かくいう私も、一面に雪の積もった光景を見ると少し心が弾みます。

誰も足を踏み入れていない、ひたすらに真っ白な大地。

そこを踏みしめ、自分の足跡だけが残っていく……その瞬間が好きなんです。

……おっと、話が逸れましたか。

今から話すのは、そんな風に新雪の積もった、ある冬の朝の話です。