ーーーダメだ、聴いてはならない、見てはならないと、意識を彼女から反らそうと足掻いてみたが、それはもう無駄であった

ーーーいや、無駄な足掻きというのは、間違った例え方だ。何故ならそれは、表面的にただ拒んでいただけだったからだ

ーーー本質的、私の心はもう、足掻くことなく既に彼女に囚われていた

「明るい、歌声は、恋をしているから」

ーーーそうだ、私は彼女に恋をしていたのだ

ーーーあの歌の、亜麻色の髪の乙女のように