もう今の時代メーカーにまともなセダン知ってる社員がいないんだね
40代ですらセダン知らないってメーカーとしてやばいでしょ


――セダンが売れなくなったのは、何が原因なんでしょうね。

サボっていたとは言いませんが、われわれ自身が真面目に基本車型のセダンを作っていなかったんだと思います。
ワゴンが流行(はや)ればみんなワゴンを作り、ミニバンが流行ればみんなミニバンを作るようになった。
本気のセダンをちゃんと作ってきたのかということを反省しなければならない。輸入車のセダンは売れているんですよ。
国産でグッとくるセダンがなかったのは事実でしょう。

――セダンのよさが知られていない?

若手のトヨタ社員とセダンの話をしていたら、目が泳いでいたんです。
変だなと思って「セダンって何なのかわかっているよね?」と聞くと、「わかっています。プリウスとか……」と(笑)。
40代ぐらいの人でも、そういえば昔、親父が乗っていたという感じで、そこから知識が止まっているんです。
セダンが好きという方が買いたいと思えるクルマがなかった。

――潜在的な需要はあったということですか?

トヨタの「アリスト」とか、日産の「シーマ」「フーガ」とか、こだわりの国産セダンに乗られていた方にとっては、ビビっとくる国産セダンがなかった。
それで同じクルマを乗り継いでいるうちにかなり低年式になってしまった。クルマ好きだから妥協する気はないんですが、新車は常にチェックしているんです。
やはり、ミニバンやSUVは嫌だと。「ついにきたか!」ということでカムリに注目していただいているようなんですね。