現実世界で思うような人間関係が作れず
自己主張の場を欲した結果たどり着いたネット
一般に匿名で楽しむ掲示板
敢えてコテをつけて乗り込む

それからそこが居場所になった
嫌われながらも存在が認められ
教室では寂しげに過ごす日々
しかしそこでは得意気に自分を語る
初めて彼女ができたこと(彼女はブサイク)
嫌いな同級生たちのこと(嫌われていたけど)
未成年で飲酒をしたこと(異常な「呑み」への拘り)
友達を7人も泊めたこと(救世主になれた)

この他数々の武勇伝
語る内容はほとんど嘘
それでも彼は満足だった
しかしこれが後に仇となる

細切れに出された情報を
自らがつけたコテが全て結び
追い詰められてついに特定

衝動で発した言葉たちが
自らの首を締め上げる
彼への仕打ちはまだ続く

切羽詰まって思いついたのは
弁護士に相談という選択肢
衝動で駆け込んだその先は
残念ながら無能弁護士

大金叩いて雇ったはいいが
騒ぎは鎮火どころかさらに燃える
その火が消えることはなく
彼の過ちはネットの海に残り続ける