曜(25)「千歌ちゃんの結婚式」
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曜の部屋
梨子(24)「曜ちゃん起きて」ユサユサ
曜(25)「ん……んん……」
曜「……なんで梨子ちゃんが私の家に?」
梨子「もう、自分が呼んだんでしょ」
曜「え?」
梨子「引き摺ってでも連れて行ってって」
曜「あ……」
梨子「朝ご飯もうすぐできるから」
曜(そうだ……今日は……)
曜(千歌ちゃんの結婚式だ) やたら気にしてる人いるけど
仮に元ネタに忠実だとして何かいけないことでも?
原作未見なら新鮮な気持ちで楽しめるし原典を知る切欠にもなる
既知でもラブライブでパロしてるのを見るのは楽しくて好き
世奇妙パロとかはまんまでも人気なのにな 元ネタ元ネタうるせぇな
知らんってことはキッズなんだろうが、黙って見とけよ >>174
もとネタが大絶賛されてる流れで気になっただけよー 最初の方読んでたらゲロ吐きそうになったから読めてないけどなかなか面白いな
曜「……っ」
曜「こ、ここは……」
曜「私の部屋か」
ギュッ
曜(写真持ったまま寝落ちしたんだっけか)
曜(懐かしいな……)
曜(私と千歌ちゃんとしいたけ)
曜(もう、どこにしまったかわからないけど)
曜(結局捨てられなくて……)
曜(私は何にも捨てられなくて……)
曜(今、ここにいる)
曜(戻って来たんだ……!) 曜(えっと時間は……)
曜(五時……)
曜(今から行けば十分間に合う)
曜(でもその前に……)
プルルルルルルルルルルル
ピッ
梨子『ん……もしもし……?』
曜「ごめんね。こんな朝早くに」
梨子『ううん……そのまま寝落ちしちゃってたから丁度良かった』
梨子『それで……どうしたの?』
曜「梨子ちゃんにお願いがあるんだ」
梨子『うん』
曜「この後、浜辺で千歌ちゃんと二人きりにしてほしい」 梨子『こんな朝早くにこっち来るの?』
曜「うん……どうしても話したいことがあるんだ」
梨子『そっか……』
梨子『千歌ちゃんのことお願いね』
曜「……まかせて」
梨子『ふふっ、千歌ちゃんの一番の理解者は曜ちゃんだものね』
曜「それは……どうかな……」
梨子『え?』
曜(確かめたい。だから行くんだ) 浜辺
千歌「……」
スタスタ
千歌「……あれ」
千歌「……曜ちゃん?」
曜「おはよ、千歌ちゃん」
千歌「どうしてここに……」
曜「千歌ちゃんに会いたくて。千歌ちゃんは?」
千歌「へ? あぁ……うん」
千歌「何か見えないかなぁって」
曜「え?」
千歌「ほら、梨子ちゃんは海の音を探して潜ってたでしょ?」
千歌「だから私も何か見えないかなって」 曜「そのまま潜ったら風邪引いちゃうよ」
千歌「へへっ。それもそうだね」
千歌「それに」
千歌「ほんとはわかってるんだ」
千歌「何も見えないって」
千歌「私にはまだ何も見えてないんだって」
曜「どうして?」
千歌「私は普通だから」
曜「え?」 千歌「私にはね」
千歌「先にあるものがなんなのか」
千歌「このまま続けてもゼロなのか、それともイチになるのか。ジュウになるのか」
千歌「私にはわからないんだ」
千歌「わからないから……私は続けるよ。スクールアイドル」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「へへっ。昨日は返事できなくてごめんね」ニコッ
曜「……」
曜(やっぱり私には……見せてくれないのかな)
曜(本当は泣くほど悔しいはずなのに)
曜(私には……) 曜「ねぇ、千歌ちゃん」
千歌「んー?」
曜「無理、しなくていいんだよ?」
千歌「何が?」
曜「無理に明るくしなくていいんだよ?」
千歌「無理なんて……してないよ」
曜「してるよ」
千歌「してない」
曜「してる」
曜「私にはわかるよ。千歌ちゃんのこと」
曜「だから――――」
千歌「わかってない!!」
曜「」ビクッ 千歌「ゼロだったんだよ」
千歌「あれだけみんなで練習して、みんなで歌を作って、衣装も作って。PVも作って……」
千歌「頑張って頑張って、みんなにいい歌聞いて欲しいって……」
千歌「スクールアイドルとして輝きたいって……」
千歌「なのにゼロだったんだよ!!」
千歌「悔しいに決まってるじゃん! 聞かなくてもわかるでしょ!?」
千歌「私はリーダーなんだよ!? 後輩だっているんだよ!?」
千歌「言えるわけないじゃん!!」
曜「ご、ごめん……」 千歌「曜ちゃんにはわからないよね」
千歌「私がどれだけ悔しかったか、どれだけ我慢してたか」
千歌「私よりもずっと先が見えてる曜ちゃんにはわからないよ」
曜「わ、私はただ……」
千歌「私ね、やっと見つけたと思ったんだ」
千歌「普通な私でも輝けるって」
千歌「スクールアイドルならもしかしたらって」
千歌「スクールアイドルなら……曜ちゃんと輝けるんだって――」
千歌「それなのに!!」
曜「」ビクッ 千歌「どうして『スクールアイドルやめる?』なんて言うの!?」
千歌「私はやっと曜ちゃんと一緒に何か出来るって思ってたんだよ!?」
曜「そ、そんなつもりで言ったわけじゃ……」
千歌「わかってる!」
千歌「そんなのはわかってるんだよ……」
千歌「ただ私の気持ちも考えてよ……」
千歌「曜ちゃんに『それ』を言われる私の気持ちをさ……」
曜「……」
千歌「私はね、曜ちゃんが思ってるほど強い子じゃないんだよ……」
千歌「あの時……私は曜ちゃんに……」
千歌「『一緒に頑張ろうね』って言ってほしかった……」ポロポロ
曜「千歌ちゃん……」
千歌「こんなにずっと一緒にいるのに、曜ちゃんは何にもわかってない」
千歌「わかってくれないんだよ……わああああああああああん」 梨子「千歌ちゃん!」
タッタッタ
千歌「梨子ぢゃぁん……私……わたし……」
梨子「いいのよ……素直になって」ギュッ
千歌「だって私が泣いたらみんな落ち込むでしょ……」
千歌「今まで頑張ってきたのに、せっかくスクールアイドルやってくれたのに、悲しくなっちゃうでしょ?」
千歌「だから……だから……」
梨子「バカね……みんな千歌ちゃんの為にスクールアイドルやってるんじゃないの。自分で決めたのよ」
梨子「私も。曜ちゃんも、ルビィちゃんも、花丸ちゃんも、善子ちゃんも。だからいいの」
梨子「千歌ちゃんは、感じたことを素直にぶつけて、声に出していいのよ」
千歌「ぐすっ……う、うわああああああああああああああん」
梨子「みんな一緒に、これからも、頑張りましょ?」
千歌「うん……っ」
梨子「…………ごめんなさい。見ていられなくて……」
曜「…………」 曜(まるで、運命が告げているみたいだった)
曜(彼女の隣はお前じゃないと)
曜(お前では運命は変えられないと)
曜(私は彼女のことを理解した気になって苦しめていた)
曜(彼女が離れていったんじゃない)
曜(私が突き放したんだ)
『こんなにずっと一緒にいるのに、曜ちゃんは何にもわかってない』
曜(その言葉が何度も何度も)
曜(私の中で木霊していた) それから私達は、遅れてやってきた一年生達の手前
形だけの仲直りをし、別れた
そして昼過ぎ
『一度目』とは少し遅れて
私達は再出発の写真を撮った―――― ☆――☆
『女は、自分が彼女にとっての大陽であることを知らない』
『その一方で女は、自身が彼女にとっての星であることに最後まで気付くことはなかった』
『太陽と星』
『その二つの輝きは』
『いつしか』
『互いの本当の姿を』
『見えなくしてしまった』
☆――☆
妖精「運命とは時に残酷なものだ」
妖精「本来なら知ることのなかった彼女の想いを」
妖精「本来なら爆発することのなかった彼女の想いを」
妖精「お前に突きつけてくる」
曜「……」
妖精「彼女は望んでいた。お前が隣で支えてくれることを」
妖精「だが、あの頃のお前は信じていた。彼女の強さを」
妖精「立ち上がり、自分の隣にいてくれると――」
曜「…………」
妖精「その僅かなすれ違い……隙が」
妖精「こうまで運命を変えてしまうとはな」
曜「……え?」 妖精「周りをよく見てみろ」
曜「……」
キョロキョロ
曜「……あれ?」
曜「こんなに人、少なかったっけ……」
妖精「いくら寛容な世の中になったとはいえ」
妖精「同性同士の結婚となると、呼べる人間は限られてしまう」
曜「えっ」
バッ 私はその光景を
現実だと受け入れられなかった
脳が、体が……いや
心がそれを拒絶していた
私は心のどこかで
男の人と結婚するならそれはしょうがないことだと
受け入れられていた
受け入れられていたんだ 曜「なんで……」
曜「おかしいよ……こんなの」
曜「どうして……どうしてよ……」
曜「どうして千歌ちゃんの隣に……」
曜「梨子ちゃんがいるの……」 妖精「この世に神がいるとするならば」
妖精「どうやらお前は、相当嫌われているらしい」
曜「こんなのってないですよ……」
曜「なんで……よりにもよって梨子ちゃんなの……」
妖精「なぜ彼女なのか」
妖精「その答えは――あの司会が教えてくれる」
パチン! ザワザワ…
『予備予選後の写真』
司会「こちらは桜内様が、ご自身の夢の一歩であるピアノコンクールよりも」
司会「高海様の傍にいることを決断したライブでございます」
司会「お二人は、このライブをきっかけに距離を縮め、大学での交際へと発展した次第であります」
鞠莉「コンクールよりも今はあなたが大事」
鞠莉「なんて言われたら、あの千歌っちもトキメイちゃうわよね〜」
果南「まぁ、あの頃は余計にね……」
ダイヤ「にしても、本当に女性同士で結婚してしまうとは」
花丸「まさかずら」
ルビィ「ロマンチックだよね〜」
果南「……相当揉めたみたいだけどね」
鞠莉「Why?」
果南「梨子が一人っ子だから」
鞠莉「あぁ〜」 ダイヤ「千歌さんは三姉妹の末っ子ですものね」
果南「うん……千歌の方はわりとすんなり説得できたみたいだけど」
花丸「梨子ちゃんは一人っ子で女同士だと子供が出来ないから……」
ルビィ「子供……かぁ……」
果南「大反対されたけどなんとか押し切って」
果南「ようやく今日を迎えられたってわけ」
鞠莉「困難や障害があるほどLOVEは燃えるって言うしね〜」
鞠莉「私達は素直に祝福してあげましょ」 曜「そんな……梨子ちゃんが……」
善子「どうしたのよ曜」
曜「ねぇ善子ちゃん!!」
善子「はいっ!?」
曜「なんで!? なんで梨子ちゃんはピアノコンクールに行かなかったの!?」
善子「えっ……えぇっと……」
善子「確か……あの頃……」
善子「千歌と曜がうまくいってなかったから……」
曜「え…………」 善子「東京から帰って来てから、あなた達ギクシャクしてたじゃない?」
曜「……」
善子「それで梨子が、今は千歌の傍にいないといけないんだって……」
曜「じゃぁ私が……」
曜「私があの時、千歌ちゃんの所に行ったから……」
曜「私が二人を……」
善子「ど、どうしたのよ急に……」
曜「ねぇ善子ちゃん」
曜「私、今日どうやってここに来たんだっけ……」
善子「いや、私と一緒に来たじゃない」
善子「『昨日、曜の家で飲んでさ』」
曜「そんな……」 曜「消えちゃったんだ……」
善子「何が?」
曜「思い出が……」
善子「思い出?」
曜「全部……全部消えちゃったんだ……」
曜「梨子ちゃんとの思い出も……千歌ちゃんとの思い出も……」
曜「あの日……千歌ちゃんが来てくれたことも……」
曜「ぜんぶ……ぜんぶもう……わああああああああああああああああああ」
善子「よ、曜!?」
パチン! 曜「なんでよ……なんでこうなるの……」
曜「私はただ……千歌ちゃんの……隣にいたいだけなのに……」
曜「ただそれだけなのに……どうしてこうなるの……」
曜「こんなことなら……」
曜「過去になんて戻るんじゃなかった……」
曜「私じゃないんだ……千歌ちゃんの隣は……」
曜「私じゃ……ダメなんだ……」
妖精「…………」
曜「妖精さんは……全部知ってたんですか……?」
曜「こうなるって……」
妖精「……いいや」 曜「あはは……そうですよね」
曜「良かった……もし、知ってたなんて言われたら」
曜「私、妖精さんのこと嫌いになってました」
妖精「……お前は優しいな」
曜「……私は、優しくなんてないですよ」
曜「私は周りが思ってるような良い子じゃないんです」
曜「本当の私は……醜くて……嫉妬深くて……わがままで……」
曜「いつまで経っても現実を受け入れられない子供なんです」
曜「だからこんな目にあうんです」
曜「全部……全部私が悪いんです」
妖精「いいや違う」 妖精「お前は誰よりも強く、優しい。よく出来た人間だ」
妖精「出来すぎているんだ」
曜「……もういいんです」
妖精「お前はいつもそうだ。自分よりも他人を優先してしまう」
妖精「自分の本当の気持ちを押し殺し、相手の気持ちを、相手のことを想ってしまう」
妖精「だからこうなるんだ」
曜「私は……」
妖精「お前はまだ、自分の気持ちを彼女に伝えていない」
妖精「チャンスはまだ残されている」
曜「今更戻ったところで出来ることなんて……」
妖精「なぜ、今更諦める」
妖精「どうして今まで諦めなかったのに今になって諦める?」
曜「それは……」 妖精「いいか? 運命を変えるのは行動ではない」
妖精「想いだ」
曜「想い……」
妖精「人の心を動かす程の強い想いが運命を変える」
妖精「たった数分の会話で運命はここまで変わってしまった」
妖精「それだけ、あの頃の彼女が抱いていた想いは強かったということだ」
曜「千歌ちゃんの……」
妖精「ならばお前もぶつけてみろ」
妖精「お前の中にある、想いを。全て」
妖精「お前の本当の気持ちを」
曜「……」
曜「どうして……」
曜「どうして妖精さんは、そんなに私の味方をしてくれるんですか?」 妖精「見たいからだ」
曜「え?」
妖精「お前が『奇跡の扉』を開けるその瞬間を」
曜「奇跡の扉……」
妖精「お前はもう、その『鍵』を持っている」
妖精「後は、お前が使うか、使わないか」
妖精「それだけだ」
曜「それって――」
妖精「おっと、口が過ぎたな」
妖精「俺はチャンスを与える者であって、導く者ではない」
妖精「渡辺曜」
妖精「覚悟を決めろ」
曜「…………はい」 妖精「俺も覚悟を決める」
妖精「ありったけの力でお前を送ろう」
妖精「相応しい舞台へ。な」
曜「また……会えますか?」
妖精「……さぁな」
妖精「求めよ。さらば与えられん」
妖精「訪ねよ。さらば見出さん」
妖精「扉を叩け。さらば開かれん」
曜(私の……覚悟……)
曜「全速前進! ハレルヤァァァァァァァ」
曜「チャンス!!」
☆――☆ つっら
完結してからくるんだった
続き見て癒されたい 次あたりは梨子ちゃんが横に居たりするんじゃね?wとは思っていたが、予想以上にハードだった 展開キツくてゲロ吐きそうだけど期待
ハッピーエンドでありますように! 涙流したりゲロ吐いたりお前ら忙しいな
俺は漏らした 思ったよりキツい展開だけど面白いので続きが気になる チュンチュン
バッ
曜「今日は……」チラッ
曜「……」
曜「本当なら梨子ちゃんを送り出した日……」
曜「妖精さん……写真の日より随分前に送ってくれたんですね……」
<ヨーウ
<アサゴハンデキルワヨー
曜「答えなきゃ……妖精さんの期待に……」
曜「……」
曜「違う」
曜「そうじゃないって怒られたばっかりなんだ」
曜「私は」
曜「私のために戻ってきたんだ」 食卓
曜ママ「曜、何かあった?」
曜「ん?」モグモグ
曜ママ「なんだか昨日とは違うから」
曜「そうかな……私は別に」
曜「……」
曜ママ『曜……今、お付き合いしてる人とかいるの?』
曜ママ『急かしてるわけじゃないのよ』
曜ママ『ただ……あなたからそういう話、今まで聞いたことなかったから』
曜「ねぇ……ママ」
曜ママ「なに?」
曜「私ね……千歌ちゃんのこと好きなんだ」 曜ママ「ふふふ、なによいきなり」
曜「誰よりも好きなの」
曜「私は千歌ちゃんと結婚したい」
曜「他の人となんて考えられないんだ」
曜ママ「…………そう」
曜「……ごめんなさい」
曜ママ「どうして謝るの?」
曜「……親不孝者だから」
曜ママ「なんで?」
曜「なんでって……普通じゃないから……孫とか……」
曜ママ「そうね……女の子同士じゃ孫は見れないわね」
曜「…………」 曜ママ「でもね、曜」
曜ママ「千歌ちゃん以外の人と結婚してあなたは幸せになれるの? 千歌ちゃんと結婚しないであなたは幸せになれるの?」
曜「…………なれないと思う」
曜ママ「なら、結婚しなさい。千歌ちゃんと」
曜「でも……」
曜ママ「パパとママの一番の幸せはね」
曜ママ「あなたが幸せになること」
曜ママ「自分の気持ちに嘘をついてほしくないの」
曜「ママ……」
曜ママ「それに知ってたわよ」
曜ママ「あなたが千歌ちゃんのこと特別に想ってるの」
曜「えっ」 曜ママ「いつになったら教えてくれるんだろうってずっと思ってたのよ?」
曜「バレてたんだ……」
曜ママ「お見通しよ。それで、いつからお付き合いしてるの?」
曜「……まだ、してない」
曜ママ「え?」
曜「今日。告白する」
曜ママ「あら、そうだったの。結婚なんて言うからてっきり」
曜「ごめん……」
曜ママ「いいのよ。頑張ってね」
曜「ありがとう……。今まで……散々待たせてごめんなさい」
曜ママ「気にしないで。待つのは得意だもの」 曜ママ「待つのは得意だもの」
どこかで見たことのある台詞 浦の星女学院
曜(伝えるんだ……私の気持ちを……)
スタスタ…
千歌「お、おはよう。曜ちゃん」
曜「おはよう、千歌ちゃん」
曜「ごめんね。急に呼び出したりして」
千歌「ううん……平気」
千歌「それで……何かな?」
曜「…………」
曜(言うんだ。二十五年間言えなかった言葉を)
曜(この一言のために)
曜(私はやり直して来たんだ)
千歌「よ、曜ちゃん?」
曜「千歌ちゃん!」
千歌「は、はい!」
曜「私は! ずっと千歌ちゃんのことが好きでした!」
曜「私とお付き合いしてください!」 千歌「……え、え?」
千歌「お付き合いって……恋人になるってこと?」
曜「うん。そうだよ」
曜「私は千歌ちゃんと恋人になりたい」
曜「ずっとそう思ってた」
千歌「…………どうして今なの?」
千歌「その……私達、今は……」
曜「わかってる」
曜「けど、今しかないって」
曜(私には今しかないから)
曜「今なんだって思ったから」 曜「返事、聞かせてほしい」
千歌「そんな急に……」
千歌「まだあの時の整理も出来てないのに……」
曜「ごめん……自分勝手なのはわかってる」
曜「ただの私の我儘なんだって……」
曜「それでも『今』答えがほしい」
千歌「む、無理だよ……少し考えさせて……」
曜「いつ!? いつになったら答えてくれる!?」
千歌「えっ……その……ラブライブが終わってから……」
曜「それじゃ遅いの!!」
千歌「」ビクッ 曜「お願い千歌ちゃん」
曜「返事を聞かせて」
千歌「わ……私は……」
千歌「曜ちゃんがわからないよ……」
曜「え?」
千歌「あの日からずっと、まともに口聞いてくれなかったのに……」
千歌「今になって急に好きだ、なんて……」
千歌「わかんないよ……曜ちゃんが何考えてるか……」
曜「それは……ごめん……でも……」
曜「千歌ちゃんのことが好きなのは本当だよ」
曜「私の……本当の気持ちだよ」
千歌「…………」 千歌「ごめんなさい……」
曜「……」
千歌「今、こんな気持ちじゃ曜ちゃんと付き合えないよ……」
千歌「今は……」
曜「そっか……」
千歌「今はさ、ラブライブに集中して――」
曜「いいんだ」
曜「わかってるから」
曜(千歌ちゃんが今、私よりも梨子ちゃんの方が好きなんだって)
曜(そうさせたのは他でもない私だから)
曜(私なんだから……)
千歌「曜ちゃん……」 曜「ごめんね。大事な予備予選の前にこんなこと言って」
千歌「ううん……」
千歌「もう……仲直りってことでいいんだよね?」
千歌「また、元に戻れるよね?」
曜「うん……戻れるよ」
曜「私達、親友だもん」
千歌「そうだよね……」
曜「へへっ! 今までごめんなさいでした!」
曜「私、変に意地張っちゃってた!」
千歌「私も……曜ちゃんにだけは私の弱い所見せたくなかったから」
曜「……どうして?」
千歌「曜ちゃんはね……」
千歌「私の」
千歌「一番の憧れだから」
――――
――
ママ。妖精さん
ごめんなさい
振られちゃいました
あんなに応援してくれたのにダメでした
でも、もう平気です
伝えられたから
私の本当の気持ちを
後悔はありません プール
ルビィ「綺麗になったね!」
花丸「ぴかぴかずら!」
ダイヤ「ほら見なさい! やってやれないことはありませんわ!」
五人「えええええええええええええ」
果南「そうだ。ここでみんなでダンス練習してみない?」
鞠莉「oh! funny! 面白そう♪」
ダイヤ「滑って怪我しないでよ?」
鞠莉「ちゃんと掃除したんだし、平気よ」
果南「じゃ、みんなポジションについて」
ドン
梨子「あたっ」
曜「あっ……」 果南「珍しいね。曜がポジション間違えるなんて」
曜「あはは……ごめん、梨子ちゃん」
梨子「ううん」
千歌「……」
トボトボ
曜(……そう。私はあなたの変わりだったから)
曜(そこは私の居場所じゃないから)
曜(もうこのまま)
曜(予備予選を終えて戻るだけなんだ……)
ピタッ
曜「…………」 果南「珍しいね。曜がポジション間違えるなんて」
曜「あはは……ごめん、梨子ちゃん」
梨子「ううん」
千歌「……」
トボトボ
曜(……そう。私はあなたの代わりだったから)
曜(そこは私の居場所じゃないから)
曜(もうこのまま)
曜(予備予選を終えて戻るだけなんだ……)
ピタッ
曜「…………」 果南「ん? どうかした曜?」
曜「……果南ちゃん」
曜「フォーメーションなんだけど」
果南「うん」
曜「私が千歌ちゃんの隣じゃダメかな?」
果南「え?」
千歌「曜ちゃん……」
梨子「……」 果南「ん? どうかした曜?」
曜「……果南ちゃん」
曜「フォーメーションなんだけど」
果南「うん」
曜「私が千歌ちゃんの隣じゃダメかな?」
果南「え?」
千歌「曜ちゃん……」
梨子「……」 曜「ほら……私と千歌ちゃんのが身長同じで見栄えいいと思うんだよね」
曜「大事な予選だから細かい所まで突き詰めた方がいいと思う」
果南「んー」
果南「まぁ、私も最初はそのつもりだったんだけど」
曜「それじゃあ」
梨子「イヤです」
曜「っ」
梨子「千歌ちゃんの隣は私がやります」
曜「梨子ちゃん……これは予選のために」
梨子「曜ちゃん。違うでしょ?」
曜「…………」 梨子「曜ちゃんは千歌ちゃんが好きだから」
梨子「諦めきれないから隣がいいんでしょ?」
曜(梨子ちゃんに言ったんだ……)
曜「…………違うよ」
曜「諦めるために隣がいいんだ」
曜「最後に……この曲だけでいいから」
曜(最後の思い出を)
曜「私と変わってください。梨子ちゃん」
梨子「…………」
梨子「ごめんなさい。曜ちゃんには変わってあげられない」
梨子「あの日から、どれだけ千歌ちゃんが苦しんだか」
梨子「曜ちゃんは自分のしたことをわかってないよ」
曜(はは……私、何してたのかな……)
曜(何もしてなかったのかな……) 果南「はいはい、おしまい!」
果南「曜と千歌は今朝、仲直りしたんでしょ?」
千歌「……うん」
曜「……」
果南「なら、もう大丈夫でしょ」
果南「ただポジションは一度決めたことで、曜も納得してたんだから」
果南「梨子ちゃんの意思を尊重してね」
曜(梨子ちゃんの意思……)
曜(そんなのわかってる)
曜(梨子ちゃんの優しさを。私が一番知ってる)
曜(梨子ちゃんは千歌ちゃんのことを想ってるだけで)
曜(私のことが嫌いとかそういうんじゃなくて)
曜(ただ、彼女の味方で……彼女のために傍にいる……)
曜(私にもそうしてくれたから……)
曜「それでも」 曜「千歌ちゃん。私が隣じゃダメかな?」
千歌「えっ……」
曜「千歌ちゃんはAqoursのリーダーでしょ?」
曜「だからさ、お願い。これが最後」
曜「最後にあなたの隣で踊らせてほしい」
曜「もう二度とわがまま言わないから」
千歌「最後なんて言わないでよ……なんでそんな悲しいこと言うの……」
梨子「ちょっと曜ちゃ――」
果南「曜!!」
七人「」ビクッ 果南「いい加減にして。私達はチームなんだよ?」
曜「…………」
果南「いくら千歌のことが好きだからってこれ以上は――」
曜「そうだよ」
曜「私は千歌ちゃんのことが好きなの。誰よりも。何よりも……」
曜「本当はスクールアイドルも廃校も私はどうだっていいんだ……」ポロポロ
八人「……」
感情をコントロール出来なかった
想いが溢れ出して
これが最後だと
彼女の傍にいられる最後なんだって思うと
言葉が止まらなくなったんだ 曜「私は!!」
曜「私はただ! 千歌ちゃんの隣にいたいだけなの!!」
曜「おばさんになってもおばあちゃんになってもずっと。ずっと!」
曜「どんなに反対されたって、どんなに周りに受け入れられなくたって……離れたくない」
曜「千歌ちゃんとずっと一緒にいたい……私には千歌ちゃんしかいないって……」
曜「千歌ちゃんがいないとダメなんだって痛いほどわかったから……」
曜「千歌ちゃんは私の……ひぐっ……」
大陽だから
あまりにも情けない光景だった
二十五歳にもなって
大泣きして、鼻水を垂らしながら
わがままを言って周りを困らせる子供
それが本当の私
輝いていたのは私じゃない
私はただ、あなたに
照らされていたんだ 上の太陽あってるのになんでこっちミスってんだ
また修正 曜「私は!!」
曜「私はただ! 千歌ちゃんの隣にいたいだけなの!!」
曜「おばさんになってもおばあちゃんになってもずっと。ずっと!」
曜「どんなに反対されたって、どんなに周りに受け入れられなくたって……離れたくない」
曜「千歌ちゃんとずっと一緒にいたい……私には千歌ちゃんしかいないって……」
曜「千歌ちゃんがいないとダメなんだって痛いほどわかったから……」
曜「千歌ちゃんは私の……ひぐっ……」
太陽だから 曜「はぁーっ……ふぅーっ……」
曜「ぐすっ……ひぐっ……」グシグシ
曜「…………ごめんね。みんな」
曜「私、今日帰るから」
曜「頭冷やしてくるね」
果南「曜……」
梨子「曜ちゃん待って!」
曜「大丈夫、予備予選には出るよ」
曜「ダンスとかはもうバッチシだし」
曜「心配しないで」
曜「泣いたらスッキリした!」
曜「それじゃ! また明日!」
タッタッタ…… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています