だから! もう一回歌って!!!」
千歌「果南ちゃん……」
曜「千歌ちゃん!」
梨子「千歌ちゃん!」
千歌「……うん。もう一度歌おう。最初からもう一度。全力で、輝こうっ!!!」 ーーー
千歌、曜、梨子「はぁ〜〜〜……」
ダイヤ「失礼しますわ」
千歌「せ、生徒会長!!!」
ダイヤ「皆さん……お疲れ様でした」
千歌「生徒……かい……ふぐっ……うえぇ〜〜〜ん!」ダキッ
ダイヤ「おっと……あらあら。どうしたのですか」 千歌「だって……私……いきなり、ふぐっ……停電して……どう……ひっく……しようって……」
ダイヤ「高海さん……」
千歌「みんな……いっぱい手伝ってくれたのに……生徒会長も……それなのに……失敗したらどうしようって……ひっぐ」
ダイヤ「……とても良いライブでしたよ。観客の皆様もとても喜んでおりましたし……
よく頑張りましたね高海さん。渡辺さんと桜内さんも」
曜「……ぐすっ」
梨子「うぅ……」
ダイヤ「くすっ。みんなしてなんで泣いているのですか。貴女達はアクシデントにも負けずに
あんなにも大成功を収めたのです。さあ、胸をお張りなさい!」
千歌「はいぃ……」
ダイヤ「貴女達はもう立派な浦の星を代表するスクールアイドルです。次のライブも楽しみにし
ておりますよ」
千歌「はい……はいっ!」 ーーー
ダイヤ「…………」
鞠莉「チャオ、ダイヤ」
ダイヤ「小原さん……」
鞠莉「良かったわね。ライブが成功して」
ダイヤ「別に……」
鞠莉「なんでそんなにつれないのかな〜」
ダイヤ「……今日のことはお礼を言わせていただきますわ。ありがとうございました」
鞠莉「そんな必要はないわ。あの日の借り≠烽ワだ返せてなかったし」 ダイヤ「そうですか……では、失礼」
鞠莉「待って、ダイヤ」
ダイヤ「……?」
鞠莉「貴女はスクールアイドルにはならないの?」
ダイヤ「なっ……!?」
鞠莉「好きなんでしょ? スクールアイドル」
ダイヤ「わ、私はそんな……別にっ……!」
鞠莉「隠さなくても良いじゃない。なんでそんなに隠そうとするの?」
ダイヤ「私は……」
鞠莉「……ふふ。まあ良いわ。でも……」
ダイヤ「……え?」
鞠莉「私はとっても似合うと思うけどな。ダイヤのスクールアイドル姿」
ダイヤ「…………」
鞠莉「いつかダイヤがステージで踊る姿を観れるのを楽しみにしてるわ。
それじゃあ今日のところはこの辺で……。チャオ〜♡」 ーーー
果南「ふぅん。鞠莉がそんな事を」
ダイヤ「まったく……いったいなんなのアイツは……」
果南「鞠莉が何をどれだけ知ってて何を思ってるのかは分からないけど……
私は鞠莉の言う事に少し賛成だよ」
ダイヤ「果南!?」
果南「ダイヤ……スクールアイドルやりたいんでしょ?」
ダイヤ「わたしは別に……」 果南「だったらなんでライブが失敗しそうになった時にあんなに必死だったの? 生徒会長だから? 違う。
ダイヤがあの子達に自分がスクールアイドルになった姿を重ねていたからでしょう?
ライブの準備にもあんなに肩入れしていたのも……」
ダイヤ「それは……」
果南「私はダイヤのことならなんでも知っているつもりだよ。誰よりも……。
だからダイヤがスクールアイドルになるなら全力で応援する」
ダイヤ「だから、わたしはっ……」
果南「……まあいいよ。今はまだね。でも……このままだと絶対に後悔することになると思う……。
だからもっと良く考えな……。今日のところは帰るよ。それじゃあね、ダイヤ」
ダイヤ「……っ」
それでも……わたしは……スクールアイドルになんてっ……
ACT★2ファーストステップ/おわり PRE-VIEW
すわふり「これからのあらすじ!」
すわわ「ダイヤの心を揺さぶり続ける小原鞠莉」
ふりりん「いったい何故、彼女はダイヤの秘密を知っているのか!?」
すわふり「次回はそんな鞠莉の過去が明らかに! 果たして彼女の胸中には何が隠されているのか!?」
すわふり「次回、ダイじじょ!【小原鞠莉の事情】」
すわふり「ウオォーーーッス!!」 次回予告かんがえるの地味にめんどいな
>>106
名作少女漫画「彼氏彼女の事情」だよ
サンシャインアニメを基本ベースとしてカレカノ要素を混ぜて少しアレンジを加えている
正直、オッサンホイホイのつもりで書き始めたのにカレカノ知らない世代にも面白いと言ってもらえて
少し戸惑っている カレカノ世代だがアニメも漫画も見てない読んでない。でも面白い 確か少女漫画でこういう設定のがあったよなあって思ってたけどそう言えばカレカノかあ
すっかり忘れてたわ
今のところ庵野がエヴァの後に監督した唯一のアニメだよな エヴァの人だったのか
斬新な演出が多かった記憶がある
教室の引き戸の開閉シーンがレール正面から映した視点だったり
下校のシーンでは、遠くの景色が少しづつずれていく映像にセリフ当ててるだけだったり でもアニメは酷い出来だった
漫画がすばらしすぎるせいもあるが アニメは今ならamazonプライム会員なら無料で見れるよ! 漫画がすばらしいだけに、アニメは見ないで欲しいなとも思う >>140
>>142
アニメも最初の方は良くなかったか?
特に1話から4話まで、彼氏彼女になるまでの話はほんと好きだわ >>142
アニメ2話を始めて観た時は呼吸困難になるほど笑ったのは今でも覚えている ACT3★小原鞠莉の事情
『ねぇパパ! わたし、この前のテストで一番だったのよ!』
『そう……』
『ねぇ、パパったら!』
『鞠莉。すまないが私は忙しいんだ。あとにしてくれないか』
『……はい』 ーーー
朝、小原鞠莉の部屋
コンコン
「失礼します。お嬢様、朝食をお持ちしました」
鞠莉「ありがとう。そこに置いておいてちょうだい」
「あら? そちらの動画はもしかして……」
鞠莉「ええ。先日、学校で行われたスクールアイドルのライブの映像よ。どう? みんなとっても
可愛くてキラキラしてるでしょ?」
「ええ、ほんとに。ふふ、お嬢様がその様な動画をご覧になる日が来るなんて……」
鞠莉「……そうね。今までは、こういう音楽を聴く事ってあまりなかったから。でも、聴いてみ
たら意外と気に入っちゃって」
「……学校は楽しいですか?」
鞠莉「うん……とっても! パパに無理言って転校してきた甲斐があったわ」
「それは宜しゅうございました。……では、失礼致しますね」 ーーー
鞠莉「ダイヤ! 果南! グッモーニ〜ン♪」
果南「あ、鞠莉。おはよう」
ダイヤ「お、おはようございます……鞠莉さん」
鞠莉「んもぉ〜。ダイヤったら硬いよ〜。もっとフェイスをソフトにして〜」グニグニ
ダイヤ「ひょっほ……なにほひて……」
果南「あ、鞠莉ずる〜い。私もっ!」ハグッ
ダイヤ「果南さんっ!? ドサクサに紛れて何を……もうっ」ガタッ 鞠莉「ワオッ!」
果南「ダイヤ、どっか行くの?」
ダイヤ「御手洗いに」ギロッ
果南「い、いってら〜……」
果南「あ〜あ。怒らせちゃったかな」
鞠莉「ふふ、果南とダイヤって本当に仲が良いのね」
果南「まぁねー。幼馴染だし。って言うか今怒らせたばっかなんだけど仲がいいって……」
鞠莉「だって。私の知る限りじゃダイヤがあんな態度で接するの果南だけなんだもん」
果南「そう? 誰にでもああじゃない?」
鞠莉「違うわ……なんとなくだけど……違う」
果南「…………」 果南「鞠莉はさ、なんでダイヤとそんなに絡みたいの?」
鞠莉「ん〜〜〜。なんでだと思う?」
果南「そうだな〜。一目惚れしたとか?」
鞠莉「ワーオ! イグザクトリィ! 正解よ果南!」
果南「えぇ〜、なにそれ」
鞠莉「ウフフフフッ」 ーーー
鞠莉「ただいま」
「お帰りなさいませお嬢様。社長がお越しになってらっしゃいますよ」
鞠莉「パパがっ!?」
「はい……なんでも所用で日本にご用事があるとかで、こちらにもついでにと……きっとお嬢様
のお顔をみたくていらっしゃったんですよ」
鞠莉「そうかしら……」
「ご夕食もこちらで取られるそうなので……本日はお二人の為により一層腕を振るうとシェフも
張り切っておりましたよ」
鞠莉「ふふ……それは楽しみだーーー
鞠莉「ただいま」
「お帰りなさいませお嬢様。社長がお越しになってらっしゃいますよ」
鞠莉「パパがっ!?」
「はい……なんでも所用で日本にご用事があるとかで、こちらにもついでにと……きっとお嬢様
のお顔をみたくていらっしゃったんですよ」
鞠莉「そうかしら……」
「ご夕食もこちらで取られるそうなので……本日はお二人の為により一層腕を振るうとシェフも
張り切っておりましたよ」
鞠莉「ふふ……それは楽しみだわ」 パパは総てにおいて完全な人だった
容姿もとても整っていて……
優雅な身のこなし
上品な趣味
5カ国を自在に操る知性
幅広い人脈
アメリカの小さな事業者の子として生まれながらも
その才覚は若くして他を圧倒的に凌駕していたそうだ 鞠莉父「鞠莉……学校の方はどうなんだ?」
鞠莉「えぇ……とても楽しいわ」
父「そうか」
鞠莉「みんなとても良い人ばかりだし……あ、一人とても優秀な子がいるのよ。 勉強もスポーツも
出来るし生徒会長もやってて、しかもとても上品……まるで昔話に出てくるお姫様みたい
に綺麗なの!」
父「そう」
鞠莉「あ! そういえばこの間、二年生の子達がスクールアイドルのライブをしたの! アイドルの
曲なんて私はあまり聴かなかったけど……あの子達のステージはとても魅力的で……すごく感動したわ」
父「そうか……まぁ、楽しんでいるのは良いが……どんな学校に通おうが構わないが最低限の成績
はキープするように」
鞠莉「え……えぇ、もちろん。学業も頑張っています」
父「ならいい」
鞠莉「…………」 ーーー
パパは私に対してどこか冷たく
それは両親の結婚自体
ホテルグループの社長令嬢であったママが
パパに惚れ抜き強引な手段で進められたものだという経緯から
仕方ないのかな……と思った
両親は私の目にもうまくいっておらず
もてる父が外に女をつくり
母が怒鳴り込んで別れさせたなんていう醜聞は
子供の頃から私の耳に入ってきていた ーーー
ビリビリ
『まぁ、お嬢様……せっかく一番を取った試験の答案をそんなに……』
『こんなの……こんなの……ふぐっ』
『お嬢様……』
『うぐっ……大丈夫。もっと頑張る……パパに褒認めてもらうには……もっと頑張らなきゃいけないのよ……』 それでも私はパパが恋しかった
パパに振り向いてもらう為に
勉強もスポーツも血の滲む様な努力をし
優等生であり続けた
けれど想いは冷たくはねつけられて
繰り返し傷ついていった…… 一方、その日の黒澤家の食卓
ダイヤ「え? ルビィもスクールアイドル部に入るの!?」
ルビィ「う、うん……ルビィ、あのライブ観て感動して……恥ずかしいけど……やっぱりルビィも
スクールアイドルやってみようかなって。花丸ちゃんも一緒に入ってくれるって言うし」
ダイヤ「花丸ちゃんまで……」
父「おお……ルビィがアイドルに……ライブは!? ライブはいつやるんだ!?」
ルビィ「ピギッ……そんなのまだわかんないよ……」
父「決まったら早く言うんだぞ! お父さん全力で応援しにいくからな! 母さん! いつでも着
れる様に一張羅用意しといて!」
母「どうしよう……お母さん最近お肌の調子が悪くて……エステにでも行っとこうかしら」
ダイヤ「いやあの……あんたらが格好気にする必要はないんで」 ルビィ「お姉ちゃん……お姉ちゃんも一緒にアイドルやらない?」
ダイヤ「何度も言ってるでしょ……お姉ちゃんは忙しいんだって」
ルビィ「うゅ……」
ダイヤ「……でも、ルビィがスクールアイドルをやるんならお姉ちゃんも応援するから。
頑張りなさいよ」
ルビィ「……うん! ルビィがんばるねっ!」 ーーー
「おはようございますお嬢様」
鞠莉「おはよう?ねぇ、パパは?」
「それが……今朝早くにここを立たれてしまわれて……」
鞠莉「そう……」
「社長はお忙しい方ですので……それで……」
鞠莉「大丈夫。わかってるわよ。……ねぇ、少し走りたい気分なの。船の用意をお願いできる?」
「はい。かしこまりました」 実の娘に対し挨拶もせず……
今日は一体どこの女性と約束があるのかしら……
ーーー
鞠莉「よっと……さあ、いこっか!」
まだ人気も少ない内浦の町を走る
早朝のまだ少し冷たい潮風と暖かな日の光のギャップは妙に肌に心地よく
余計な事を考える頭を晴れやかにしていってくれた
そして思い出す
あの日の出会いを ーーー
鞠莉「どうしよう……いったいどこで無くしたのかしら……」
今年の冬、私はパパに連れられて淡島のホテルで開かれた小原家主催の
パーティに出席する為にこの内浦に来ていた。
そして、パーティが始まる前に淡島を探索がてら散歩でもしようと歩いている時に幼い頃パパに
買ってもらったブレスレットを無くした事に気付いて探し回っていた
パーティの時間が近づいている事もあり焦りを感じていたそのとき
「あの」
声の方へ振り向くと
そこにはハッと息を飲むような……
美しく、凛とした女性が立っていた
思わずドキッとしながらも、事情を説明すると彼女達は自分達も探し物を手伝うと言ってくれた
正直、子供の頃に買ってもらった安物のおもちゃの様なブレスレットを探すのをわざわざ手伝って
貰うのは少し気恥ずかしさがあったが
「とても大切な物の様に見受けられますよ?」
彼女の真摯でまっすぐな言葉をうけ
私は手を貸して貰う事にした やがて、程なくブレスレットは見つかったのだけど
こんな物の為に手を貸していたんだと思われたりしたらどうしよう……
なんて考えていると
本当に
「とても素敵です」
本当に心からそう言ってくれていると分かり
私は素直に嬉しくなった
その時はパーティの時間も迫っていた事もありお礼もそこそこにすぐに別れてしまったのだけれど
後日ーーー ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています