188: 名も無きハンターHR774 [] 2019/03/03(日) 18:50:28.87
まずエースが仲間の制止を振り切って突出しピンチになるというのは今回が初めてではない。エースは白ひげの制止にも関わらず黒ひげを追い、
見事に返り討ちにされてしまった。今回の戦争はある意味でエースの尻拭いから始まったものだが、エースは再び赤犬の挑発に乗って命を危険にさらすとい
う学習能力のなさを見せている。しかも仲間が殺されている黒ひげ裏切りに比べ、こちらはただの暴言でしかないため、問題の軽さが段違いである。後述するが
赤犬の発言は的を外したものであり、エース以上に白ひげと共に時間を過ごしたベテランの船員達は赤犬の言葉を「見え見えの挑発」「勝手に言わせておけ」とスルーしている。が、赤犬の言葉を聞いて
た何十人のクルーの中でもよりにもよって一番挑発に乗ってはいけないエース一人だけが赤犬の言葉に反応し足を止めてしまった。仲間の事になると向こう見ず
な性格のルフィですら「エース行こう、おっさんの覚悟が……」と引き止める側に回っている。もともとルフィは肝心なところでは本質を見極めるタイプだが、弟が冷静に戦況を見ている一方でエー
スが顔を真っ赤にしていることがよりエースの煽り耐性のなさを強調してしまった。そもそも赤犬には白ひげ海賊団を
挑発したつもりすらなく、若い頃から海賊を毛嫌いしていたサカズキは単に思ったことをそのまま口にしただけなのである。彼にエースを足止めさせる意図は
なく、わざわざエースが向かってきてくれた時は「?」という反応であった(アニメ版では挑発するような口調に改変されていたがはやりエースが足を止めた時
は首を傾けていた)。怒りに震えるエースがサカズキを倒すならまだしも簡単に撃退されてしまった(ちなみにこの時の赤犬の「マグマは火の上位互換」とい
う分かるような分からないようなセリフもよくネタにされる)。この直後に腹を貫かれて死ぬためエースは激怒しても赤犬に一矢も報いることができなかったこ
とになる。エースの戦績は黒ひげに敗北、陸でのジンベエと対等、赤犬に殺されるなどどうもパッとしない。白ひげは長く共に旅をした仲間達に最期の船長
命令を下す。「全員!!必ず生きて!!無事、新世界へ帰還しろ!!!」。白ひげとエースの最期の別れは二人の愛情を端的に表す感動的な場面であった。にも関わらずエースは命令を無視して死んでしまい、大
海賊白ひげの家族へ残したこの最期の言葉は果たされることがなくなってしまった。エースの死によって彼を守るために命を賭して戦ったエドワード・ニューゲ
ートの戦略的敗北が確定した。またその後、白ひげ海賊団は黒ひげ海賊団に落とし前戦争で敗北し、傘下の海賊も白ひげの息子を名乗るエドワード・ウィーブルに次々撃破され瓦解した。エースが生き
ていた場合の黒ひげやウィーブルとの戦いがどうなっていたかはわからないが、エースの死が船員に与えた影響は大きかっただろう。ポートガス・D・エースに
は親と呼べる人が大勢いる。生みの親のロジャーとルージュ、海賊としての親のエドワード・ニューゲート、育ての親
のガープとダダン。彼の死はその全員を悲しませるものであり、戦争まで生きていた者だけでも「トリプル親不孝者」。全員合わせると「クインティプル親不孝者」