曜「私、やっぱり曜ちゃんのことが嫌い」
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梨子「東京から帰ってきて、一言目がそれって中々キツいわね」
曜「これ、返すね」
梨子「シュシュ……」
曜「じゃあ、私帰るから」
梨子「衣装係が持っておくべきじゃない?」 曜「嫌いな人が作ったものなんて持っておきたいと思う?」
梨子「はっきり言ってくれるのね」
曜「嘘は嫌いだから」
梨子「じゃあ、曜ちゃんは千歌ちゃんのことが好きなの?」
曜「じゃあってなに。話繋がってないけど」 梨子「質問に答えてくれないなら勝手に千歌ちゃんに言うわよ」
曜「梨子ちゃんって結構陰湿なんだね」
梨子「陰湿なことはしたくないから答えてほしいな」
曜「答えたところで何かあるの?」
梨子「私が満足する」
曜「……いい性格してるね、ホント」
梨子「ありがとう」 曜「そういう梨子ちゃんはどうなのさ。千歌ちゃんのこと好きなの?」
梨子「質問を質問で返さないでくれる?」
曜「私の質問に答えてくれたら答えてあげるよ」
梨子「電話で話した時も思ったけど、やっぱり面倒な人」
曜「早く答えてよ」 スレタイ
曜「私、やっぱり梨子ちゃんのことが嫌い」
に修正で
もうこのまま突っ走る 梨子「好きよ、千歌ちゃんのこと」
曜「っ……」
梨子「友達として、ね」
曜「……ふん」
梨子「その反応はそのままさっきの質問の答えになるわね」
曜「……」 梨子「『私は』友達として好きよ」
曜「……何が言いたいの」
梨子「千歌ちゃんの気持ちはどうかしらね」
曜「千歌ちゃんが自分のこと好きだって言いたいの?」
梨子「さぁ。それは本人に聞かないと」
曜「さっきから鬱陶しい言い方して……はっきりいったらどうなの」 梨子「ねぇ、曜ちゃん」
曜「……」
梨子「千歌ちゃんは自分のこと好きだと思ってるの?私より千歌ちゃんに好かれてると思ってるの?」
曜「ちょっと黙って」
梨子「家も隣、毎朝一緒に通学、帰るのも毎日一緒……貴女の知らない千歌ちゃんを私はたくさん知ってるわ」
曜「だから?私は幼馴染だよ」 梨子「過去なんて知らない。私は今の話をしてるのよ。自信ある?千歌ちゃんに好かれてる自信」
曜「このっ……!」ガシッ
梨子「殴るの?」
曜「……」
梨子「別にいいけど、顔はやめてね。今夜千歌ちゃんと話す時心配されちゃう」
曜「……っ!」ググググ 梨子「過ごした時間と関係性は比例しない。よく分かってるんじゃない?」
曜「うるさい!」ブン!
梨子「きゃあ!」ドタン!
曜「……帰る」
梨子「げほっ……」
曜「……ごめん、やりすぎた」
梨子「……」
曜「……」
バタン
梨子「……」 ーー
千歌「それでね、ダイヤちゃんに怒られちゃったの」
梨子「それは千歌ちゃんが悪いんじゃないかな」
千歌「えーでも鞠莉ちゃんもやってたんだよ。私だけ怒られるなんて納得いかない」
梨子「鞠莉さんの真似してもかわせるわけないでしょ」
千歌「むー……確かに。やっぱ幼馴染は強いなー」 梨子「……最近曜ちゃんとはどうなの?」
千歌「どうって?」
梨子「私がコンクールに行ってる間に色々あったみたいだけど」
千歌「ああ、もう大丈夫だよ。ちゃんと話したから」
梨子「そう、それは良かった」
千歌「うん。やっぱりちゃんと向き合って話すことが大事だね」
梨子「そうね」 千歌「……」
梨子「何?」
千歌「あのさ、梨子ちゃんはさ……」
梨子「うん?」
千歌「……いや、何でもない」
梨子「何、気になるじゃない」
千歌「……」
梨子「ちゃんと話すことが大事なんでしょう?」 千歌「……曜ちゃんのことはどう思ってるの?」
梨子「どうって?」
千歌「いや、まぁなんて言うか……その……」
梨子「すごいと思うわ。水泳部と掛け持ちで、衣装も作れて……」
梨子「それに、いつも快活で。眩しいくらい」
千歌「そ、そっか……」 梨子「あら、こういう答えじゃなかった?」
千歌「いや、大丈夫。それを聞いて安心したよ」
梨子「良かった。ところで、歌詞は?」
千歌「うっ、もう少し……」
梨子「千歌ちゃんのもう少しは随分私と違うのね」
千歌「ごめんなさい、早く出します……」
梨子「よろしく。じゃ、おやすみ」
千歌「うん、おやすみ!」 ーー
千歌「曜ちゃーん」
曜「なにー?」
千歌「飲み物買いに行くけど何かいるー?」
曜「自販機行くなら付き合うよ」
千歌「いーのいーの。いつも頑張ってる曜ちゃんの為にパシられてあげますっ!」
曜「え、でも……」 千歌「遠慮しないの。ね?梨子ちゃん」
梨子「ええ」
曜「なに、2人でいくの?」
千歌「うん」
曜「そう……」
梨子「何飲みたい?」
曜「……千歌ちゃんは何飲むの?」
千歌「みかんジュース!」
曜「じゃあ同じの」
千歌「おっけー!」 梨子「私には聞いてくれないの?」
曜「生憎コーヒーって気分じゃないんだ」
梨子「あら、よく分かったわね」
曜「いつも飲んでるから」
千歌「おー曜ちゃん梨子ちゃんのことよく見てるね」
曜「私結構友達観察してるんだよ」
千歌「観察だなんて……曜ちゃん変態さんみたい」
曜「それはおかしいと思うであります」 千歌「えへへ、じゃあ行ってくるね」
曜「はーい」
梨子「すぐ戻ってくるから」
曜「うん」
曜「……」 梨子「ただいま」
曜「千歌ちゃんは?」
梨子「ダイヤさんに呼び出せれてた」
曜「……そう」
梨子「私だけでガッカリした?」
曜「別に」 梨子「はい、ジュース」
曜「ありがとう」
梨子「いいえ、どういたしまして」
曜「……なに、何なの」
梨子「何が?」
曜「……何でもない」
梨子「曜ちゃんって私のこと見てくれてるんだね」
曜「同じクラスで同じ部活だし、そりゃ嫌でも見るよ」 梨子「人間って嫌いな人ほど目に付くから不思議」
曜「そうだね」
梨子「否定しないんだ」
曜「嘘は嫌いって言ったでしょ」
梨子「何でもかんでもハッキリ言っていい訳でもないのよ」
曜「……」 梨子「喋れば喋るほど言葉の重みはなくなっていくわ」
曜「嘘をついていい理由にはならないよ」
梨子「嘘も方便。大事なことを強調するためにつく嘘もある。分かるでしょ?」
曜「分からないよ」
梨子「そう?曜ちゃんは分かってくれると思うけどな」
曜「何が言いたいのさ」
梨子「千歌ちゃんに告白しないの?」
曜「なっ……」 梨子「色んなことを言うより一言『好き』って言えば余すことなく伝わるとおもうけど」
曜「余計なお世話だよ。梨子ちゃんには関係ない」
梨子「関係あるよ。友達だもん」
曜「……なにそれ」
梨子「それに、現実を知った曜ちゃんがどういう反応するから見てみたい」
曜「どういう意味それ」
梨子「どういう意味だと思う?」
曜「このっ……!」ガタッ
梨子「落ち着いて、教室よ」
曜「……!」 梨子「コーヒーでも飲む?」
曜「……いらない」
梨子「ふふ……」
曜「何がおかしいのさ」
梨子「別に」
曜「あ、そう」 千歌「ただいまー……どへー……」
曜「おかえり。どうしたの?」
千歌「ダイヤさんにこの前小テストの点数悪かったのがバレちゃって……」
曜「あらら」
梨子「だから勉強しろってあれほど……」
千歌「たはー次は頑張ります」
梨子「曜ちゃんも」
曜「!」 梨子「結構ギリギリだったでしょ?ちゃんと勉強してね」
曜「うん、分かった」
千歌「曜ちゃんも仲間だったか!」
曜「仲間じゃないよーちゃんと合格してるもん」
梨子「五十歩百歩よ」
千歌「うっ……」
梨子「今度勉強会するわよ」
千歌「はーい」
曜「……はーい」 ーー
鞠莉「言わないと伝わらないしすれ違いを起こす……」
梨子「自己紹介?」
鞠莉「あら、キレッキレね。喧嘩する?」
梨子「遠慮しときます」
鞠莉「次の曲のイメージ案よ」
梨子「『すれ違い』がテーマなの?」
鞠莉「んーん、テーマは『言葉』よ」 鞠莉「んーん、テーマは『言葉』よ」
善子「深淵の闇から召喚されしに憎しみの化身よ……」ブツブツ
梨子「言葉、ねぇ……」チラッ
鞠莉「善子、ちゃんと参加しないと退学にするわよ」
善子「軽率に私の将来閉ざさないでくれる?」 梨子「歌詞のテーマが言葉ってちょっと大きすぎない?そもそも歌詞自体言葉なんだし」
鞠莉「『言葉』そのものというより『伝え方』がテーマよ」
善子「伝え方……」
鞠莉「ええ。本当に言いたいことをどのように紡いで、相手に伝えるか」
梨子「……」
鞠莉「ストレートに言う。回りくどい言い方をする。思わせぶりなことを言って相手に気づいてもらう……とか」
善子「ああ、手段じゃないのね」 鞠莉「ええ、手段なんてどうでもいいのよ。相手に届くかどうかが問題なの」
梨子「でも、わざと隠して嘘を作っていのもあるわよね」
鞠莉「そうね。相手のことを思って本音を隠して嘘をつく……それも一つの言葉の形だわ」
善子「賭けねそれ。思った通りにならなかったら大変なことになる」
鞠莉「ふふ、確かに。それなら最初から何も言わないっていう『言葉』の形もあるわ」
梨子「今日はいつもと違って説得力がある……何かあったの?」
鞠莉「留年させるわよ」
善子「貴女はもう少し自分の言葉の重みを自覚して」 鞠莉「ということで、歌詞考えてきてー」
梨子「え、丸投げ?」
鞠莉「私忙しいのよ〜ユニット曲の歌詞まで考えてる暇はないの♡」
善子「まーた仕事溜めて無理してるんじゃ……」
鞠莉「ノープロブレム!じゃね」
バタン ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています