第二話 『足跡』

さて、今日の話は……そうですね、怪談、怪談と。

それでは、こんな話にしましょう。

函館に住んでいる以上、雪というのはどうしても生活に関わってきます。

雪かきや雪下ろしを怠れば、住宅や屋根は潰される。

吹雪くことは勿論ありますし、副次的な路面の凍結だって洒落にならない。

しかし、雪が危険で、厄介なだけの存在かと言われれば、必ずしもそうではありません。

雪像やかまくら、それに幻想的な雪の結晶。色々な形で、見る人を楽しませてくれます。

……もちろん、理亞は言うまでもなく、分かっていますよね。