食の時代

https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/uraomote/080.html

「完食」ということばは、おそらく1995年ごろから出始めたことばだと思われます。
「大食いチャンピオン」を名のる人々が、これでもかこれでもかと食べていて、もう腹十二分目というころにテレビの司会者が「完食です!」と全て食べきった時に言います。
「食べきれるとは思えない量なのに全て食べた」という意味で使われます。
実は、「完食」は大食いだけではなく、病院食についても一部の看護部門で使われているようです。
入院患者が、決められた食事をどのくらいとっているかを報告するときに「全量摂取」あるいは「完食」ということばを使っているということです。
もちろんこれは専門用語の一つだと言えます。「○%食」という言い方も一部の病院ではあったようです。
一般に広まったのは病院からではなく、テレビの番組からではなかったかと思われます。
「完食」はありそうなことばですが、それまで使われていなかったのは、食事は「完食」するのがあたりまえで、あたりまえのことをわざわざ言う必要がなかったからだと考えます。