アメリカの植民地である日本は、自動車などの工業製品を輸出して アメリカを相手に多額の黒字を計上してきた。
ところが黒字は日本円ではなく、米ドルを使って決済され、そのままアメリカの銀行に預けられていた。

だからアメリカはいくら日本を相手に赤字を出しても平気だった。
アメリカの銀行に預けられたドルを、アメリカ国内で使えばいいからだ。
日本は名目上は債権が増え、お金持ちになったが、そのお金をアメリカの銀行から自由に引き出し、自分の国では使えなかった。
お金の使い道は預金者ではなく、アメリカの銀行が決めていたからだ。
そしてもちろん、アメリカの銀行は国内の人々に貸し出した。
アメリカ国民は日本から輸入した品物で生活をたのしみ、
しかも支払った米ドルも アメリカの銀行に吸収され、アメリカのために使われるわけだ。
こうしてアメリカ経済はMicrosoft、Google、Apple、Amazon、Facebookなどを成長させどんどん発展した。
一方日本はどうなったか。
たとえば日本は商品を輸出してもその見返りの代金は米ドルでアメリカに蓄積されるだけだから、
国内にお金がまわらなくなる。どんどんデフレになり、不景気になった。
仕事がきつくなり、給料が下がり、ますます必死で働いて輸出する。
ところが黒字分の代金は、米ドルのまま名義上の所有としてやはりアメリカ国内で使われる。
こうしていくら黒字を出しても日本は豊かになれなかったが
赤字を出し続けたアメリカは、これを尻目に繁栄を謳歌できたのである。