ワイ「それじゃあワイ、先に校舎裏で待ってるから」
そう言って、ワイは教室を出た。ごんごんのニヤニヤ顔やボスのはやし立てるような口笛がワイの背中に向けられている気がしたが、ワイの脳はすでにイオリンチョコを食べたときの多幸感を表現するための化学物質を合成するのに忙しかった。

そして校舎裏。イオリンまだ来ないかな? と腕時計に目を落とすことを10秒ごとに繰り返すうち、ようやくイオリンが建物の陰から現れた。手にはかわいらしいピンク色の包み紙にまかれた小さな箱を持っている。中身は何かな(すっとぼけ)

イオリン「ごめんね! 待たせちゃった? あのね、あのね! ワイくんに、これをもらってほしくて……」
太陽のような笑顔を顔に浮かべて、イオリンはこちらに向けて、走ってくる。
まるで遊園地に来た子供みたいだった。そんなに走ると、転んじゃうよ。と声をかけようとしたとき、