0011名無しで叶える物語(ささかまぼこ)垢版 | 大砲2018/01/04(木) 01:10:10.52ID:Y/qz03qJ それが彼の足音だと気付くのには、そう時間はかかりませんでした。 『ズルリ、ゴキキ。』 彼の動きに合わせるかのように、音は聞こえてきましたからね。 いえ、しかし。何かを引き摺っているような、あるいは杖でもついているような。 そんな音が、果たして普通に歩いていて起こるでしょうか。 『ズルリ、コキ。 ズルリ、ゴキキ。』 そんな疑問もまた、彼とすれ違う時には氷解したのです。