何故かは自分でも分からない。
 地獄を見るのは火を見るより明らかなのに。そのはずなのに。
 どうして……?

 自分でそのことに驚いていると、真後ろで満足そうに曜ちゃんが囁く。

「いい子だね、俺君」

「っ!」

 ぞくぞくする。
 この感覚は何なのだろうか。
 奇妙な高揚感。
 腹の底がキュンキュンと締め付けられるような不思議な感覚。
 少し怖い……。
 
「じゃあ、一気にいくよ」

「……は……ぃ」