オルガンペダルは足の動きとペダルの動きが同じ、という触れ込みだけど、実際はそうじゃない。
床に着いたかかとの位置と、ペダルの部品の回転軸を一致させるというのは構造的に不可能だし、事実そうなってない。

結果何が起きるかというと、かかとより前にペダルの回転軸があるので、
踏み込んでいくと、足とペダルの接点が、ペダル面に沿って下側にずれていく。
人から見るとペダルがつま先方向に、ペダルが前に逃げる様な感じにズレる。
これが敏感な人だと、ペダルが逃げるフィーリングが不自然、或いは不快に感じる人もいる。
NANBロードスタースレにそれを感じ取ったっぽい人がいたね。

あとアクセルとブレーキの間に足を置いて斜めにアクセルを踏むと、
当然ながら真っ直ぐ踏んだ時より回転軸に近い位置で踏む事になるので、ペダル操作力が重くなる。

吊り下げ式だと回転軸から逆に遠くなるので操作力が軽くなる。

足をブレーキとの間に置いて渋滞時の操作とか、ヒール&トゥを考えると吊り下げの方が良いんじゃないか、と個人的には思います。

吊り下げ式で真っ直ぐに踏むと、足とペダルの接点がペダル面に沿って上にずれていく。
人から見るとペダルがかかとに向かってずれる。足の裏面の中央に向かって来る感じ、かな。
これは不快と感じる人が少ない印象。多分、逃げるんじゃなくて、入り込んで来る感覚だからだと思う。

とまぁ、昔スポーツカーでオルガンアクセルペダルの採用設計検討をしたことあるんだけど、
上に挙げた理由等々で結果見送りになったんだよね。

オルガンアクセルペダルは設計スイートスポットがかなり狭い。
実操作も、真っ直ぐ踏まないと、しかもかかとを床に着けないで足をペダルに乗せた状態じゃないと(回転軸をペダル側に委ねないと)、
オルガン式の特性が活きない。

逆に吊り下げ式はマットとの隙間、引っ掛かりには最大限の注意が必要だけど、
操作に関してはある程度変な踏み方してもネガティヴな方向への操作フィーリングに影響しにくいという意味で、
スイートスポットが広い。