現在、マツダは高級車セグメントへの再チャレンジとして直6FRを開発中と噂されているが、やっぱりFF高級車失敗のトラウマが残っているように思われる。

レジェンドは1990年デビューの第2世代からレイアウトをガラッ と変更して
縦置きV6のFFとなるのだが、当時は「縦置きにするなら、いっそFRにすれば?」と首をかしげたことを思い出す。
業界関係者の多くはスバルの 例から「これはきっと4WD化の布石に違いない」と予想したのだが、これも空振り。
 結局、レジェンドは2004年の4代目でSH-AWDとして4WD化されるのだが、
その際にV6はバンク角60度で全面新設計され、なおかつエンジンは横置きに戻されている。

 というわけで、ホンダはいまだにFR高級車に進出していないのだが、このレジェンドの迷走がトラウマになっているような気がしないでもない。

結果として、FF高級セダンの最上級セグメントは微妙なポジションに収まることとなった。

 カムリやアコードがその代表例だが、FF高級セダンのハイエンドは実用車系のトップというイメージで、プレミアム性では勝負していない。
メルセデスベンツや BMWといった生粋のプレミアムブランドですら、FR車種とFF車種の間には、くっきりラインが引かれているのが実情で、やっぱり「ホンモノの高級車は FR」という暗黙のヒエラルキーがあるのだ。