【SS】 リリーのアトリエ
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梨子「ち、ちなみにおいくらでしょうか……?」ドキドキ
善子「ん……」スッ
梨子「」ゾワワッ
花丸「ボッタクリじゃないずらかこれ?」
善子「なんでよっ、あれすごい精密構造で手間かかってるやつなのよ」
花丸「一本くらいあげてもバチはあたらないずらよ」
善子「他の物なら多少はいいけど、あれ仕入れがあがらないと赤字なのよ……」
梨子「ん、わかりました!」
花丸「梨子ちゃん……」
梨子「じゃあ花丸ちゃん、一つはルナスタッフを買ってください!」
花丸「マルの報酬で片付けるずらね……まぁいいけど」
善子「毎度あり〜♪」
梨子「もう一つは多機能ガラス器具セットをお願いします」
花丸「おぉ、あの棚の上でずっとホコリかぶってるやつずらね、いくらずら?」
善子「ん……」スッ
花丸「」ゾワワッ
目的の物が一つ変わりましたが梨子ちゃんは今回の報酬を無事頂きました
工具店を出たところで梨子ちゃんは花丸ちゃんにもう一か所行きたいところがあると告げます
それはこの町に住む一人として、新たに生まれた気持ちを確認するためでもある場所でした
梨子「突然ごめんね」
花丸「ううん、ちょっと嬉しいずら」
-ヌマヅ共同墓地
梨子ちゃんが訪れたのは、先の事件で亡くなった方のお墓
町にきてまだ間もなかった頃は、どこか他人事のように意識していた部分もありました
しかし今はヌマヅタウンに住む一人として、お墓参りをしたいと思ったのです
花丸「あれ…‥新しい花がある」
梨子「先に誰か来ていたんだね」
墓前には新しい花束が供えられていました
その横に梨子ちゃんも花屋さんで購入したものをお供えします
花丸「あ、ごめん梨子ちゃん。マルこの後用事があるから先に帰るずら」
梨子「うん。今日はありがとう」
花丸「一人で帰れる?」
梨子「少しいけば知ってる通りにでるから大丈夫だよぅ」
花丸「また迷子になっても誰かが助けてくれるずら」
梨子「んもぅ…」
花丸ちゃんと別れた梨子ちゃんは、墓前で一人…ある決意をします
梨子「………………」
それはこの町の住人として、もしも何かあった時には全力で立ち向かう事
町のみんなと協力して守り抜く事。二度と被害者をださないようにできる事を最大限に努める事
梨子「ここはもう、私が住む町だから……」
大好きな町を守りたい。卒業試験のためだけじゃなく、一人の住人として、錬金術士として
お墓参りを済ませた梨子ちゃんはアトリエに帰ろうと歩き出します
しかし初めて訪れる共同墓地。少しいけば知っている通りにでるはずでしたが……
梨子「あれぇ?」
その少しの間で案の定迷子になってしまいました
梨子「さっき花丸ちゃんがあのお店がどうとか行ってたからそっちに気を取られて…えっと」
誰も聞いていない言い訳をしながらトボトボ歩く梨子ちゃん
いつもならこの辺りで町の人に助けられますが、今日は違いました
??「そこのお嬢さん」
梨子「え?」
声をかけてきたのは若い女性……かと思われる人物
全身すっぽりと黒いローブに身を包み、フードで顔も良く見えません
??「そうそう、あなた」
梨子「えと、なんでしょう?」
??「よかったら、占いやっていかへん?」
梨子「占い?」
その女性は小さなテーブルに水晶球とタロットカードを用意していました
どうしてこんなところでと思いますが、どこか占いという部分での雰囲気はあります
??「なにかお困りのよーやねぇ、道にでも迷ったんかな?」
梨子「あ、はい……お恥ずかしながら……」
??「ふーん、そう。じゃあちょっと占ってあげよう」
梨子「あ、でも私今持ち合わせが……」
??「初回サービスで一回タダにしてあげる」
梨子「は、はぁ……」
??「何を占って欲しいん? 正解の道? これからの人生?」
梨子「じ、じゃあ……えっと……」
梨子ちゃんは女性に近づくと、ローブごしに相手の顔をじっと見つめます
そして、一言口にしました
梨子「あなたを捕まえるにはどうしたらいいですか?」
??「………………」
??「うちを捕まえるんかあ……難しいなぁ…」
梨子「占いでも正解はわかりませんか?」
??「そもそもどうしてうちなん?」
梨子「どうしてって……その声と口調でわからないはずないし、そもそも隠す気もないですよね?」
??「そーやねー、キミならわかるかな〜って思ってたんよ」
梨子「いつもここで占い屋さんをしていたんですか?」
??「ううん、ただの気まぐれ。さすらいの占い師や」
梨子「私に会いに来たんですか?」
??「うちの計画をあれだけ邪魔してくれた子に、一度会っておこうと思ってね」
梨子「随分と余裕なんですね」
??「そんなことあらへんよ……もうカツカツやわ」
梨子「なら素直に自首でもして、ゆっくり休めばいいと思います」
??「それはできないかな〜」
梨子「穂乃果さんを取り戻すためですか?」
??「そうや」
梨子「一体穂乃果さんというのはどういう人なんですか?」
??「何も特別な事はない、一人の女の子……」
梨子「あれだけの事をしておいて目的が普通の子だっていうのはちょっと……」
??「ううん、普通の子。ただ、誰よりも優しい子……うちはあの子を助けたいねん」
梨子「…………」
??「キミこそうちを前にして随分余裕やない?」
梨子「ちゃんと驚いてますよ。まさかこんなに早く接触があるとは思っていませんでしたし」
??「その割に何もしようとしないんやね」
梨子「どうせ捕まえようとしたって、いくらでも逃げる準備はできてるだろうし」
??「まぁ、そうやね」
梨子「それに私、貧弱なんです。力づくとかそういうのには無縁なので」
??「そんな事うちにバラしてもいいん? いちおう敵という認識なんやろ?」
梨子「でも、あなたは余計な被害はだしたくない……そう考えてますよね…」
梨子「東條希さん」
??「…………」
梨子「エリー先輩が言っていました。アカデミーでは同期だったそうですね」
??「…………」
梨子「いつも誰かのために行動する、とても心優しい、言うなれば聖母のような人だって」
??「エリチったら、恥ずかしい表現してくれるわぁ……」
梨子「それがどうして……」
??「そんな昔の事で、キミが安全であるという保障にはならないよ?」
梨子「いいえ、あなたは優しいですよ、東條さん」
??「……?」
梨子「うっすらとあなたからまだ感じるこの香り……墓前にあった花と同じものです」
??「………………」
梨子「どうして……被害がでるかもしれないってわかって……それで心を痛めてまで……」
??「ふふ、なんのことかわからんけど……キミは怖いなぁ」
梨子「私を本当にどうにかするつもりならとっくにやってます」
??「そんな風になんでもうまくいけば、うちもキミもここにはおらんよ……」
梨子「…………」
??「んー…実を言うと、キミだけは話次第で仲間になってくれるかもって思ったから接触したんよ」
梨子「どうして私なんですか?」
??「仲間にするなら錬金術士がいいのと、他の二人は絶対に動かんのわかってるし…」
梨子「えっと、なにかバカにされてるようなので言っておきますけど…」
??「ん?」
梨子「私も他のみんなと同様、あなたを許すつもりなんてありません。絶対にいつか捕まえてみせます」
??「……………」
梨子「確かに私はすべての事情を知っているわけではないです。だけど例え知っていてもあんな方法は取らない」
??「……………」
梨子「穂乃果さんにどんな事情があっても、チカちゃんに何があったのかわかっていても、あなたは間違っています」
??「……………そうか」
梨子「どうせこれ以上何を言っても自首なんてしないだろうから、先に宣戦布告です」
??「それはうちも同じや」
梨子「東條希……私達はかならずあなたを捕まえます。そしてすべてを話してもらいます」
??「うちもかならず穂乃果ちゃんを取り戻す。例えこれ以上の犠牲をだしたとしても、止まらないよ」
梨子「…………」
??「…………」
??「うちがここで心変わりして攻撃してくるとは思わない?」
梨子「きたらきたで、私は護身用にフラム等を持ち歩いていますから」サッ
??「…………ふふ、ほんま怖いわ〜」
梨子「…………」
??「じゃあそういうことで、うちは帰ろうかな」
梨子「あなたはこの町に住んでいるの?」
??「いーや、用事があったから今日初めてちゃんと町をうろついたんよ…」
梨子「いつもはどの辺りに?」
??「さぁ……だいたい放浪してるからなぁ」
梨子「次はいつ襲撃する予定です?」
??「んーと……ってなんでもかんでも答えへんよ」
梨子「……ノリで答えるかなーと」
??「ふふ、やっぱりキミは怖い子やわ。名前、教えてくれる?」
梨子「……………」
??「名前が知られると呪い殺されるとでも思ってる?」
梨子「近いことはありそうかなと…」
??「そんなんできたら今ごろ他の子にも使ってるよ。小原鞠莉ちゃんにも、高海千歌ちゃんにも……」
梨子「……………」
??「ま、言いたくないならいいけど」
梨子「リリーです」
??「ん……」
梨子「アトリエやってます。錬金術士のリリーです」
??「そう……リリー、またそのうちな……」スッ
梨子「あ、まって! まだ聞きたい事が…!」
??「うちは東條希。気軽にのんたんって呼んでくれてえーよー……」スゥー
梨子「まっ………………」
事件についての謎を聞き出すチャンスでしたが、もうのんたんはいませんでした
ついでに梨子ちゃんは帰り道も聞きそびれてしまいました
―――――
――リリーのアトリエ
これは、オトノキアカデミーからやってきた一人の女の子があれこれするほのぼの(?)物語
卒業試験としての彼女の生活はまだまだ始まったばかりです
これからたくさんの事を学び、技術を磨き、無事に卒業できるその日まで彼女の戦いは続きます
憧れの錬金術士として、一人羽ばたくその日まで……
コンコン…
ガチャッ
長々と保守ありがとございました
短編2つやって最終を考えておりますので、またその時はよろしくです
次回短編予定
リリーのアトリエ2 〜 まきりんぱな 〜
リリーのアトリエ3 〜 ヨハネ召喚 〜
最終
リリーのアトリエ4 乙です
ほのぼの雰囲気とシリアスシーンのギャップ、梨子ちゃんののほほんとした性格がとても好きです
短編と最終章楽しみです おつおつでした
元のゲームよく知らないけどファンタジーな世界観好きなのでとてもおもしろかった
続編ワクワクしながら待ってます オマケ ゲーム的な1年目梨子ちゃんのステータス
錬金術士Lv 21
知識 4055
技術 2451
披露 0
人気 74
名声 1022
冒険者Lv 4
物理攻撃力ヘロヘロ
物理防御力ボロボロ
魔法攻撃力ピカピカ
魔法防御力ソコソコ
素早さノロノロ
チャージ トロトロ
乙
謎もまだまだたくさん残ってるしまだ出てないキャラもいる
旅に出たことりちゃんやいまだ姿を見せぬ海未ちゃんが気になるなぁ… 乙です
終わりって言うから寂しかったけど続きめっちゃ楽しみ 団長は十中八九うみみだろうけどにこちゃんは…魔女枠? ほんと乙です!
前に埋められちゃった時は残念だったけど長い月日が経ってからもまた書いてくれて凄く嬉しかったです おつかれさまです!
とても面白かったです。
次回も期待して待ってます! >>688
タイトルそのままぐぐれよw
まんまだから ○○のアトリエシリーズてストーリー繋がってるの?
どこからやっても大丈夫? アトリエシリーズは
マリー→エリー→リリーの順番に発売されてる。そこから増えて今何作あるか知らんけどもう20年近く続いてるシリーズだよ。
ちなみに作品内時系列でいうとリリー→マリー→エリーの順番だけどキニシナイ。 アトリエシリーズの中でも何作か毎に世界観が変わってる
マリー、エリー、リリーは同じザールブルグシリーズになるので直接的に色々繋がってる
その後のシリーズにもゲスト的にキャラが登場したりもしてるけどね ○○の錬金術師のとこが一緒なら続いてると思っていい アトリエシリーズでも途中から一部完全に別ゲーみたいなテイストになってるのもあるし絵面が古臭すぎると思うなら個人的には新ロロナおすすめ ザールブルグシリーズとか最初の頃のはわりと育成ゲームのテイストも強くて、マルチエンドで繰り返し遊ぶ前提のゲームなんだよね
最近のは割と普通のRPGっぽい ピンクのコメント見てると
続いてくれみたいなの多いなと思ったら、予告部分は載せてないんだな
後必死な奴がいた
まだ残ったたままの謎一覧
希が街を襲った明確な理由 全体的な事件の内容
穂乃果の場所 千歌を呪った人物と呪われた理由 千歌が穂乃果を憎む理由 団長の正体
まきりんぱなが妖精に変えられた理由 ことりの現状 黒澤姉妹の末路 善子が錬金術を辞めた理由
矢澤の扱い おい!!謎がこんなにあるぞ!!続きあるんだよな!? >>703
ちゃんと続編について言及してるだろ、お前が必死すぎだよ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています